なぜ読書のレベルアップには速読スキルだけではダメ? なぜ読書ストラテジーが必要なの?

あなたが速読技術をマスターしたいと思った理由は、「もっとたくさん読みたい」かも知れませんし、「もっと何度も読みたい」かも知れません。
いずれにせよ、現状の読書に不満があり、レベルアップが必要だと感じたからこそ、“今までにない何か”に救いを求めたはずです。
 
しかし、現実問題として速読に関する書籍がこれほど氾濫し、速読教室または速読指導をおこなう塾等の学習機関が乱立しているにもかかわらず、それで日本の知的水準が上がったようには見えませんし、速読指導を採用した学習塾の成績が伸びたという話すら聞きません。あれほど「速読をマスターしたら天才になれる」かのごとく喧伝されているのに、です。
 
これはフォーカス・リーディングでも同じこと。フォーカス・リーディングの1パーツに過ぎない速読スキルだけをマスターしても、あなたの知性が高まることはありません。
 
今回はその理由についてご説明したいと思います。

そもそも速読は「スキル」に過ぎない

そもそも速読とは何か? という超基本的なことを考えてみましょう。
 
右脳開発」とか「潜在意識で処理」とか「写真のように写し取る」などという話は、基本的にオカルトと同類のものなので考えても仕方がありません。どういうメソッドで身につけるにせよ、現実的な速読というのは、あくまで精読・熟読と対置して考えるべきものであり、理解の正確さや深さよりも時間的な効率が求められる場面で選択される読み方の一種と考えなければなりません。
 
もちろん、トレーニングによって、速読をスキルとして身につけることは可能であり、ある程度は理解を損なうことなくスピードを上げることができまし。それでも、やはり速く読めば細部への注意は向かなくなりますし、繊細な読み取りは難しくなります。フォーカス・リーディングでは、この前提で速読というものをとらえており、あくまで読書の価値を高めるオプションの1つに過ぎないと考えています。

ここでいう「スキル」とは訓練や実践を通して形成された能力(とりわけ技能)を指します。何かを実践しようとした際に、自然と発揮されるものなのです。ということは、それはどこまでいってもあなたの能力の範囲での処理なのであって、あなたがゆっくり読んで理解できるものしか速く読めませんし、速く読めばその分、理解が浅くなったり粗くなったりするものなのです。

自分の知的レベルを超える本に挑むには?

難しい本に挑むとか、理解と記憶が求められるテキストに挑むという場合、当然、一度読むだけではダメですし、自分の能力を超えているわけですから、漫然と速読で何度読んだとしても理解が深まることはありません。
 
基本的に自分のレベルを越える書籍に挑もうとする場合、必ずストラテジーが必要になります。正面から突破できないからこそ、攻略法(戦略)を考えて挑むわけです。
ちなみに、「ストラテジー」とは、自分のスキルで対応できるレベルを超えた目標に向かう際に、意図的に活用される計画、手順、スキルの総体を指します。

難しい本、初めて学ぶ領域の本などを読む場合には、次のようなストラテジーを採用します。

  • 自分の体験を引っ張り出しながら読む。
  • 途中で調べものをしながら読む。
  • 線を引いて分析的に読む。

こういったストラテジーは、きっと多くの人がしているはずです。しかし、専門的な書籍を学習するために読むという場合には、もっと大局的なストラテジーも必要になります。

  • ミクロの理解とマクロの理解を、意識的に関連させながら読む。
  • ミクロ・マクロのフォーカスを変えながら何度も読む。
  • 下読み・フォーカス設定・理解読み・想起・振り返りといった戦略的なアルゴリズムを採用して重ね読みをおこなう。
  • コーネルノートなどのフォーマットを使って、論点と論理構造を整理しながら読む。
  • 読み終わった段階で、十分に理解できたこと、課題として残ったことを整理して、次の学習につなぐ。

速読スキルと読書ストラテジーの合わせ技でレベルアップ!

こういった読書ストラテジーは、速読スキル抜きでも活用可能なのですが、フォーカスを変え、それにふさわしいスピードと理解度のバランスを実現できると、学習効率が一気に加速し、さらに高い成果も得やすくなります。
そして、速読スキルは、「フォーカスを設定し、その時のストラテジー上の状況に応じて使いこなす」ことこそ、もっとも価値の高い活用法だと言えるのです。

 
なぜフォーカス・リーディング講座では、速読スキルの指導だけでなく、読書ストラテジーの指導をおこなうのか? ── 時々、そんなご質問をいただきますが、その答えがこれなのです。
 

「フォーカス・リーディング」で目指す読書とは?

フォーカス・リーディングで「速読スキル」をいう場合、それは現在のスキーマ(認知の枠組み)を前提として、心身のコントロール技術(禅的な集中力の発揮の仕方や、観の目付を基本とする眼・視野のコントロール技術)を掛け合わせたものを指します。
スキルというからには、その時の読書力を前提として、理解度とスピードのバランスを無理なく活用して読み進める能力ということになります。「速読は能力」と語る人(代表的な人として勝間和代氏)がいますが、この考え方はあながち間違っておらず、その人が一読して読み解けるもののみ速読可能だという発想があります。
 
フォーカス・リーディングで語る速読スキルも同じです。「速読技術」という言葉を使うこともありますが、これは「心身のコントロール技術によって身につく」という発想を表現しています。いずれにせよ、今の読書力が大前提。
 
・・・ということは、自分が楽に読める書籍しか速読できないの? ── ごもっともな疑問です。
 
そして、だからこそ読書ストラテジーが必要だと考えているのです。

フォーカス・リーディングとは速読スキルを活用した読書ストラテジーの総体である。

と考えていただくと、「速読」とか「速さ」にとらわれず、トータルとしての読書を高めていこうって思えるかも知れません。

速読は身体的なトレーニングによって可能になりますが、それで読めるものには限界があるぞ、と。
それを読みこなすためのストラテジーがあってこそ、自分の読書力のレベルを超えた書籍を読むことができ、その経験を通じて読書スキルが高まっていくのです。
 
手に入れたいのは、高いレベルの読書力(スキル)です。
高いレベルの読書力(スキル)があると、読書がすいすい自動的に進みます。認知リソースを消費しないので、深く、的確に読むことが可能になります。これが重要。
 
フォーカス・リーディングで考える読書力というのは、この社会を自分らしく生き抜くためのサバイバルスキルです。自分の現場で起こる問題のたいていのことは、読書を通じて学ぶことでクリアできますから。
でも、今のスキル(能力)で読める本をたくさん読んでも能力は高まりません。スキルを超えた本を読まなければ。
 
 
ということで、「なぜ読書ストラテジーが必要か?」という問題。── それは「あなたの読書スキルを高め、情報を的確かつ迅速に処理できるようになるため。そして、学習効果を高めるため」なのです。
 
速読スキルにせよ、読書ストラテジーにせよ、一生モノの財産。ぜひ、思い立った時に身につけてしまいましょう!

追伸

こちらに「自分の知性が及ばない書籍への挑戦の仕方」を解説しています。
ぜひご一読を。


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