「本当に面白い本はそう速くは読めない。」
━━ 小林信彦著『〈超〉読書法』
もし、あなたが「速く読むこと」に価値や魅力を
感じているとしたら、それはあなたの読書が、
「知ること」に向かっている証左といっていいでしょう。
私たちは、学校教育の影響なのか、
読んだことは憶えている方がよく、
知らないよりは知っている方がよく、
それもたくさん知っている方がいいと
ついつい思い込んでいる節があります。
本当に面白い本は、心が動く分、
ゆっくりにしか読めないものです。
そして、別に憶えておこうなんて思わなくても、
心で体験したことは、なかなか忘れないものです。
そして、そのワクワクとドキドキの体験を通じて、
私たちの魂がわずかばかりでも刷新されていますから、
それが表面的な記憶から消えたとしても、
その影響は私たちの中に残り続けます。
翻って、「たくさん」「速く」で読んだ本は・・・?
つまり、「頭で読んだ本」はどうだろう・・・と。
そう考えた時、「速く読む」価値はどこにあるのか。
「たくさん読む」価値はどこにあるのか。
私たちは、もっと読書との関わり、
読書の向こう側に広がる未来を見通して、
本と付き合っていく必要があるのかも知れませんね。(^^)
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