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AI時代には、正直「こんな読書ならしなくていい」という読み方がある

AIの登場は、僕らの情報との関わり方を根本から変えてしまいつつある。
膨大な情報を瞬時に処理し、過去のこれまた膨大な資産を網羅的に引き出し、リサーチも要約もアイデア提案もこなす。

ここまで有能なアシスタントが手に入るのであれば、もはや読書なんかしなくていいのでは? という気すらしてくるのが正常な思考回路にすら思えてくる。
ただ、それじゃダメだってことで、目指すべき読書の方向性として「編集型読書」というものを提案してみたわけだ。

今回は逆に「これまでならOkだったかも知れないけど、これからは必要ないよ」という、「こんな読書ならしなくていい」読み方を指摘しておきたいと思う。

目次

1.雑な「スキミング」なら必要ない

私が指導するフォーカス・リーディング講座で中心的に扱う読書法が、この「スキミング」だ。
一般的には「必要な箇所だけをつまみ食いする拾い読み」と説明される。そして、これは「科学的には速読なんてありえない」的な結論を導きだしたRayner教授らのメタ分析研究では「読書の効率を高める有益な速読法」として紹介されている。

実際、学術論文などを読む場合でも、すべてを丁寧に読む必要はなく、必要な部分だけを効率的に読む方法が推奨されてきた。その時、自分の判断で重要・非重要を判断するのではなく、AIに重要と思われる箇所をハイライトさせ、そこだけを拾い読みする読み方を「インテリジェント・スキミング」と呼び、今どきの情報収集法として扱われている。

このスキミングのどこがダメなのか?
それは、インテリジェント・スキミングを考えれば分かる。人間ががんばって「どこが大事だ?」と考えなくても、大事な情報だけを知りたいのであれば、最初からAIに提示してもらった方が断然早いし正確だからだ。

ただ、AIが提示した情報が正しいという判断は誰がするのか? そこは大問題だ。
AIが提示した情報を分析的・批判的に読み、その価値を判断するためには、その情報が語られる文脈をミクロ・マクロに的確に読み解き、そこを適切に引用しなければならない。それはスキミングでは絶対に到達できない理解であり、丁寧かつ高速に文章を読むスキルを必要とする。

2.情報の理解と消費のための読書は必要ない

あなたが本を読んだ後、そこで得た知識はどうなっているだろうか?
「いやー、いいことを学んだ!」という満足感だけで終わっているとしたら、それは「読書という気分の消費」で終わっているということだ。
いや、ちゃんと身についている!そう胸を張れるなら、それは素晴らしい ── のだが、それでも、もはやそのような受験勉強の延長のような読書は必要ない。AIに教えてもらった方が早いからだ。

AIを使いこなすために必要なのは、新しい知識や情報を、自分の思考の一部として自在に使いこなすことだ。
AIや書籍から学んだことを、「じゃぁさぁ、こういうふうにも考えられるよね?」と、自分の文脈に置き換えて思考を展開したり、逆に「でもさぁ…」とその情報の限界を検討したりといった具合だ。

せっかく対話と議論ができる相手(AI)がいるんだ。
これまでとは次元の違う読み方を目指したいところだ。

3.ノウハウ中心の読書は必要ない

ここまでに散々語ってきたことの繰り返しになるが、情報もノウハウも、AIに解説してもらった方が断然価値が高い。
なので、教科書的な知識とノウハウの吸収だけの読書は正直必要ない。

せっかく読むなら、人間的な「ハレの体験」としての読書、文学作品やエッセイなど、作者の作品に頭と心で没頭できるような読書を楽しんでみてはどうだろう?
もちろん、自己啓発書やノウハウ書に価値がないといいたいわけじゃない。ただ、ノウハウや情報を拾うだけのスキミング的な読み方なら無駄だよね、というだけだ。

作者の文脈を理解する。これが第一歩だ。
その上で、自分が「これは!」と思った箇所に注目し、自分はなぜここに心動かされたのか? どういう問題意識があったのか? 自分の抱えている課題の根源はどこにあったのか?と、自分の課題や深い意識と対話ができるような読み方を目指したいところだ。

4.国語の授業の延長のような読書は必要ない

これはテクニカルな読書論だ。
あなたは国語の授業で学んだ「短文を丁寧に読むような作業」を200ページ繰り返しただけの読書をしていないだろうか? もし心当たりがあるなら、読んだ後、疲労感と空虚な印象だけを残して、内容に関する記憶はキレイに消えてしまっているはずだ。

書籍には「本全体の論点(問題意識)」があり、各章には「章ごとの論点(問題意識)」がある。それが複雑にからみあって作品が構築されている。
そこが読み取れると「この本の著者の主張の構造」が見えてくる。著者の語る話に深く共感できた、あるいは納得がいかなかった時、その根拠を前後の文脈をひもときながら、論理的に分析・批判できるはずだ。

5.一冊だけ読んで満足する読書は必要ない

AIが提案する情報は複数のソースから横断的・断片的に組み合わされたものであることも多い。もちろん、リソースを明示させることも可能ではあるが。
いずれにせよ、その提案が妥当で、信頼できるものであるかを判断するのは、あなたの役目だ。
そこでは複数の情報源を適切に比較・対照しながら分析していくことが求められる。いわゆる「ラテラル・リーディング(水平的読み)」と呼ばれる手法だ。

もし、普段の読書が一冊だけの情報をありがたがって、何ら検証もせずに信じるスタイルになっているなら、AIのハルシネーションを信じて疑わないイタい人たちと同じレベルだ。書籍の情報源は「エビデンス、オレ(N=1)」になっていないだろうか? それを適切に分析・批判しながら吟味できているだろうか?

1つのテーマについて読む時は、少なくとも立場の違う著者の本を数冊以上揃えて、対照しながら読む癖を付けたいものだ。あなたには、複数の書籍の情報を横断的に構造化し、論理的な統合によって新しい全体像を作る情報アーキテクトとしての役目が与えられている!

“だから本なんて読まなくていい”わけではない…

ちょっと手厳しい書き方にはなったが、どうだろうか?
もし、あなたがこんな価値のない読書に終始してしまっているのであれば、それは勿体ないことだ。

あなたの貴重な時間と、読書を通じて自分を高めていきたいという本物の想いを、価値のある読書に昇華しよう。

日本以外の先進国では、もう随分長いこと、科学的な本の読み方が研究され、学校現場で読書教育として採用されてきている。その効果実証済みの科学的な読書法を学んでみてはどうだろう?
読み方が変われば得られるものがガラリと変わる。
そして、読書が変われば、あなたの未来が変わる。

読書教育の一研究者として、そんな読書の方法をぜひ学んで欲しいと願っている。

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