今日から西南学院大学の読書力養成講座がスタートしました。
大学の読書講座では、次の4つの技術をブラッシュアップすることを狙っています。
- 深く読む熟読の技術
- 素早く流れをつかむ速読の技術
- ロジカルに思考を展開する思考の技術
- 意見や想いを適切に伝える発信の技術
ある意味で「大学での学問の基礎」とも言えますし、
社会人になってからも通用するメタスキルとも言えます。
すべて「技術」ですので、まずは「型」を学んで身につけ、
さらに時間をかけて取り組みながら「力」に変えていくべきもの。
だからこそ、こういったメタスキルは、
一日も早く身につけるべきだと私は考えています。
このとき、「速読」と「熟読」はセットです。
とりわけ、もともと読書に苦手意識を持っていて、
本を1冊読み通すことにも壁を感じているということなら、
まず、速読技術をマスターしてください。
1冊30分でざっと流し読み、さらに40~50分で丁寧に読み重ねる、
そんなレベルの速読は誰にでも身につきます。
これくらいの時間で1冊読めると、
2~3日で1冊を読みこなすことが、とても楽になります。
それで3日に1冊読むと、年間120冊。
これだけの本を、コツコツ読み重ねるのと、
読まずにスルーしてしまうのとで、
どれだけの差を生んでしまうか? -そう考えてみてください。
それから、これは講座の中で私が学生さんたちに語った話なのですが、
「若いうちは無目的に本を読んでいこう」
というお話。
社会人の読書は、どうしても「何かに活かす」というスタンスになりがちです。
それが悪いということではありません。
ただ、そのために指向性が狭くなりすぎるのは問題だと思うのです。
無目的というのは、
「本、それ自体の世界観と言葉を楽しむために本を読む」
ということ。
社会人も、これは忘れないで欲しいのです。
本の世界に没入する読書。
本の中で、著者の体験を追体験する読書。
立ち止まり、思索し、感慨にふける読書。
読んだ後に思考回路も感情も変わってしまうような読書。
そのためにも「ビジネスや専門に直結する読書」を離れる勇気を持っておきましょう。
月にたった1冊でかまいません。
そういう本そのもの目的として、楽しむだけの読書を、ぜひ持ってください。
時には、哲学書を。
時には、歴史ものを。
時には、経営書を。
時には、政治・経済ジャンルを。
バリエーション、ジャンルの幅を作るつもりで選書できると、なおいいですね!
ということで、西南学院大学での読書講座を始めるにあたって2つの話のシェアをお届けしました。(^^*