読書が苦手なあなたが高い理解力を手にするために必要な5つの習慣

読書苦手氏

地頭力を鍛えるために本を読めって言われるんだけど、そもそも本を読むのが苦手で、読める気がしないんですよ…

日本には読書や読解について、「分かっていないことを、分かるようにする指導」が基本的にありません。一斉授業の下で、「はーい、これ分かる人は?」と先生が投げかけて、分かっている子が答えて終わり。分かっていない子は、手がかりすらつかめないまま正解を聞かされることになります。

 
朝の読書や図書館の本貸し出し運動的なイベントなど、読書を推奨する指導はありますが、どのような本を、どういう読み方で読んだら読書力が高まるかというサポートはありません。
 
かくて、小中学生時代に「読書、苦手!」という子どもは、そのまま「読書が苦手な社会人」へと成長していくことになります。
 
私は現在、下は小中学生の子たちから、上は社会人の皆さんまで、幅広い年齢層の方々に読書指導をおこなっていますが、本質的な部分では、大人も子どもも抱えている問題は同じです。そりゃそうだって話ですね。(苦笑)
 
しかーし!
 
学生さんにとって「読書力、国語力はすべての教科の基本」っていいますが、社会人にとっても「読書力はあらゆるビジネスのメタスキル」です。ジェネリックスキルと呼ばれることもあるんです。
 
この読書力日頃の読書を意識的に変えることで、確実に高めていくことが可能なのですが、あなたも試してみませんか・・・?

そもそも、あなたの読書の何が問題なのか?

大人でも子どもでも、本質的に同じ問題を抱えています。それは、

読み方が感覚的過ぎる!

ということ。誰しも、フィーリングというか感覚で読める程度に読んでしまいがちなんですよ。確かに読みやすい本なら、それで読めた気分を味わえるかも知れません。でも、難しい部分や難しい本だと、読んだとしても「うーん。分かったような分からなかったような…」となってしまいます。
 
例えば、こちらの一文を読んでみてください。

したがって、筆者がここに提出する、日本の諸社会集団にみられる諸現象から抽出された構造の理論的当否は、その論理的一貫性(logical consistency)ばかりでなく、実際の日本社会に見られる諸現象、日本人のもつさまざまな行動様式、考え方、価値観などに対する妥当性・有効性(Validity)の存否によってもテストされうるのである。
──中根千絵著『タテ社会の人間関係』(前書きより)

大学の読書法の授業で、この本をテキストに使いました。「前書きを読んで、よく分からなかった部分ってあった?」と聞いたら、全員が「いえ、ありません!」と…。
でも、この一文についてツッコんで質問してみると、誰一人としてちゃんと理解できていなかった…というシロモノです。
 
なんとなく読んで、なんとなく分かった気分ではダメだってこと。

あれ? この文って、どう解釈したらいいの?

そういう「分かっていない自分に気づける感覚」(メタ認知的意識)が必要なのです。
もちろん、分かっていない状態を「分かった!」に変えるための方法も知らなければ、ですね。例えば、上の例文であれば、こんな風にしてミクロの構造を整理することで、理解が容易になります。

そして、それは上に紹介したような“小難しい文の構造(ミクロ構造)の的確な理解”だけではありません。
 
実は、あなたが理解できていないことに、気づきすらしなかったことがあるかも知れません。例えば…

  • その本の論点と主張、そして論理構造は把握できていますか?
  • 章ごとの論点、書籍全体の中での位置づけは把握できていますか?
  • 文脈の一貫した主張を把握できていますか?
  • 今、読んでいて「?」となる部分を、文脈の一貫性観点から掘り下げることはできていますか?

これができていないと、わかりやすい本を分かる程度に読んで満足するしかないかも知れません。あるいは、難しい本を読んでも、「名言拾い」的な読み方を超えることは難しいかも知れません。
 
読書力・読解力があらゆる学力の基礎ってことは、大人も子どもも同じ。ここをしっかりとケアすることで、高い理解力知的なあなたが手に入るわけです。
 
小難しい本をサクッと読めて、しかもその本の魅力やポイントについて的確な言葉で説明できる…そんなことができるとしたら、それってちょっと小粋だと思いませんか?

雑な読書を積み上げると頭が悪くなる?

問題は「ただ、本をたくさん読めばいい」というわけではないということです。
 
雑な読書しかできない状態で、たくさん本を読んだとしても無駄。
力が着かないどころか、頭を悪くしかねません。実際、子どもの読書と学力の傾向を見ると、週1冊を超えると、読めば読むほど学力が(やや)低下傾向になっています。

 
これってもったいないと思いませんか? 実は、読書の時にちょっと気を遣うだけなんです。そういう気遣いの読書習慣が身につくことで、あなたの理解力がじわじわと、でも確実にアップしていくのです。
 
せっかくなので、日頃の本の読み方を変えて、あなたの読書力・読解力の底上げを図りませんか?

5つの心がけで作る“頭を鍛える読書習慣”

あなたのちょっとした心がけで、読書は劇的に変わります。ただ、「どう心がけたらいいか」を知らないとどうしようもありませんよね。
 

1.頭を使って読まざるを得ない本を、頭を使って読む

今の自分の読書スキル(能力)、読解スキルで読めるものを読んでも、語彙は増えませんし、理解力も高まりません。
理解力を高める。読解力を高める。── その目的であれば、今の自分の読書力をちょっとだけ上回る本を手に取らなければなりません。
 
自分のスキル(能力)が及ばないものに挑戦すると、様々なストラテジー(戦略)を駆使することになります。それが2以降の習慣で紹介するものです。
 
では、自分のレベルをちょっとだけ上回る本はどう選定するか?
 
