資格試験学習でストレスと時間を激減させる速読活用法

速読&読解関連コラム

先の3連休、フォーカス・リーディングの3日間集中講座をおこなったわけですが、受講者の中に大学受験生と資格試験受験生の方が1名ずつおられました。
 
最終日、他の受講者さん達が書籍の速読演習をおこなっている中で、その二人には徹底して「試験のテキスト・問題集」を読む練習をしていただきました。
 
お二人とも受講前には、「勉強しても、難しい言葉や略称、数値などが記憶に残らない」とこぼしていらっしゃいました。
 
それがどうなったか?
 
これまで必死にがんばって憶えられなかったものが、速読を活用した勉強法に切り替えた途端、簡単に記憶できるようになったのです。
その上、進度もあり得ないくらいにスイスイと進みます。
 
かといって、別に「右脳が活性化して記憶力が上がった!」とか、「潜在能力が開花して天才になった!」とか、そういうマジカルな話ではありません。
 
単純に勉強を根本から変えただけ。
 
今回はそのポイント(アドバイスした内容)を解説します。

1.学習における速読活用のよくある誤解

ちまたにある、次のような考え方は単純に都市伝説であって、真実ではありません。

  • 例えば3倍速で読めるようになれば、同じ時間で3回読めるので、何度も読む効果で記憶が定着する。
    ⇒これは嘘。読み方を根本的に変えなければ、3回高速に読んでも1回丁寧に読んでも記憶できる量はそれほど増えません。
  • 右脳を活用することで写真のように記憶できるため、高速かつ効果的に記憶できる。
    ⇒これも嘘。右脳を活用するということ自体、科学的な根拠がありませんし、写真のような記憶はほぼDNAに依存するため普通の人には不可能です。

あくまで、認知科学や心理学あるいは脳科学に基づいて、極めて合理的な方法を実践しているだけなんです。
 
学習に魔法はない。ただ、無駄のない、効果的な方法があるだけだ。
── そのように理解してください。

2.学習における速読の正しい活用法

基本的にはUプロセス学習理論に従って学習を進め、各ステージの状況に応じてスピードと理解のバランスを調節していきます。

このとき、「がんばって憶える」のではなく、SRICE原則にしたがって、無理なく反復することで学習のペースを上げながら、記憶への定着を促します。

2-1.SEEING:概観のステージ

Uの図の左上のステージです。
 
ここでは、だいたい内容を受け止められる程度に入力レベルを設定して(理解度60%くらいの「分かる」感覚)、これからどんな学習をしていくのか眺めておきます。
 
分かろうとするとストレスが生じてしまい、学習が進まなくなります。気楽に眺めるという意識が重要です。
 
ただし、章・単元は常に頭に置き、全体像をつかむつもりで取り組み、また眺めてみて「まったく未知・不明」の部分と、だいたい分かりそうな部分とを区別しておきます。(腑分け作業)
かといって、だいたいの手応えを確認する以上の負荷は不要です。

2-2.SENSING:反復入力のステージ

Uの図の左下のステージです。
 
ここでは図にあるように5段階で理解を整え、テキストの入力を完成させていきます。
 
まず、やや丁寧にざっと読んでいきます。
ここで、一読して分からない部分があれば付箋を貼っておきましょう。
分かろうとする努力は不要です。
 
次に、付箋を貼った部分を中心に丁寧に読みます。付箋がない部分はざっと読んでかまいません。
付箋の部分は、丁寧に読んで分からなければ付箋を残しておきます。丁寧に読んで理解できれば付箋をはがします。
 
この「丁寧に読んでも分からない部分」は、週に1度「難解部分攻略の日」を用意して、まとめて取り組みましょう。
いちいちストレスを抱えながら立ち止まるのは非効率です。
自分で考えて分からない部分は、分かっている人に聞くとか、ネットで分かりやすい解説を探すなど工夫しましょう。
それを1冊「難解部分専用ノート」に図解するなど工夫して整理しておきましょう。
 
