「近頃の若者は本を読まなくなった」はウソですか?

2009年になって本が売れなくなったという話を書いたことがあります。
 
これって、何のバブルが弾けたんだろう?
 
そんなことを考えていたら、私が勝手に尊敬してやまないブロガーDain氏が、氏のブログ「私の知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」にて「最近の若者が本を読まなくなったという話は完全な妄想」との話を『本の現場』という書籍のデータを引きながら展開しているのに出くわしました。
 
#といっても、ちょいと前の話。その後、うだうだ考えていたらNot Timelyな事態に…。
 
ブログの記事からリンクされている参考資料、雑誌、ブログなどの情報を含めて、非常に説得力のある説明が展開されています。
 
信頼できるデータと説得力ある論理展開。もはや反論の余地はありません。
 
このDain氏のブログを読むと、私たちがいかに「なんとなく物事を決めつけてかかっているか」を反省させられます。
 
 
 
【決めつけ根拠その1】身近に、本を読まない特定の若者がいる。携帯、DSに夢中の若者がやたらと目に付く。
 
【決めつけ根拠その2】どこぞの識者然とした人が「最近の若者は…」と語っていた。
 
私たちは、こういう少ない情報を元に、簡単に「やっぱり最近の若者は本を読んでいないんだ」とガッテンしてしまいます。
 
なにかの主張を「それは確かである」と主張しようとすれば、まずもって「あいまいさ」「なんとなく」を排除しなければなりません。それが科学的な態度です。
 
科学的な実験ですら、仮説として立てた主張に反する事実を例外として「見なかったことにする」ことも起こりますからね。本当に注意が必要だな、と。
 
このDain氏の記事は、そういう狭い体験と「何となく」の空気、そして思い込みから断定し、その断定をフィルターとして世の中を見る、そういう非科学的な姿勢への批判として突き刺さってきます。
 
 
 
ただ、客観的なデータを元に、冷静に「どうよ?」と語られた事実らしき主張に対して、どうしても違和感がぬぐえないこともあります。
 
そういう「違和感」が、思い込みから抜け出せない単なる執着の心から起こるものなのか?それともデータ化しようのない、されど確かな実感から来るものなのか?きちんと確かめておかなければなりませんね。
 
相手の主張と、それを支える証拠、論理。
 
自分の実感と、それを支える体験、仮説。
 
これらを冷静につきあわせて、じっくりと確かめる必要があります。
 
こういう「なんとなく」の思考・感覚を分析し、確認するトレーニングはやっておいた方がいい。
 
 
 
この記事は、その違和感の探り当て方、相手へのツッコミ方のトレーニングの一例です。
 
決して、Dain氏の記事への反論ではありません。というか反論の余地はないぞというのが本音。
 
このツッコミが納得感のあるものか、違和感と「?」を残すものか判断しつつ、ご自身の分析力強化にお役立ていただければ幸いかと。
  
 
 
今から確かめたいのは、「いや、最近の若者は本を読んでいる」という主張に対して感じる違和感がどこから来るのかということ。
 
自分の10年弱の教師経験と、その後の10年弱の速読指導経験を通して、肌を通して感じているイヤな感じがぬぐえないんです。
 
言ってみれば自分のもやもやを晴らす旅ですな。
 
 
■第一ツッコミテスト:「そもそも」と考えてみる
 
そもそも「本を読んでいる」「読んでいない」という議論になにか意味があるのか?
 
そもそも、その議論の向こう側にどういう展望が開けているのか?
 
この「そもそも論」に目を向けると、実は違和感の根源が「論点のズレ」にあるのではないかと気がつくことがあります。
 
語っていること、光が当たっていることは同じなのに、見ている場所が違う。そういう話。
 
 
 
本の売れ行きのデータがある。「本を読んでいる」という人の比率を示すデータがある。だから何?と。
 
公立高校教師としての実感、速読講座インストラクターとしての実感というのは、細かな数値の問題から発しているものでないことだけは確か。

ま、その実感というのも、たかが千数百人の高校生の「全体的な印象」と「授業、ディベート大会&事前調べ学習での実態」という、きわめてつかみどころのないものなんですが。

 

では、相手の論点はどこにあって、自分の論点は何なのかってことを考えると、意外と簡単にスッキリするのかも知れません。
 
Dain氏のブログでいうと、氏の問題意識、論点は「出版クライシスは本当か?その原因は若者の読書離れか?」であり、私の問題意識、論点は「若者の読書力が落ちてきているのではないか?」なんですね。その視点の違いが違和感の根源である可能性は十分にあります。
 
私が感じているモヤモヤって、実は「若者の活字文化離れ」なのではないか。
 
ここでいう「活字文化」というのは「込み入った文章を読み解き、行間を感じ取る作業」なのではないか。
 
つまり「読書離れなんかない!」という言葉を、「活字文化離れなんかない!」という言葉に「自分勝手にすり替えて、自分勝手にモヤモヤしているだけ」なのかも。
 
 
・・・と、ここまで書いてきたところで、頭がもうろうとしてきたので、ここで中断。
 
ちなみに、今日は朝6時に自宅を出発して東京日帰り出張。夕方5時に福岡に戻って、そのまま自分が主催する読書会。その後、懇親会。夜中12時帰宅。(−−;
 
というわけで、今日は寝ます。中途半端でスミマセン。

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