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AIをパートナーとして使いこなすための5つの読書戦略

AIは僕らの知性を高める存在なのか、それとも破壊する存在なのか?
── この問いに対する答えは科学的にもおよそ示されている。そして、それはきっとあなたの予想とそれほどズレてないはずだ。
そう、

AIは人間の認知(知性)を拡張もするし、
使い方によっては破壊もする

そんな話だ。

AIを使うのは、多くの人にとって「楽をしたいから」だろう。
こういう頭を使う作業、努力を要する作業を肩代わりさせることを「認知的オフロード」と呼ぶ。これが僕らの知性を破壊する元凶だ。
Forbs誌の2025年1月の記事でも警鐘を鳴らされていたわけだが、当然、だからといって人々の意識も行動も微塵も変わっていない。

僕らはそういう事実を理解した上で、AIをパートナーとして「人間の認知を拡張する」方向で活用していかなければならない。それこそがAIリテラシーと呼ぶべきものだ。

ちなみに、AIリテラシーというのは、

  • 機能的リテラシー(AIを活用してタスクを遂行する実践的スキル)
  • 批判的リテラシー(AI技術とその生成物を批判的に評価し、責任をもって利用する態度)
  • 間接受益的リテラシー(AI学習を通じてSTEM分野への関心を高めるなど、副次的に生じる便益についての知見)

この3つに整理される。つまり、単にAIを使うトレーニングだけしていればいいというわけではないってこと。

そして、その批判的リテラシーを含む人間らしい知性を読書で再構築しようじゃないか、というのが前回の記事の話だったわけだ。(詳しいことは下のリンクから前回の記事をご一読あれ)

ちなみに、AIをパートナーあるいは頭脳の拡張機能、ブースターとして活用するために、次の5つの観点を提案した。

  • AIとの協働スキルを高める読書
  • AIの限界を補う読書
  • 専門知性を統合する読書
  • 持続的な知的基盤を築く読書
  • 創造的発想力を発揮する読書

今日は、この5つの読書を実践するための、具体的な読書戦略&読書戦術を提案したいと思う。

目次

1.AIとの協働スキルを高める読書

これはAIをパートナーとして使いこなす基礎スキル(リテラシー)を作る読書だ。
AIを利用する上で「もったいない!」と思える代表は、「今、ここで必要な表面的・具体的な質問だけをして、答えに満足してしまう」ことと「AIの出力を鵜呑みにしてしまう」こと、そして「AIがせっかく出してくれた長文が読めず「簡単に要約して」と命令してしまう」こと。
そういう残念なAI活用を避けるためのスキルを磨く読書の中心はこの3つ。

  • AIに投げかけるプロンプト(与える言葉と情報)の質を高める読書
  • AIの出力を十分に理解し、創造的発想に結びつけるための読書
  • AIの意図と隠されたロジックを理解しうる思考力を生むための読書

これをどうしたら手に入れられるかと言われたら「科学的な読書法で、コツコツと読んでいくしかない」というしかない。
一つ言えるのは「恐らく、これまでのあなたがおこなってきた読み方、つまり学校教育で作られた適当な読み方では十分じゃない」ということ。

理想的な読み方を具体的に解説しよう。

1-1.書籍をミクロ・マクロ両面から理解する

僕らは国語の授業で学んだような言葉を丁寧に、ボトムアップ式に処理していく読み方に慣れてしまっている。それは指示語・助詞・接続詞などに着目した文法的・論理的な処理が中心だ。しかし、ある程度の長さを持ったテキストというのは、全体の主張をとらえた上で、今読んでいる部分がそこにどう関わるかといったマクロの構造や大きな文脈をとらえていかないとうまく理解できない。
これを表現したのが次のマトリクスだ。縦軸は「レベル」なので上を目指したいところ。横軸は焦点の問題なので、両方を的確につかめるようにするのが理想だ。(KintschによるConstruction-Integration Modelを元にアレンジ)

読書理解のマトリクス
読書理解のマトリクス

これはただ単に読書経験を積んでも身につかない。
PQRSSQ3Rなどの読書アルゴリズムに従って読むことで、マクロ・ミクロそれぞれの理解を構築した上で、それをつなぎ合わせるような読み方をお勧めしたい。詳しくはこちらの記事の「アルゴリズム戦略」を参照して欲しい。

