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なぜ、本を読んでも記憶に残らないのか? そして「記憶に残る読書」にするために必要なこと

「読んだ内容を憶えていない」
「読んだ内容を人に整理して伝えられない」

この「せっかく読んだのに頭に残ってない問題」は、多くの人が抱える読書の大問題です。
実際、フォーカス・リーディングの講座を受講する人にアンケートを採ると、

  • 本を読む時間がない
  • 読んでも頭に残っていない

これが読書の悩みツートップとして君臨しています。
なぜそんな残念な事が起こるのか?
これをシンプルに説明するなら…

  • 文章を読む」ことと「を読むこと」の本質的な違いを理解していないから。
  • この両者で求められる読み方の作法の違いを知らないから。
  • つまり私たちが本の読み方を学んだことがなく、文章を読む延長で本を読んでしまっているから!

と考えていいでしょう。
では、その違いとはどういうもので、どういう作法が求められるか解説してみたいと思います。

寺田

なお、本記事は深谷優子先生の論文『包括的なテキストの一貫性と読解処理』(東北大学大学院教育学研究科研究年報 53 (2), 163-173, 2005)から学ばせていただいたことをベースに書いています。
ただし、ここでは物語などを想定せず「説明的な内容の書籍」例えば、ビジネス書、新書、学術書などを想定して話をしています!

目次

「文章」と「本」の違いはどこにあるのか?

読み終えた直後は内容をわかったつもりで、数日も経たず、要点も概要も語れず、単なる印象や気になったフレーズだけしか出てこなくなる…。実はこれは読書のあるある、というか、当たり前の現象なのです。

これについて読書研究の大家Kintschは、著書『Comprehension(読解)』(1998)の中で次のように指摘しています。

Brief, paragraph-long texts are recalled reproductively, but longer texts are summarized. Their macrostructure may be reproduced, but the microstructure is either deleted or reconstructed, …

ChatGPT訳:段落程度の短いテキストは逐語的に再生されるが、長いテキストは要約される。マクロ構造は再生される場合があるが、ミクロ構造(細部)は削除されるか再構成される。

ついでに言うと、この文章の直後に「そもそも、読者が正しくテキストを理解していないこともあるよね」的なことも書いています。

これは大問題ですよね。欧米であれば、これを踏まえて読書教育が構築されているわけですが、日本ではそれがありません。ですから、本を読む私たち自身がそれを克服する方法を身につけなければならないのです。
Kintschの言葉を使って表現するなら章末ごとに圧縮(要約)メモ本文参照なしの理解再構成をおこない、ミクロを意図的に再生可能化する戦略が要るのです。(詳しくは「3つのTips」で!)

文章の読解とはどういう作業か?

この「書籍などの長文を読んだ場合、うまく記憶に残せない、思い出せない」根本的な理由は、すでに書いたとおり短い文章の読解と同じ要領で処理しようとしてしまうってところにあります。

文章を理解するとき、まず複数の単語が文節を作り、文節と文節がつながって文を作ります文を理解するのは、それほど難しい作業ではありません。しかし、文と文が連なっていく時、そのつながり具合が分かりやすかったり、分かりづらかったりします。時系列や論理の流れとして自然に意味がつながっていくこともありますし、接続詞」によって明示的につなげられることもあります。もし、そういう意味のつながりが明確でなければ、読者が推論によって処理していく必要があります。

この単語レベルの理解から文節と文節のつながり、文と文のつながりまで、すべてにおいて読者の記憶情報と照合されながら理解されていくわけです。単語レベルでピンとこない場合もあります。これは未知のジャンルや外国語の文章を読む場合に生じますね。
単語1つ1つが分かっても、単語同士のつながり、文と文のつながりのレベルで、読者の既有知識や読解の経験によって、スムーズに行かないこともあります。
例えば、松岡正剛氏に『知の編集工学』に次のような一説があります。

