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今までとどう違う?─ AI時代に求められる本の読み方

AI時代だからこそ、読書の価値はますます高まっていく。
しかも、そこで求められる本の読み方は、これまでとは次元の異なるまったく新しいものでなければならない。
── この発想こそがこのブログの基本コンセプトだ。

では具体的にどういう観点から、どういう読書が求められると考えているか説明したいと思う。

目次

AI時代に求められる読書をどう考えるか?

大前提として、

今までのような「情報を吸収するための読書」は実際のところ必要ない


そんなものはAIに質問した方が断然精度が高いし、自分の知りたいことにフォーカスした有益な情報が得られるからだ。

「だから読書は必要ない」── もちろん、そんな結論に行き着くはずはない。むしろ、そんな時代だからこそ読書が必要だ。ただし、それは「情報を吸収する行為」ではなく、「著者の力を借りて、新しい知を生み出す編集トレーニング」としての新しい読書だ。

これから必要になる「編集トレーニング」としての読書

編集トレーニングとしての読書(編集型読書)というのは、こんな作業だと考えて欲しい。

  • 自分とは違う文脈の上で、異なる価値観の軸で言葉を紡ぐ著者との対話を通じて、自分の視座や視点、思考、価値観を「点検する」作業である。
  • 著者の語る言葉をいったん抽象化した上で、自分なりの視座、仮想的な視座から読み替える「視座のずらし」を試すトレーニングである。
  • 抽象化した後、「じゃぁさー、○○の文脈だったらどうだろう?」と、自分や他者の文脈に移植・翻訳しながら、そこに含まれる属性、条件などの適用範囲を検証する「読み替え」作業である。
  • でもさー、この場合は上手く行かないんじゃない?」と、その条件の限界や例外例を確認することでうまくいく必要条件を検証する作業、別の言い方をすると「主張とロジックの輪郭を明確にする」作業である。

もちろん、的確に著者の主張を読み解くスキルは前提条件になる。その上で、「視座のずらし」を内在化し、常に「新しい知を生み出す編集者」として本を読んでいくわけだ。

そう。あなたもお気づきのとおり、こういう読書は特に目新しいものではない。
読書家で有名なビル・ゲイツ氏は年間50冊を超える名著・大著をじっくりと読んでいることでも知られているが、彼の読書はまさにそういう読書だ。氏は古典ではなく「新しい教養」とカテゴライズされる本を好んで読み、それを年に1回「この夏に読むべき5冊」を発表して、世界中にブームを巻き起こし続けている(山崎良兵著『天才読書』より)。

別にビル・ゲイツと対等なレベルを目指そう、というわけではもちろんない。
だが、AIとの過酷な戦いをせず、AIに指示された通りに作業をこなすような下請け的仕事にもならず、自分らしさの価値を発揮しながら仕事をしようと思うなら、読書を根底から変える必要がある。そこは間違いない。

書籍とAIの出力を素材(インプット材料)として、あなたの独自価値を創出・アウトプットするための読書。そのためには「編集」という思考のフレームをあなたにインストールする必要がある。同時に、読書という営みは「独自価値としての知性を生み出す原点としての“問い”」がベースになる必要がある。

それは過去のある時点での事実を理解するための読書ではなく、あなたの理想の未来、これから出現する未来との出会いのための読書であり、過去・現在と未来をつなぐための「問い」、あなたがおぼろげに見ている未来から投げかけられた「問い」を受け取り、その問いについての答えを著者の言葉を借りて探し求めていく作業だと言ってもいい。

具体的な読書法を解説するのは後にして、どういう観点で読書のあり方を考えるべきかだけを簡単に見ておこう。

1.AIとの協働スキルを高める読書

まずはAIを「パートナー」あるいは「自分の頭脳の拡張機能」として活用するための能力を高めるための読書だ。
これは次の3つの要素からなる。

  • AIに投げかけるプロンプトの質を高める
  • AIの出力を十分に理解し、さらにそこから創造的に発想するスキルを養う
  • ブラックボックス化されたAIの出力について、なぜそのような提案がされたのか、どのようなロジックや前提が使われているかを推測するスキルを養う

これはある意味で、読書の理解の質を高める読み方も必要になるし、幅広いジャンルの知識を構造として構築する読み方も必要になる。また「問いかける前提」を知るような歴史、社会に関する知識や、「問いかけ方そのもの」を磨くような知識も必要だろう。
さらにAIの出してきた長文のリサーチ結果や提案のポイントをつかみ要約的に理解する能力も鍛えておきたいところだ。