これは文脈や背景(マクロ構造)と、細かな情報、主張、論理など(ミクロ情報/構造)を頭の中で重ね合わせながら理解する練習でもある。こういった読書を通じて、AIが出力する長い文章、こみ入った文章を、主張の背景まで含めて的確に理解する力が養われていくわけだ。

1-2.同じジャンル・隣接ジャンルを多読する

同じ著者の別の本は読みやすいが、同じカテゴリあるいはテーマの別の著者の本、特に論争的な立場(主張)をとる著者の本を複数読み、論争点はどこで、その違いはどこから生まれているのか、なぜ自分はある1つの主張を支持しているのかを言語化し、紙の上で対比しながら整理していこう。

この「フォーカスを明確にした多読」には速読を駆使したフォーカス・リーディングが有効だ。
速読を駆使して、明確なフォーカスにしたがって多読していく場合には「ヒューリスティック戦略」が有効なのだが、これについては、上に紹介した同じ記事を参照されたし。

ぜひ今後は「1冊を丁寧に読んで満足」という視野の狭い読み方を卒業して、同じテーマについての様々な意見、主張、ケーススタディなどを貪欲に摂取していこう。これはAIとの対話の中で繰り出される抽象的な話に対して、即座に具体例を浮かび上がらせ、腑に落ちる理解を作るエンジンになるはずだ。これについては、こちらの記事もご参照のほど。

1-3.熟読と他者/AIとの対話で視野を広げる

僕らの理解というのは、常に独善の危うさと背中合わせだ。それを乗り越えて視野の広がりを作るためには他者との対話が絶対的に必要になる。ただし、他者と対話をする前に、自分の内面と十分に対話をおこない、そこで生まれた感想や感情を言語化する作業をしておこう。

  • 読みながら「!」と思ったところに傍線を引き、なぜそこに「!」と感じたか、誰に伝えたいと思ったか、自分や自分が伝えたいと思った人にどのようなメッセージとして伝えたいかメモ
  • 読みながら「?」と感じたところに傍線。なぜその疑問・問いがなぜ生まれたのかメモ。さらに自分はどう感じている(考えている)か、著者の言葉と自分の感性や知性との違い/ズレ、その原因は何かもメモ。
  • 全体の論点とその主張、ロジックを盛り込む形で要約を作る。

こういった作業をした上で、他者と対話をし、質問してもらうことで、自分の見えていなかったことや、同じ話題を違う視座で捉えたときの見え方などが分かる。
あるいは同じことを、AIに投げかけることで、人が相手なら遠慮して語ってくれなかったような的確なツッコミがもらえる可能性がある。その際、その本を読もうと思った動機、背景、問題意識をAIと共有することで、さらに的確な答えが出てくる可能性がある。

例えば

【本を要約する】
→【「こう考えたんだけど、見落としていることは?」などのプロンプト入力】
→【AIとの対話(いわゆる「壁打ち」】
→【再編集】

という具合に、自分の思考をAIの助けを借りながら思考をアップグレードするわけだ。

こういった「読んで理解した」で終わらない作業こそが、自分の独善的な思考を抜け出し、1つのものごとを多面的、多角的にとらえる回路を作り、AIに対しても多様な問いを投げかける素地を作ってくれる。

AIとの協働には、思考の核としての知性が必要だ!

AIを「便利な道具」と捉えてしまうと、僕らはどうしても「努力」をAIに任せてしまいがちだ。これではAIを使いこなす自分自身が育たない。(冒頭で書いた「認知的オフロード」ってやつだ。)
だからこそ、AIをパートナー/コーチとして活用し、場合によっては脳の拡張機能/ブースターとして活用するための下積みを読書を通じておこなっておきたいものだ。

2.AIの限界を補う読書

AIは問われたことに対して相手の意図の裏を読み、出力することを得意とするが、あくまで問われたことについて答えるに過ぎない。そのAIにできないことを人間が担当する。
それは主に次の3つに整理できるだろう。

  • 人間の心情・感情、倫理観・哲学など、エモーショナルな部分を補いうる感性
  • 大局観から、意表を突く戦略を打ち立てる発想力(いわゆるinsight/intelligence
  • あなた(のビジネス)の置かれた個別具体的な文脈に関する分析insight

こういった知性・感性を手に入れるためには、「本を読みながら、自分の心と頭に響いたこと」や「頭の中に浮かんだ情報・疑問・思いつき」を小まめにメモしておくのが一番だ。
そこで、次のような2種類の読み方をお勧めしたい。

