「読書=自己投資」と豪語するあなたが、絶対に知っておくべき「本の読み方」

フォーカス・リーディングとは、理解度とスピードのバランスをコントロールする技術です。
 
もちろん「理解度をコントロールする」といっても、「今の自分の読書力」が前提。かなり大雑把な言い方をすると、フォーカスを変えて、詳細な理解をスルーすることで実現します。
 
「文章読解力」という意味で「理解度を上げる」のは、あくまで読書力を高める技術を学び、良書を読み重ねる経験値を積むしかありません。
 
ですが、「理解度を下げる」ことをネガティブにとらえる必要はまったくありません。
この「フォーカスを変える」こと、あるいは、そもそも「フォーカスを設定する」という作業は、読書の価値を高める上で非常に重要なのです。 
 
それは、「本の読み方」の根幹とも言えることだからです。
 
今回はその「本の読み方」についてお話します。

アメリカMBAの読書事情 ~フォーカスを明確にして読む、という経験~

残念ながら私たち日本人は「本の読み方」を学ぶ機会を持たないまま社会人になってしまいます。
 
6年前にフォーカス・リーディングの3日間集中講座を受講してくださった国際派コンサルタントの方が嘆くようにして、こうおっしゃったのを印象深く憶えています。
 
「寺田さん、日本のビジネスマン、
 起業家・経営者は、情報量と知恵(intelligence)、
 それを支えるそもそもの読書力でアメリカに負けている。
 これじゃ日本の企業は世界で勝てない。」

 
実際、アメリカのエグゼクティブと呼ばれる人たちは、学生の頃から本を読むトレーニングを積み上げています。
 
アメリカでMBA取得のために経営大学院に行くと、1講座につきおよそ200ページ程度の書籍を読むことになるそうです。
 
それが週に数コマあるわけなので、毎週数百から1000ページ近い書籍をこなすことになります。
 
東洋経済オンライン、佐々木紀彦氏の記事によると4年間で500冊にも上るのだとか!

「スタンフォード大学の学部生は、授業において大量のリーディングアサインメントを強いられるため、4年間に約500冊も本を読むことになります。」

アメリカの大学を卒業した私の従弟によると、こういう読書体験は高校時代、あるいは大学時代から始まっているとのこと。
 
大学生は入学した段階で「読書法」を学ばないと卒業できないことを理解しており、スキミングやスキャニングといった読書技術を身につける努力をし、また速読術とは言わないまでも、速く読むための練習もするそうです。
 
しかも授業で求められるのは、膨大なテキストを完読することではなく、設定されたテーマにしたがって意見を整理し、授業(あるいはプレゼンテーションやディベート)の場で発表できること。

彼らは、大学時代を通じて「フォーカスを明確にして、書籍を読む」という作業を、否が応でも積み上げることになります。

日本の大学、MBAの読書事情はどうなのか?

一方、日本の大学生はというと、J-Castの記事(2014.03.02)によると、目も当てられない状態のようです。

2014年2月26日に公表された「第49回学生生活実態調査」の概要報告によると、調査に協力した全国の国公立、私立大の学部学生8930人の1日の読書時間は平均26.9分で、同じ方法で調査している2004年以降最も短くなった。読書時間ゼロの学生は40.5%に達したという。

最近、日本でもMBA取得のために経営大学院に行く人が増えています。
そういう向学心あふれる人たちはどうなのか、某経営大学院の講師の方に聞いてみました。
 
・課題図書や参考図書を提示しても、ちゃんと読んでくる人は多くない。
・講師の側が、授業や単位認定でそれを強制し、ハードルを上げすぎると
 学生が来なくなってしまう可能性があり、経営的な問題として難しい。

 
ざっくりいうと、そんな話。
 
日本人は「本を読む」ことを学ぶ場もなく、また大学やMBAにおいてすら、それを強制されることもありません。そのため、高校時代までに国語の授業でなんとなく学んできた「文章を読む」作業の延長として本を読んでしまいます。

本には「本の読み方」があることを知っておこう!