感情と行為が伴っているために、私たちの知的判断はずっとすみやかでなめらかなものになっている。なぜなら、感情や行為は判断がくだされる領域を身体の内外につねに拡張し、たとえば子どもが本を読むときに指で一行一行をなぞるように、ひとつの知的行為をひとつで終わらせないで、いくつもの並列動作や並列感情をともなうようにしているからであるところがコンピュータにはこの”意味の拡張”がわからない。

この引用は、たった3文で構成されているのですが、太字になっている長い一文を理解するのには、かなり骨が折れます。養老孟司氏、茂木健一郎氏の著作などもそうですが、頭の良い専門家が書いた(本人は書いてないかも知れませんが)文章というのは「言葉そのものが難しい」、「言葉が分かっても、表現が直接的でないためにニュアンスが伝わりづらい」、「一文の意味が不明瞭になるため、前後の文とのつながりも不明瞭になりがち」ということが起こります。

とはいえ、通常、私たちが読む本は、ここまで難解な表現は使われませんし、この文章の場合、太字の一文の意味が分からなかったとしても、接続詞の存在のお陰で、次に示すようにとりあえず文章の流れは分かるわけです。

感情と行為が伴っているために、私たちの知的判断はずっとすみやかでなめらかなものになっている。(略)ところがコンピュータにはこの”意味の拡張”がわからない。

学校教育で扱う国語の文章(せいぜい数ページ)は、接続語や指示語が明確に使われますし、読解の手がかりが直前・直後、せいぜい前のページ…くらいの近い範囲に出現します。

これに対して書籍は、主張と根拠が章をまたぐ形で離れて現れることもありますし、全体の主張の文脈の中で意図を汲み取る必要があったり、あるいは図表や注、先行研究(参考文献)などへの参照が埋め込まれたり、頭の中でそれらを行ったり来たりする必要があるわけです。

寺田

しかも、例えば(古い例で恐縮ですが)勝間和代氏や城繁幸氏の書籍のように、著者が知性をひけらかしたいとか、社会に対する愚痴をこぼしたいとか、「意図を伝える」ことよりも「自分の想いを前面に出す」ことを優先するような文章を書く人の場合、たびたび無意味な文章が差し込まれることによって文脈が分断されてしまい、一貫性のない文章になり、さらに読みづらさがパワーアップしがちです。

つまり、読み手の側の責任として、文章の中に生じてしまうスキマを推論で埋めなければならなかったり、長い範囲で複数の文脈を頭の中に保って処理していったり、不要な部分を無視したりと、かなり意識的にアタマを使わないと整然とした理解が構築されませんし、そうなると当然のように記憶にも残りません。

著者の意図はどう理解されるか?

理解は三層の構造で捉えるべし

深谷優子氏は、著者の意図が読者に読解され、読者の頭の中に理解が構築されるモデルを下の図のような三層構造で説明しています。

  • 著者の意図(何を主張・説明したいか)
  • 文章記述(段落構成・見出し・接続・図表といった手がかり)
  • 読者の理解(読み手の認知;文の意味をつなぎ、頭の中に状況モデル=場面や論理の模型を組み立てる働き)

この図の中のツッコミ(吹き出し)は、深谷氏の論文に即して挿入してみたのですが、確かにそもそも著者が自分の想いを適切に表現できているかどうか分かりません。仮にそれが完璧だったとして、読者がそれを適切に、著者の想いと同じレベルで理解できたかどうかは、甚だ怪しいわけです。

実際、文章として表現された大事な情報を読み落とし(読み違えて)、著者の意図と離れた解釈に走る…ことはよくあることです。語彙の意味・ニュアンスの取り違いというレベルもありますし、自分の持っている思い込みに囚われてしまい、筋違いな誤解をするということもありますよね。

寺田

私の著書『フォーカス・リーディング』でも「集中力を高めるために異空間(日常と違う場所)に身を置こう」という意図の文章を書いたのですが、アマゾンレビューで「著者は異次元空間で本を読めなどと、非科学的で非現実的な主張をしている。頭がおかしいとしか思えない」というような書いた人がいました…

本の場合はもっと大変!