2-1.ノンフィクションや倫理ジャンルをじっくり読む

ノウハウ至上主義の読書に陥っている人は(かつての私のように)どうしても「実用的ノウハウ」を求めて読書をしがちだ。だが、エンジニアリング、コード生成の技術しか学んでいないSEや、自分の専門性しか興味がない学者タイプの人が、どうやってマーケティングをするというのだろう? どんなビジネスをしている人でも、仕事の半分は他者(仲間と外部の人)の理解なんだ。
広告の父と呼ばれたJ.W.ヤングも著書『アイデアのつくり方』でこう書いているのを憶えている人も多いことだろう。

枕もとに例えば、ジェイン・オースティンの小説を忍ばせているのが見つかるときまりが悪いというのなら、もうその先へ進んで頂かなくても結構である。こういう諸君は19世紀初期英国の土地所有上流階級が〈商売人〉をどれ程軽蔑したか、また今日わが国の〈ハドソン流域紳士〉の名士達の気風もその通りだということも理解できないにちがいない。これでは将来〈高級富裕層階級〉を対象とした〈スノッブ・アピール〉の真に効果的な広告シリーズを作りだすことにも諸君は失敗するだろう。

── J.W.ヤング著『アイデアのつくり方』(P.59より)

狭い視野で考えようとせず、マーケティングすなわち人の心を動かす心理学の下積みと思って、次のような本も年に数冊でいいから読んでみよう。大事なことは頭で理解しようとするのではなく、心で感じること。思いがけず、世界と興味が広がるかもしれない!

  • 小説・文学
  • エッセイ
  • 倫理・哲学(日本・世界の哲学)
  • 宗教

あなたのこの3年の読書を振り返ってみて欲しい。これらの本が1冊でも含まれていただろうか?
もし含まれていなかったのであれば、今、売れている小説でもいい、昔国語の授業で学んだ作品でもいい、ぜひ買いにいこう!

2-2.興味を中心に多読し、様々な知識と情報をリンクさせる

「1-2.同じジャンル・隣接ジャンルを多読する」と似たような話に見えるかもしれないが、処理の方向性が違う。
AIは高速な思考を武器に「条件とルールが明確な世界」であれば、一瞬で何万通りものシミュレーションをすることで最適解をはじき出すことが可能だ。かつては難しいと言われていた将棋ですらプロを凌駕するレベルになっている。
しかし、目に見える世界と目に見えていない世界を俯瞰しながら、意表を突くような戦略を作ることはできない。

ここでやるべき作業は、こういうことだ。

  • 本を読みながら考えたこと、疑問に思ったことを書籍の片隅にメモする。思いつきのアイデアは揮発性なので、その瞬間に書き留めないと2度と出会うことはないことを心しよう。
  • ある本を読んでいて「これは、○○という本に書いてあったことにつながるな」と思いついたら、それもすかさずメモしておこう。
  • 興味がわいてきた話題があれば、巻末の参考文献リストをチェックして著者が下敷きにした書籍に興味を広げよう。
  • AIに「参考になりそうな本を紹介して」とお願いしてみる。その時に、
    ・何の本を読んで、どういう感想を持ったか
    ・その感想や感情は、日頃のどんな問題意識や体験に根ざしたものだったと思うか
    ・どういう方向で世界/ビジネスを広げたいと思っているか
    こういう情報を添えて紹介をリクエストすることで、より価値の高いリストを紹介してもらえる可能性がある。
    ※実は一番簡単なプロンプトは「…という状況があり、…について学びたいので、お薦めの本を紹介して欲しい。どんなプロンプトを与えたらいいか提案して」だろう。

ここまでが「広げる」ことと「つなげる」ことを意識したものだ。大局観を作る大前提は「様々なジャンルについて、それなりに理解を深めておくこと」であり、「それらが構造として自分の知性の一部に組み込まれていること」だ。
ちなみに、ジャンルを広げていく時、次のような6つのカテゴリを意識するといいだろう。

  • 自分の現場で必要な知識・情報・ノウハウ
  • じっくり読むべき名著、ビジネス教養書(『7つの習慣』、『ビジョナリーカンパニー』シリーズなど)
    あるジャンルの専門書・学術論文(次の3に関わる部分)
  • 社会科学(地理/地政学・歴史・政治/経済)
  • 思想・宗教・倫理・哲学など(2-1のとおり!)
  • 文学・小説・戯曲・詩など( 〃 )
  • 科学・技術