「本を読むこと」を目的とするような文学作品や暇つぶし系の書籍ではなく、自分を高めたり、仕事の価値を上げたりするような目的フォーカスの読書をしようと思うなら、本には本の読み方があるということを知っておかなければなりません。
 
それは単に「熟読・精読か速読(ざっと流れを取っていく読み方)か」というレベルの話ではありません。
 
丁寧に精読、熟読すれば、ミクロレベルの「文」「文章」は深く吟味できるかも知れません。
しかし、それでは「木を見て森を見ず」の言葉通り、本全体の主張、ロジックがつかめません。
 
その読み方を加速して、詐欺チックな速読業者がいうような「一字一句を高速に読む」ことが可能だったとしても、読み方、フォーカスの変え方を知らなければ、ただ時間効率が上がるだけで終わってしまいます。
それでは読書の価値は高まりません。
 
「本を読むこと」が目的でなく、
 
読書を通じて断片的な知識や情報以上の知性を手に入れたいなら、
著者の主張や思考のフレームを正しく理解して、自分の読書力、思考力のレベルアップにつなぎたいなら、
そんなふうに、本当に「本を読む」こと、その成果を重視するなら、こんなことを考える必要があるのです。

  • 「読んだ後」の目的からトップダウンで設定したフォーカスを明確にすること。
    アメリカの学生が大量の書籍をこなせるのは、フォーカスを明確にして、効率的かつ効果的な読み方を実践しているからです。フォーカスが明確になると、捨てて良いところ、流していいところがはっきりしますので、アクセルとブレーキを使いやすくなります。
  • マクロ視点から全体の構造を把握し、詳細な理解(ミクロ視点の理解)をそれとリンクさせること。
    書かれている事実や主張が、全体の主張の中でどう生きているのかという「構造」を把握する必要があります。細かい部分だけで判断しようとするのではなく、全体の文脈の中で果たす役割や、前後との対照など、広い視野でとらえることで、より理解が深まります。
  • 著者の目指した世界、書籍の目指したゴールから、書籍そのものの価値、文章の意図、事例の意図などを把握すること。
    事例や理論などは、そもそも著者が何を伝えようとしているのか、読者に何を手に入れてもらおうと思っているのかという「本(著者)の目指すゴール」から判断する必要があります。細かな話や、たまたま出会った名言に惑わされず、本の価値、著者の主張の真意や哲学を読み取りたいものです。

これらの理解を手に入れるためには、本の読み方を変える(シフトする)必要があります。
フォーカス・リーディングは「詳細な理解をスルーすることで実現」と書きましたが、そのことでしか手に入らない理解があるのです。
 
それは技術として学べるものですし、そういう読書体験を積み上げることによって、本を読むのが上手くなります。
 
それによって手に入るメリットはとても大きなものです。

  • マクロレベルでの理解度が上がり、全体の構造、主張のロジックが適切にとらえられる。
  • 読書によって手に入れたい目的に効率よく到達できる。
  • マクロとミクロの理解が縦横にかみ合うことで理解が深まるだけでなく、記憶にも残りやすくなる。
  • ぶあつい書籍(専門書等)を、気後れせずに読みこなすことができる。

もしあなたが、読書そのものの価値を高めて、単なる知識や情報を超えた知性(intelligence)を手に入れたいと思うのであれば、
 
あるいは、知的プロフェッショナルを目指すとか、MBA取得を目指すというように、仕入れとしての読書、自己投資としての読書を充実させたいと願うのであれば、
 
絶対に学ばなければならない要素ばかりです。
 
今、あなたは読書から満足できる結果、成果を手に入れられているでしょうか?
 
もし答えが「No」であれば、技術を学ばないことで「手に入らないメリット」をリアルに考えてみてください。

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