本の場合は、この3層構造がもっと複雑になります。
深谷氏の論文では書籍のような、複数の文章が関連し合う形で(時にはまったく関連しないものも交えて)提示される文章群のことを「包括的なテキスト」と読んでいます。

書籍の場合「本」という単位での主張(著者が設定した問いに対する意見)とその論理を伝えるために、「章」という単位で細かなテーマ(小さな問いとそれに対する主張と論理構造)が用意され、その章がいくつも組み合わさっています。目次を開いて、それぞれの章が背負わされた役割を考えながら全体像を眺めてみると、「本」と「章」の関係が見えやすいかも知れませんね。

基本的な話として、ここで前提としているのは「説明的なテキスト」なのですが、説明的な書籍には、著者が明らかにしたかった「問い」が(基本的には)1つ存在します。これを「論点」と呼びます。例えば、「効率の良い読書とは、どのような読書か?」かもしれないし、「どうしたら速く読めるのか?」かも知れません。その論点に答える形で「主張」を「ロジック」とセットで展開するわけです。
そして、章には章の「論点(問い)」と「主張+ロジック」が用意されており、それが組み合わさって、書籍全体の主張を構成しているのです。

これを深谷氏の図をアレンジして、先ほどの三層構造が、書籍の場合どうなるかを図にしてみました。

著者が伝えたかった意図が、そもそも適切に「章」に整理されて、配置されたかどうかという大問題もあります。
そして、図中の中ほどに描かれている濃い青の下向きの矢印に示されるように「章から章へつながる」というシンプルな流ればかりでなく、2本の上下矢印に示されるように離れた章と章が関連し合うこともあります。場合によっては、複数の章がまとまって意味をなしている場合もあります。(例えば、1章が前提条件、2章と3章が原理、4章と5章が具体的な方法…といった具合です。)

こういう著者の意図した文章配置を、下記の4つのような観点から適切に理解できたのかが問われるわけです。

  • 章というそれなりに長文のコンテンツを適切に理解できたか?
  • 書籍の中での、それぞれの「章」の位置づけは理解できたか?
  • その章と章の関係が理解できたのか?
  • 章をまたいで流れている一貫した文脈や主張、下敷きにされている概念は読み取れたか?

これらが適切に理解され、処理されていなければ、全体の理解はうまく構築されません。
そして「なんとなく、言いたいことは分かった」というレベルの感想に留まり、そのまま「ちょっと気になった言葉・主張・情報」だけをメモに残して、それ以外は忘却の彼方に消え去るわけです。

喩えて言うなら、書籍の読解は「巨大レゴを設計図どおりに組む」作業のようなものなのです。
・【完成イメージ(写真)】が「著者の意図」
・袋分けされたパーツと手順が「文章記述」
・仮組みして差し替え続ける手の動きが「読者の理解(読み手の認知)」
細かなパーツを、完成予想図を確認せずに組んでいこうとすると迷子になりますよね…。
まず全体像を眺め、パーツをユニット(章の役割)ごとに集め、大雑把に仮組みし、そこに各パーツ(段落・証拠)を当てはめながら、合わない箇所を差し替えていく…わけです。最後にユニット同士をつなぎ合わせて、全体のモデルが完成します。それがうまくいかないと、時間とともに崩壊し、ところどころに形の分かるパーツが残るだけになってしまいます。

本の読み方を学ぶ必要がある理由

文章読解と本の読解は別競技!