そして、次に挙げるように読んだら必ずメモを残したいところだ。言語化して整理して書いてやらないと、
同時に、読んだことを「自分の現場なら…」「そういえば、こういうことがあったな」というように、常に自分の現場での体験と化学反応を起こさせるような思考を巡らせたいところでもある。

  • 読んだ書籍を「一般的資料(マーケティングなどのジャンルや、世の中のことを整理するための資料)」と「特殊資料(自分の商品、専門ジャンルにまつわる情報・知見)」とに分けてノートを作る。
    ※一般的資料・特殊資料という概念は『アイデアのつくり方』が大元
  • 本1冊ごとのまとめノートを作る場合には、その中に他書とのつながり、そこから導かれる一般的法則なども書き留めていく。
  • テーマやアイデアごとにメモを作るのであれば、自分の言葉で翻訳した情報と原典の言葉(書名、ページ数を添えて)とをセットでメモしておくことをお勧めしたい。
  • ノートを作る際は「本を眺めながら書き抜く」のではなく、表にしたり、図解化してみたり、整理してみたり、自分の言葉で表現してみたり…といった「自分の思考の一部に組み込む」という作業を忘れないこと。

3.専門知性を統合する読書

あなたが専門とするジャンルについては、AIと対等に話ができるレベルの知識は持っておく必要がある。かといって、「AIと対等に話ができる」と言っても、別にAIと同じレベルの情報量を持っているというわけではないことは当然だ。ただ「AIが言っていることの奥が見える」「後で不明なところを自分で深められる程度には知っておく」ということ。

ここでは専門領域についての知識・情報を知っているだけでなく、自分の現場での事象と結びついていたり、そこから新たな発見・仮説を導いたりといった「読んだ後の創造的発想」につなぐ作業を意識したいところだ。

  1. あなたの専門ジャンルに紐付く領域(コアな領域+周辺領域)の多読
  2. 現場でしか得られない暗黙知が言語化された知性
  3. 多読を「自分の価値観の軸と専門性」で再編集し、自分のストーリーとして言語化した知性
  4. 統合された情報・知識から、新たに見いだされた新たなアブダクション(仮説形成)

このうち①については、ここまでの説明(1, 2のエリア)で十分だろうと思う。
そして実は②も、上記2のメモにつながる内容だ。例えば、線を引いたりメモを取ったりする時に、次のようなことを意識するといいだろう。

  • 本を読んで、この考え方はすごい!と思った部分、つまり「!」となったことや、グッと胸に響いた部分に赤の波線を引いてみる。そして、自分はなぜそこにグッときたのか、気づき感情をメモとして添えておこう。
  • 特に「!」となったことについて、自分がなぜそう感じたのか、自分の中にある美学・哲学・思想・ビジョンなどにからめて400文字程度のストーリー(解説文)として文章化してみる。
  • ノウハウや情報を学んだら、じゃぁさー思考でもさー思考を発動する。
    • じゃーさー、これを自分のジャンルに当てはめるとどうなるだろう?
      ⇒自分のお客さんに、この話を自分の言葉で伝えるとしたらどうなる?
      ⇒自分の専門領域を同じフォーマットで解説するとどう表現できる?
    • でもさー、これって自分のジャンルだと無理だ(違う表現になる)よね?
      ⇒違う条件、文脈、自分のジャンルと著者のジャンルとの境界はどこだろう?
      ⇒…と似ているが違うこと、…と似ているが条件を変える必要があることは何?

常に自分の現場とどうつながるかを考えることが、まず何より重要だ。そして、自分の心と頭のセンサー「!」が反応する瞬間をとらえて、自分の頭に浮かんだ思考と気づきの断片・萌芽を言葉に落とし込んでいくことを心がけてみよう。

4.持続的な知的基盤を築く読書

読書は一過性のものではなく、一生涯継続し、常に自分をアップデートし続けるためにおこなうものだ。ノンセクションで、いわばセレンディピティな出会いが生まれるような行為として楽しみながら続けていきたいところ。

ここでは次のような「読書にまつわるスキル・タスク」を「習慣の中に組み込もう」という提案になる。

  • 高い集中力を発揮するスキル(あるいは生活習慣)
  • 読書ノート+メタノート
    ⇒完全に1, 2の内容なのだが、これをシリーズ化したノートとしてストックしていこう。
  • 1つのアイディアを批判的に検討・分析するスキル

