なぜ小難しい本を読まないとダメなの?

あなたは、脳みそに汗して読むような、
小難しい本、読んでいますか?
 
小難しい本を読む価値を、どうお考えでしょう?
 
過去に何回か、社会人として教養書のような難しい本、
速読でサクサク読めない本を読まないとダメだよって話を
何回か書いたわけですが…


何人かの方から、こんな言葉をいただきました。

「難しい本も読まないといけないんだろうなとは思うのですが、
 その苦労とかかる時間を考えると、なかなか手が伸びません。
 そもそも感覚的にはそうだろうと思いながら、
 でも、読まないからといって問題も起こらないような気がしています。
 実際、読まないことで、どういう問題というか弊害のようなものが考えられるのでしょう?」

 
実際のところ、科学的にどうこう語れる話ではありません。
ですから、断言するつもりもありません。
 
ただ、「問題も起こらない」のは勘違いだと思うんですよ。
問題に気づいていないだけで。
 
時々「あー、あの人、そんなことまで読めてるんだ!」っていう人に
出会うと思うんですね。
 
その人と自分とで、同じ情報・書籍に接しながら、
手にする成果にどれだけの差が出てるんだろうって
想像してみる必要があるかも知れません。
 
なにしろ、そういうわけで、「小難しい本を読んだら、何が良いのか?」ということについて、
あくまで、一般論としてどう語られているか、私がどう考えているか。
そんな話に過ぎませんが、「読んで得られる効果」という形で、書き並べてみましょう。

1.粘り強い思考力が手に入る

小難しい本を、頭を悩ませながら読むには、当然のことながら言葉のつながりや、言外の意味などを考えながら読むことになります。
これが1つの思考力のトレーニングになることは間違いありません。
今の自分には難しく感じるレベルの内容を、一生懸命に歯を食いしばって読むことで、脳みその歯車が動き出す感覚が体験でき、読みやすい単行本や新書を読むと、驚くほどスムーズに読めることに気が付くでしょう。
 
世の中に存在する情報って、価値のあるものほど複雑で、そういう思考力を求められるものであることがしばしばです。
それを吸収できないとしたら、えらく損をしていることになると思いませんか?

2.活字に対する集中力が高まる

1と密接につながる話ではありますが、膨大な、それほど簡単でない情報に対して集中力を切らさずに当たれることは、とても価値があります。
集中力が散漫だと、情報の全体像(俯瞰図)が見えなくなったり、思考が深まらなかったりしますから。

3.自分が直接には体験できない世界を疑似体験できる

ある意味で、さらっと読める本というのは、「知らないこと」が書いてあったにしても、だいたいにおいて「読めば分かる」話です。
歯を食いしばって読むということは、そうでない内容なわけですからね。
 
自分の知性や体験を総動員して行間を読まなければならないかも知れません。
まったく想像のできない世界に、読み進めるごとに、あるいは読み重ねることで、徐々に新しい世界の輪郭が浮かび上がってくるかも知れません。
 
そういう体験こそが、未知の世界に出会ったときの、人としてのあり方、態度に出てくるのかも知れませんね。
 
 
細かいことを言えば、他にもいろいろ言えると思いますが、大きくはこの3つに集約されてしまうのではないでしょうか。
 
ちなみに、2009年7月28日付け日経新聞朝刊に「言葉の力を考える」という特集記事が掲載されました。
 
その中で、ダイキン工業会長の井上礼之氏が次のように語っています。

活字離れ、いわゆる国語離れは亡国の道につながる危険性があるし、企業経営にもマイナスの影響がある。
活字離れは思考が単純化・短絡化するし、情緒が欠落する人間をつくるおそれがある。

同じ記事の中の建築士、安藤忠雄氏の言葉がこちら。

多くの人はインターネットでいろいろなものを読む。インターネットは機能的だ。しかし言葉は機能だけではない。奥行きの深さがある。(中略)言葉は広がっていく。これを起点にしながらいろいろと本を読む中で、苦しんだり悲しんだり楽しんだりしながら、やはり世界が広がった。

 
いかがでしょうか?
 
活字離れというものの本質は、そういう本来、書籍と格闘する中でしか手に入らないものをスルーしてしまうということなんですね。
そして、「ネットで読んでいるから問題ない」とか「ビジネス書を読んでいるから大丈夫」ではありません。
 
本質的には、脳に汗するレベルの本を読んでいないとしたら、脳みそを使っていないという点で、活字離れをしている人と、それほど変わりないのかも知れませんよ。

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