使われている語彙、言い回しが「やや堅苦しい」「使われている言葉は知らないこともないけど、一読して意味がすんなりと伝わってこない」そんな本を選んでみましょう。
あるいは、自分が学んだことのないジャンルに挑戦するのも1つの手ですね。

2.理解のモニタリングを意識して読む

自分が、今、読んでいる部分について、十分に理解できているか常に自分に問いかけてみてください。
ただ、これは慣れないとちょっと難しいと感じるかも知れません。だって自分では分かっているつもりで読んでいるわけですから…。
 
なので、とりあえず章や節ごとに、「この章(節)で語られていることを200文字で要約すると?」とか「章のタイトルにある○○というのは、つまりどういうこと?」という具合に、問いを設定し、それに答えられるかどうかを確認することから初めてみてください。
出力しようとして初めて、「あれ?実は分かってない?」と気づくことも多いものです。

3.色ペンで「整理する」意識を持って情報を分析する

色ペンを使って本に書かれている情報を視覚的に強調したり、整理したりする ── これは東京大学の授業で、新渡戸稲造氏が語った読書ストラテジーです。

 
これをアレンジした齋藤孝氏の「3色ボールペン情報整理術」は有名かも知れません。
三色ボールペン活用術
 
読書教育の世界でも、難しい内容ほど、線を引き、ポイントを確認したり、情報のつながりを確認したりすることで理解が高まるとされています。
ただし、齋藤氏が語るような「重要」と「それなりに重要」で色を変えるような曖昧な基準で情報を整理するのは無理があります。書かれている情報に、そんな明確に重要度が付けられるはずがありません。
 
新渡戸氏が語るように色の使い方は自分で決めていいわけですが、慣れるまでは「事実(データ)」と「主張」のような明確な色分けの基準を設定することをお勧めします。

子どもであれば、指示語、接続語に線を引き、何をどうつないでいるのかを確認させるだけでも、読解力が高まっていくものです。
☆「国語指導ってどうしたらいい?」と悩む指導者は、まずこれをやろう!

4.ノート作り,要約作りで頭を整理する

2と3のまとめとして、ノートに書籍のポイントを整理してみましょう。整理の仕方としては、

  • A)書籍のポイント(自分なりにポイントと感じたこと)を800文字程度で要約文にしてみる。
  • B)書籍の論点、主張、論旨、論拠が明確になるよう、800-1200文字程度で縮約文を作る。
  • C)自分に必要だと思うポイント、ブログなどで人に伝えたいと思うポイントを図解してみる。

なお、「縮約」について知りたい方は、大野晋氏のこちらの書籍を参考にどうぞ。

 
ポイントの図解については、こちらの記事が参考になるでしょうか。

いずれにせよ、「出力しようとして初めて、カオスな情報が整理される」わけで、「カオスを整理しようとして初めて、分からないことが見えてくる」ものなのです。

5.フィードバックの得られる環境を作る

自分の思考の癖とか未熟なところというのは、結局、自分では分からないことが多いもの。だからこそ、壁を越えていくためには、コーチやコンサルタントの存在が絶対的に必要になるわけです。
 
読書であれば、同じ本を読んだ仲間と語り合うだけでも、自分の気づかなかったことに気づいたり、「何を語ろう?」と出力を意識しながら読むことでモニタリング機能が働いたりと、読書力が高まる習慣が手に入りやすいものなのです。
さらに人との対話を通じて、より理解が深まるかも知れませんし、自分の理解できていなかった点が明確になることもあるでしょうね。

こちらの書籍もぜひどうぞ。
☆『読書会入門』

結論:要するに「てきとー」に読んで終わらせない!

子ども達の学習指導をしていて、つくづく思うのは、

自分で文章(問題文)を考え、分析して分かろうとせず、先生の解説を聞いたり、答えを見たりして、「あー、なるほど」と分かった気分になっている子が多すぎる!

ということ。
学習を効率化して、手っ取り早く点数をとらせようっていう、大人の浅はかな商業主義、テスト点数至上主義が生んだ矛盾でしょうか。算数の文章問題すら、パターンだけで解いてしまう子が非常に多い。だから、パターンで解けない問題は、勉強してもまったく刃が立ちません。
 
「本が読めた」というのは、単に「文字として音にできた」とか「知らない言葉がなかった」ということではありません。
文の構造(ミクロ構造)が理解でき、書籍に一貫した主張とコンセプトが読み取れ(マクロ構造の理解)、下敷きにされた背景的情報や時代が浮かび上がり(コンセプトの理解)、さらに自分のリアルな世界にその理解を投影・適用してみたり、行動を変えてみたり…それこそが「読めた」なのです。
 
是非一度、自分の読書習慣を見直し、5つの要素をできるところから採り入れてみてください。
半年、1年と続けていくことで、あなたの理解力も思考力も大激変しているはずです!

ミクロ構造の読解に自信がないなら…!

先ほどのこの文。

したがって、筆者がここに提出する、日本の諸社会集団にみられる諸現象から抽出された構造の理論的当否は、その論理的一貫性(logical consistency)ばかりでなく、実際の日本社会に見られる諸現象、日本人のもつさまざまな行動様式、考え方、価値観などに対する妥当性・有効性(Validity)の存否によってもテストされうるのである。
──中根千絵著『タテ社会の人間関係』(前書きより)

こういうった込み入った、分かりづらい文を一読して理解できるようになりたければ、先ほど紹介したような図解のトレーニングをしてみてください。
↓↓↓↓こんな感じで。↓↓↓↓

 
こういうトレーニングを小学校時代から、ちゃんとやっておくと大人になって苦労しないわけですが…学校教育では、こういう文章読解の基本をちゃんとやりませんからね…(^_^;
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