手っ取り早く収入Upレなんて、そんなムシのいい話、ないよね? でもあなた自身は、与謝野経済財政担当相のマネしてません?
日本の国家財政がヤバイ。なにしろ、支出は増えていくのに、収入が増えないんですから。
それで手っ取り早く、かつ手堅く税収をアップさせるべく「消費税10%」だよ、と?
確かに消費税率アップなら、確実に入るお金は増えますよね。税率が倍になったからといって、日常の買い物は半分にできませんし。
しかし、それで10年後の国家財政は大丈夫なんだろうか? そんな疑問を感じます。
あれ? でも、これって個人でもいえることかも。
あなた、手っ取り早く果実を手に入れるために、本当にやるべき改革を放置してません?
引き出すことばかり考えてない?
『7つの習慣』の「相互依存のパラダイム」の中に「信頼残高」という比喩が出てきます。
この発想、今の国家財政の問題にも、私たち自身の仕事にも求められるものだと思うんです。
経済の主体である国民から引き出してばかりでいいのか、と。富を生む源泉である国民への預け入れが足りないんじゃないか、と。どうも「どうやってお金をむしりとろうか?」という話ばかりが語られている気がして。
取れるところから取れるだけのお金をとった結果、財政は好転したかっていうと逆。
もっと、がんばって働いている人が報われるような仕組みだったり、新しいジャンルに挑戦する人を応援する仕組みだったり、富を生む主体が元気になるような政策ってないもんなんですかね?
そういう預け入れの作業を抜きにして、取れるところから・・・ってのは、まさに黄金の卵欲しさに、ガチョウを殺すイソップ童話(『7つの習慣』P.61)そのもの。
長期にわたって成果を上げたい(目標達成:Performance)のであれば、それを生み出す主体(目標達成能力:Performance Capability)を大事にしなければならないはずですよね。
あなたは自分の仕事上の信頼残高を引き出し過ぎていないでしょうか?
個人でも同じ。日々の仕事で、安易に「引き出し」ばかりしていないだろうか? 自分の根本の価値が高まるような「預け入れ」はできているだろうか? と自省しなければなりません。
★個人の仕事で見る「引き出し」と「預け入れ」
★預け入れ・・・相手の期待以上の仕事,自分の力や価値が高まる投資
★引き出し・・・相手の期待を下回る仕事,表面を取り繕うレベルの投資
仕事上の能力残高、信頼残高がプラスでなければ、信頼して仕事を任せてもらえません。でも、これって年利マイナス数%ぐらいで確実に目減りしていく存在なんですよね。
年齢が上がり、社会的なステージが上がっていけば、相手の期待値が上がります。当然、相対的に残高が減ります。今のような縮み志向経済の中では、放っておいても減り続けます。
時代・環境の変化、相手の期待値Upに応えていける「頼れる自分」作りをしなければ、間違いなく残高不足、不渡り発生という事態に直面します。常に「預け入れ」中心でやっていかないと!
政治がやっていることを反面教師にして、身の振りを考えよう!
とりあえず、目の前の危機には何とか対処しなければなりません。それでいて、富を生むリソース本体を育てようという発想が必要です。
小手先でも、元本を大きく食いつぶさなければ実践
よく「小手先系ノウハウ」なんていう揶揄したような言い方をされることがありますが、小手先のノウハウを使うことで「今」をしのぐってのは大切なこと。
ただ、根本が育つような投資も忘れないようにしたいところですね。そして、それが単なる延命措置に過ぎないことも意識してお行きたいところ。
たとえば、人脈の広げ方とか集客の仕方とか学ぶのって本当に大事。でも、そもそも自分自身、商品そのものに魅力がなければダメですよねって話。
このあたり、「環境と開発」の話にも似ていなくもありません。本当の「Sustainable Development(持続的な発展)」を求めて、PCを育てましょう!ってことで。
信頼残高の引き出しだけはNo Good
お客様やビジネスの相手方の信頼残高を引き出すのだけは絶対的にNGです。たとえば、「煽り」「だまし」はすぐにマイナスのリターンとして返ってきます。それで一時的なメリットがあったとしても、です。
ま、一発勝負でドカンと儲けて、サヨナラ~って決め込めるならいいのかも知れませんが。
さて、自分自身はどうだろうか?と自省してみる。。。
私も起業して10年になりますが、まだまだ収穫できる季節は遠そうです。(苦笑)
読書も、狩猟採取型(引き出しタイプ)より農耕型(預け入れタイプ)優先が続きそう。
でも、今、あんまり収穫できていない気がしても、10年後の未来も安心して笑顔で仕事をできている方がいいですからね。
今年1年、もう少し、未来の飛躍を夢見つつ、預け入れの季節を過ごしてみようかと・・・。