これで全体が「分かった」状態になりますので、後は本を読むのと同じ感覚で何度も速読していきます。
学習を終えるタイミングは、「まったくひっかかりなく読み進められるようになった時」です。
目安は1ページを6秒程度で流していって読める状態、もしくは見出しや最初の1行を読んだ段階で、後に続く解説を自然と思い浮かべられるようになった状態です。
 
もし、短答式の問題集などがあれば、それもテキストと同じように反復入力することをお薦めします。

2-3.CRYSTALLIZING:反復出力のステージ

Uの図の右下のステージです。
憶えている、憶えていないを意識せず、「問題を確認する⇒思い出す⇒すぐに正答を見る」を反復します。
ここで「うーん、なんだっけ?」と頭をひねるのは学習としてマイナス効果が発生するので厳禁です。


 
ここでは、次の2つの作業をおこないます。

  • 1.テキストの語句、解説をチェックペンで消して虫食い問題にし、テキストの完全理解&記憶を目指す。
  • 2.基本問題集を使って「瞬時に答えが浮かぶ」状態を作る。

まず、テキストの語句や解説をチェックペンで消していきます。語句・数値と解説・概念とで色を変える(緑と赤)ようにすると、2パターンの学習が可能になりますね。
 
これでスイスイとすべてを思い出しながら読み進められるようになれば終了です。
 
次に基本問題集。
 
問題文を丁寧に読みます。視野を狭めてストレスフルな状態で読まないように注意しつつも、雑に読んで間違った理解をしないように注意します。
 
読んだら1秒だけ「なんだっけ?」と想起しましょう。それで答えが浮かぶ問題は、そこで終了。
問題の左側にチェックマークを入れます。
 
答えが浮かばなかった問題は、左側に「正」の字を書いていき、ポイントとなるキーワードなどに印を付けつつ丁寧に読みます。
何度もやって丁寧に読むまでもない場合は、さらっと確認するだけでOkです。
 
これで、すべての問題について「問題文の冒頭を読んだだけで、続く問題文と解答が思い浮かぶ」状態を目指します。

2-4.PROTOTYPING:完成のステージ

ここから完成を目指します。
解答も単に「思い出す」だけではなく、紙に丁寧に、かつスピーディーに書ける状態を目指します。
 
まずは、上記2-3で使った基本問題集で取り組んでもいいでしょうし、標準問題、応用問題を使ってもいいでしょう。
 
進め方は2-3と似たような作業です。
ただし、間違った問題は専用のノートを作って「体験(SRICE原則のEpisode原則)」として理解・記憶に落とし込みましょう。
問題文と正答を写し、何を間違ったのか、正解を導くポイントは何かといったことを書き添えて、自分ならではの参考書として完成させていきます。
 
間違えた問題は何度も反復してスムーズに解ける状態にし、すべての問題を完璧にこなせるようになったらいったん終了です。
 
そこからは2週間ごとを目安にして実力テストをおこない、間違えた問題のやり直しをおこないます。
間違えた問題だけをやり直せばいいと考えず、関連領域もやるようにしたいところです。
 
これについては、こちらの記事も参考にしてください。

これを徹底しておこない、模擬試験で70%の時間で90%の正解が出せるようになったら「一応、パーフェクト」と考えていいでしょう!
なお、ここでいう「90%」というのは、当然「満点」に対して、ですね。
もちろん、試験によってはそこまで完璧を期さなくてもいいものがありますので、どこで手を打つかは残された時間と合格ラインとを見ながら考えてください。

3.まとめ

これまで私たちが当たり前のようにやってきた「紙に書いて憶える」とか「声に出して憶える」とか、そういう効率が悪く、しかも記憶に残りにくいやり方を手放し、上手に速読を活用することで、学習効率は数倍に跳ね上がります。
 
速読をすでにマスターしている人も、そうでない人も、この法法を参考にして学習を効率化してくださいね。(^^*
 
勉強法を変えれば、これまで不可能だと思っていたことが可能になり、人生のノビシロを大きくすることができるものですよ。

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