もう、ここまで来たら、なぜ本の読み方を学ぶ必要があるかはご理解いただけるかと思います。
包括的なテキスト(章立てのある実務書・学術書・長めの説明文)は、短文とは要求される技能が異なる「別競技」なんですよ。

読み手は、

  1. 書籍全体に込められた論点を踏まえ、全体像(主張の大枠)をつかむ必要がある
  2. 各章の文章を精緻に理解する必要がある
  3. 全体像(マクロ構造)と詳細(ミクロ構造)とを往復しながら、「マクロ⇔ミクロ」の接続を試みる必要がある

ということなのです。
これを意識せずに、なんとなく読んでしまうと、処理は場当たり的になってしまいますし、前に書かれていたことを下敷きにせず「今ここ!」だけの言葉を処理してしまうことになるのです。

これまた『フォーカス・リーディング』の話ですが、この本の第1講では「多読に煽られるな!」として、たくさん読むことが正義とは限らないという話を書いています。
この部分に対して、こういうレビューが書かれました。「著者は多読を否定しておきながら、自分のHPでは多読している人を持ち上げている。この矛盾は、結局、著者が単にビジネスとして言っているだけということを示している」といった内容です。
しかし、2008年版のP.46にはこう書いているんですね…
「情報過多のこの時代、必要に応じて自在に多読をこなす力は不可欠です」
そして、P.45にはこうも書いています。
「尊敬すべき現代の賢人の多くが「多読すべし」と主張しています。その真意はどこにあるのか、考えてみる必要がありそうです。」
批判的なレビューを書いた人は、ここをスルーして「多読に煽られるな!」という部分的な理解に囚われてしまったわけです。

そして、書籍のこのような構造を理解した上で、それらの文章理解と記憶保持の原理に則って、適切な本の読み方を学ぶことで、本を読むスキルは驚くほど向上するものなのです。

書籍読解の難しさ

深谷氏の論文に書かれていることを整理していくと、「本」を読むことの難しさはおよそ次の7項目にまとめられるでしょう。

1.つながりの見えにくさ

国語のテキストのような短い文章であれば、接続詞「だから/しかし」などの合図が細やかに配置されています。
これに対して書籍ではあまり細かに論理を示すような手がかりが明示されず、流れるように、あるいは語りかけるように展開していくことが多いものです。読者側の推論で筋を追う必要があるわけです。

もちろん、自己啓発書やライトなビジネス書のレベルであれば、それほど難しい話ではありませんが、ちょっと学術的なジャンルに踏み込むと、自然体の気楽な読書では「あれ? 今、何を読んでいるんだっけ?」となりかねません。
しかも、随分前の章に書かれていたことが下敷きにされていたり、書かれていないけど、社会全体のトレンドが踏まえられていたりということもありえます。

2.レイヤーの行き来がある

短い文は単純な論理構造やストーリー展開で完結します。これに対して書籍はレイヤー(階層)が存在し、同じように見える文章に上下関係、因果関係があり、「今はどういう階層の話?」ということをモニタリングし続けないと、迷子になりがちです。

3.参照すべき図・グラフ・先行研究の往復が大変

本文外の図表や注、前後章への参照を行き来して理解を構築していく必要があります。いちいち確認しないと理解が深まりませんが、「今、何のために参照しているのか」を見失うと、本当に何を読んでいるか大きな流れを見失います。

4.背景知識が求められる

一応、専門用語や理論の前提は前書き、あるいは一章あたりで語られることになりますが、逆にいえば、その前提を十分に理解しておかなければ、全体の理解の土台がない状態で読むことになります。また、著者が前提としている概念や、それが書かれた社会的な背景を理解していないと、表面的な理解で終わる可能性があります。

寺田

有名どころでは『君たちはどう生きるか』という名著が1937年に出版された本であり、全体主義に流れる日本社会を憂う著者らが若者に未来を託すべく発したメッセージである、ということを前提に読み直すと、一つ一つのエピソードに深い意味を感じるはずです!

5.橋渡し推論で行間と背景を補う必要がある

段落と段落、章と章のすき間を因果・時間・対比、あるいは著者の大きな問いとの関係で埋めていく必要があります。
この推論が「橋渡し推論」です。なんとなく読み進めず、「なぜ、この章の後に、この章が来たのか?」「どの章とどの章がまとまりを作っているのか?」と考えながら読みましょう。

寺田

橋渡し推論というのは、文と文、章と章の“スキマ”に因果・時間・主題の糸を通して一貫性を保つことです。例えば「第2章でAに限界→だから第5章でBを提案」みたいな感じですね。

6.作業記憶への負荷が大きい

とにかく200ページ、300ページもある作品の中で主張が展開されていくわけですから、短距離走のような目の前の処理に全力疾走!は通用しません。章ごとに立ち止まって思い出したり(リハーサル作業)、キーワードを書き出したり、場合によっては要約を書き留めたりする必要があります。

7.自己(理解)モニタリングが大前提!