2.AIの限界を補う読書

AIは既存の膨大なデータを使い、「その世界の一流と呼ばれる人たちの平均」というレベルで出力してくれる。一瞬で数万冊のデータベースにアクセスするわけだから、データの量と処理の正確性、スピードで勝負しても仕方がないし、そこはAIを頼っていい部分だ。
また、AIは問われたことに対して、相手の意図の裏を読み出力することを得意とするが、あくまで問われたことについて答えるに過ぎないことは変わりない。
そのAIにできないことを人間が担当することになるわけだ。

  • 人間の心情・感情、倫理観・哲学など、エモーショナルな部分を補いうる感性
  • 大局観から、意表を突く戦略を打ち立てる発想力(いわゆるinsight/intelligence)
  • あなた(のビジネス)の置かれた個別具体的な文脈に関する分析・insight

3.専門知性を統合する読書

あなたが専門とするジャンルについては、AIと対等に話ができるレベルの知識は持っておきたいところだ。AIと対等に話ができるとは、別にAIと同じレベルの情報量を持っているというわけではない。

  • 学術論文・専門書からノウハウ書、自己啓発書のレベルまで、あなたの専門ジャンルに紐付く領域(コアな領域+周辺領域)までを多読し、それら縦横無尽に広がる情報・知識が整理・統合された知性
  • あなたの現場でしか得られない暗黙知が言語化された知性
  • 様々なジャンル・テーマの書籍を「自分の価値観の軸と専門性」で再編集し、自分のストーリーとして言語化した知性
  • 統合された情報・知識から、新たに見いだされた新たなアブダクション(仮説形成)

ただし、気をつけなければならないことは、こういうことだ。

ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失っていく。(中略)
つまり精神は、たくさんのことを次々と重ねて書いた黒板のようになるのである。したがって読まれたものは反芻され熟慮されるまでに至らない。

─ ショウペンハウエル著『読書について』より

つまり、意図的に自分の知性の中に組み込むような読書をしていかない限り、あなたの知性は決して高まらないということ。この200年ほど前に投げかけられた箴言を、私たちはしかと受け止め、未来に向かう力にせねば!

4.持続的な知的基盤を築く読書

必要に応じて読む、というスタンスはもちろん問題ないのだが、ノンセクションで、いわばセレンディピティな出会いが生まれるような継続的な読書だ。
世界的ベストセラー『ワークシフト』(リンダ グラットン著)に描かれていた「連続起業家」としての生き方は、これからの時代、避けられないと考えた方がいい。つまり、1つの専門性の寿命は驚くほど短く、常に新しいジャンルに挑戦し続けることが求められるということだ。
そのためにも「持続的に学び続けられる読書習慣・スタイル」が必要になる。

  • 高い集中力を発揮するスキル(あるいは生活習慣)
  • 読書ノートを作り、さらに個別のページ同士が次々につながり合って新しいアイディアを生み出すようなメタなアイデアノートメタノート
  • 1つのアイディアについて、①他の時代との比較、②他の社会との比較、③ロジカルな帰結から得られたアイデアとの比較など、批判的に検討・分析するスキル

5.創造的発想力を発揮する読書

AIを自分のパートナーとして、あるいは頭脳の拡張機能として使いこなした先に必要なのは、やはりAIには提案し得ない独創的なアイディアだろう。そういった発想は大量の入力、丁寧な意識的処理、そして脳のデフューズモードによって生み出しうることは、最近よく知られるようになった。(下記ブログ記事をどうぞ!)

  • 異分野を接続しうる多読+メタノート
  • 読んだ内容を編集的に翻訳するメタファー思考(抽象化し、イメージ化することで応用・援用しやすくする)
  • 未来洞察を促す読書ような、自分にとって未知の領域についての書籍の熟読玩味
  • 脳のデフューズモードを意図的に創り出す生活習慣

今までの読書の延長? シフト?

ここで網羅的に書いた読書の方法や周辺スキルの、ある部分はあなたもすでに実践しているだろうし、ある部分はまったく想像もつかないかもしれない。

必要なことは、自分がどのような読み方で、どのような結果/成果をこれまで手に入れてきたのか、一度棚卸しし、自分の「読書法・学習法のレパートリー(インベントリ)」として整理しておくことだろう。
目的が明確になったら、後はそのレパートリー(インベントリ)の中から目的達成のために必要なものを選んで使うだけになる。ちなみに、そのような意図的な読書法を「戦略的読書」と呼ぶことも知っておいてもらいたい。そして、意識され、言語化されていないスキルは、うまく発動できないものだということも。

上に挙げた5つの読書の観点の中で列挙した読書法については、また別の記事で具体的な方法を説明したいと思う。

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