高い集中力を発揮し、パフォーマンスを上げていこうと思ったら、一番お勧めしたいのは「瞑想トレーニング」だ。
毎朝5分の瞑想習慣を作るだけで、頭脳のパフォーマンス、ストレス耐性、心の安定度などが目に見えて(実感できるレベルで)向上することは間違いない。
詳しいことは、こちらの記事で確認して欲しい。

そして、忙しい日々の中にも確実に読書を組み込んでいくような、そんな目標管理・タスク管理の手法も学んでおくことをお勧めしたい。

③の「批判的に検討・分析するスキル」は読書に留まらず、あなたの人生全般に必要なスキルと言っていいだろう。
AI/あの人がなぜこんな提案をしたのか?
AI/あの人の話は本当なのか?
これは、知識を構造化していく中ででもさー思考/じゃぁさー思考を展開する中でも作られていくだろうし、「1-3.熟読と他者/AIとの対話で視野を広げる」で紹介したような、自分以外のAIを含む誰かと対話の中で、相手の思考回路を盗むつもりで思考を広げる練習をするといいだろう。

5.創造的発想力を発揮する読書

いよいよ最後なのだが、これはここまでに述べてきた様々な読書および処理・出力の目指すべき方向を示したものだ。まさにAIには提案し得ない独創的なアイディアを生む読書を完成させたいところだ。

その構成要素は次のようなものだ。ここまでの内容を違う角度で表現しただけに過ぎないことはお分かりいただけることと思う。

  • 異分野を接続しうる多読+メタノート
    ⇒1-2, 2-2を参照
  • 読んだ内容を編集的に翻訳するメタファー思考
    ⇒3を参照
  • 未来洞察を促す読書ような、自分にとって未知の領域についての書籍の熟読玩味
    ⇒3を参照
  • 脳のデフューズモードを意図的に創り出す生活習慣

5-1.insight/intelligenceに結びつけることがゴール

未来洞察を促す…というと難しそうだが、自分の体験と読書をリンクさせること、他の書籍に書かれていることと化学反応を起こさせること、こういう作業を通じて少しずつ意図的に発動できる洞察力(insight)を磨いていくことこそが、ここで語る編集型読書のゴールといっていい。

もちろんこれは、1-1で解説した「1冊を十分に理解・吸収する」ことが前提になることもお忘れなく! この「1冊を十分に理解・吸収する」のが下の図の「データ」・「情報」・「知識」の部分だし、ここを補強してくれるのがAIだ。そして、それをどう洞察(insight)・創造的発想(intelligence)まで引き上げていくかが、まさにAIをパートナーに自分の頭脳を拡張させられるかということと同義になる。

ちなみに、この流れを読書法として設計したのがフォーカス・リーディング流の「RE-EDITフレームワーク」であり、ここまで語ってきた「編集型読書」だ。

このRE-EDITフレームワークについては、今後、丁寧に説明していこうと思う。

5-2.デフューズモードを採り入れよう!

最後の「脳のデフューズモード」については、こちらの記事に詳しく解説しているので、ぜひ具体的な方法と実例を学んで欲しい(というか、採り入れて欲しい)。
創造的なアイデアを生み出すのは、徹底した蓄積とリンク、そしてデフューズモードであることは間違いない(ある程度、科学的にも明らかにされている)。読んだだけで満足しない。デフューズモードへの挑戦だけで空回りしない。全体のプロセスを丁寧に実行していこう。

まとめ

科学的なエビデンスを持ち出すまでもなく、僕らは自然体で過ごせば脳が退化していくしかない環境で生きている。
それでいて、人間に求められる知性のレベルは上がる一方だ(これもAIの影響だが)。

だからこそ、その基礎体力作りとしての読書というものの価値を見直してはいかがだろうか?
最近(2025年8月のことだ)、とある社員規模100人ほどの会社の社長さんと話をしたのだが、やはりAIを使いこなす知性が若手に備わっていないことに危惧していた。同時に「本を読んで来なかった若者に、読書を推奨し、本を読む力を育んでやるのは、会社の責任だと思う」とおっしゃった。

まさに、社員研修人材育成に科学的な読書法を採り入れるべき時代だろうと心から思う。学校教育が読書指導をおろそかにし過ぎているからこそ、だ。その方向性を検討する材料として、このシリーズを読んでもらえればと願う。

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