読んでいる最中に「今どこまで分かったか/何を根拠に理解したか」を定期的に点検し、必要に応じて再読・修正していく必要があります。それだけでなく「つまり、この本の論点は何か?」とか、あるいは「この本は、自分の今回の目的に合った内容なのか?」といったこともモニタリングしながら読み方を検討・調整していく必要があります。

本の読解は「構築」作業である

そういうわけで、本の読解というのは、言葉を最初から順番につなぎ合わせていくようなものではないわけです。読み手が、文章の中に埋め込まれた手がかりや、背景に敷かれている前提知識を頼りに、因果・時間・主題のつながりを推論しながら理解(これを「状況モデルの理解」と呼びます)を構築する作業なのです。

そして、その構築作業というのは、著者の意図⇔文章記述⇔読者の理解(読み手の認知)の三層を往復しながら進めていく必要があります。だから、読書は「著者との対話」と言われるわけです。著者はどう考えているのかな? こういう意図かな? などと、文脈などを手がかりに自問自答していくわけです。
ですから、自己モニタリング(どこまで分かったか、どの仮説で読んでいるかの点検)も不可欠ですね!

記憶に残すための読書法3つのTips

ここまでの話を踏まえて、理解を構築し、記憶に残すための3つのTipsをご紹介しましょう。
本の読み方の戦略については、別の記事で書いていますので、ぜひそちらも参考になさってください。

ポイントはこんな感じ。

  • 本の全体構造を把握した上で、詳細な理解を組み上げていく(Whole to Detail戦略
  • 章ごとにいったん読むのを停止して、リハーサル作業(読んだ内容を思い出しながら整理する作業)をおこない、全体の中での位置づけ、前の章とのつながりを考える(わけて・つなぐ戦略
  • 章ごとの整理(リハーサル)に加え、読み終わった後に、全体像を再構築し直し(リトリーバル)、その上でその答え合わせをするような形で読み直す(リラーニング)作業で理解のレベルを上げる(R3;Rキューブ戦略)

1.Whole to Detail戦略

これは別記事で紹介している「アルゴリズム戦略」と同じ考え方です。というか、ここで紹介する考え方に基づいて作られたのがアルゴリズム戦略(PQRSストラテジー)です。

1-1.下読み(スキミング)から始める

最初に「地図(全体像)」を作る作業から入ります。これが「Whole」ですね。これは長い道のりで迷子にならない前提条件です。
到達目標は2つ。

  • 本全体の論点と主張(著者の意図)の確認
  • 各章の「役割タグ」を仮設定する(背景・前提/問題設定/原理/方法/結果/発展など)

フォーカス・リーディング流の「全体像把握にフォーカスしたスキミング」ができればそれが理想です。
そうでない場合には、目次→各章の冒頭と末尾のチェック→見出し→図表キャプションなどを軽く拾っていき、章ごとに「位置づけ+キーワード1〜3語」をメモしましょう。

1-2.理解読み(精読)

地図ができたら、実際の道を歩く段階です。
理解読みのねらいは、章ごとに〈主張〉〈ロジック(根拠・論理付け)〉を抽出することです。

1-3. マクロ×ミクロのリンク

最後に、全体(マクロ)と詳細(ミクロ)を接続し直します。
章間の関係、全体の主張と章の関係などを視覚的に分かるように整理してやるといいでしょう。その上で、章に設定された論点と主張・ロジックをあらためて確認し、書籍全体の論の構造を俯瞰的に把握したいところです。

2.わけて・つなぐ戦略

2-1. 下読み段階の「下読みリハーサル戦略」での分けて・つなぐ

下読み(全体像把握のためのスキミング)の目的は、理解ではなく全体の構造、章と章の関係の把握です。
ですので、一気に読み進めてしまわず、必ず90秒程度立ち止まり、「この章のポイント(キーワードレベルでOK)」を書き留め、全体の中の位置づけも考えてみましょう。

2-2.理解読み(精読)段階での分けて・つなぐ

精読段階では、さらに踏み込んでみましょう。
・その章の論点(問い)は何か?
・中心的な主張は何か?
・ロジックの軸はどう展開しているか?
こういったことを確認していきます。その上で、「この章は、ここまでの章、あるいは全体の論点とどう接続しているか」を考え、仮でいいのでメモしておきましょう。

3.R3(キューブ)戦略

最後は「記憶に残す」ための戦略です。
ここまでの2つの戦略Tipsは、あくまで「理解を構築する」ためのものでした。理解を強固にしても記憶に残るとは限りません。ですから、ここでの作業を取り入れることで記憶に長く残せるようにしたいところです。
なお、リハーサルリトリーバルは、どちらも本を参照せずに記憶から情報を引き出しておこなう作業です。

3-1.リハーサル

記憶に長く残す前提として、「読み終わった直後に思い出せる状態を作る」ことは重要です。
そのトレーニングとして、下読み・理解読みの時に、1つの章を読み終わる毎に、今読んだ内容を軽く思い出してみる作業をおこないます。

下読みが終わったら「この章はどんな内容だったか?」を思い浮かべ、「中心的キーワードは何だったか?」を書き留めましょう。書き留めたキーワードが的をいたものだったかは、後で検証したらいいことなので、とりあえず「仮置き」しておきましょう。
まったく思い出せなかったら、章の全体をざっと眺めて再確認した上で、本を閉じた状態でキーワードを1語書き留めてください。

理解読みが終わったら、「章の論点と主張、そのロジック」を簡単に書き留めておきましょう。そこまで精緻に思い出せない場合は、キーワードを5つピックアップするだけでも効果があります。
あくまで「記憶にどの程度残っているか」「理解にムラはなかったか」を確認するための書き出し作業ですので、気楽にやってください。
また、それが正しいものであったかどうかは、あとで確認します。(リラーニング)

3-2.リトリーバル

学習したことを、少し間を置いて思い出す作業です。
リハーサルは章が終わるたびにおこないましたが、リトリーバルは、一冊すべてを読み終わった後でおこないます。
理解読みの際、各章でおこなったリハーサル作業で書き出したものに、憶えていること、もともと知っていたこと、考えたことなどを、思いつくままに書き留めていきましょう。

3-3.リラーニング

リハーサルとリトリーバルで書き出した内容が適切だったか、ヌケモレがなかったかを確認するつもりで、全体をざっと流し読みします。
1冊流し読みをしながら書き留めたメモをチェック(確認)していったら、最後に(読み終わってから)リハーサル・リトリーバルのメモに、書き足すべきことを書き足していきます。

こちらのノートは、フォーカス・リーディング講座を受講した高山さんという方が、本を読み終わった後に15分ほどかけて書き出したノートです。

寺田

半年間で500冊読み、1冊につき1枚ノートを作り続けたそうです。最初の頃は時間がかかったそうですが、最後には読み終わった後に15分ほどで、このようなノートを書けるようになったとのこと!

まとめ!

そういうわけで、今回は深谷優子先生の論文をベースにして、「本を読む」ことと「文章を読む」ことの違いを踏まえつつ、なぜ本を読んでも記憶に残らないのかを解説してみました。

ご紹介した3つのTipsは簡単ではありませんが、科学的な知見に基づくとても効果の高い方法です。フォーカス・リーディング集中講座では、みなさんにこの方法をマスターしていただいて、読書を楽しみながら記憶に残るものにしていただいています。

ぜひ、できるところから取り組んでみてください!

こちらもぜひどうぞ!

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