「記憶に残る読書」にするために意識すべき3つのポイント

ビジネス速読術フォーカス・リーディング」の3日間集中講座では、最終日に「10分で読んだ内容を隣の人に語る」という演習があります。
 
半数程度の方が1冊10分で読み、それ以外の方は10分で70-100ページ程度を読んで、それなりに隣の方に語る事になります。

「それなりに」というのは、(1)詳細な記憶が引き出せるわけではない、(2)本の先頭から順序立てて語れるとは限らない、(3)自分なりの理解に置き換わっており、やや正確さに欠けているかも知れない、などの曖昧さが残っている可能性があるということです。

事前に「記憶の原理と方法」を簡単に学んでいただき、その実践として取り組んでいただくわけですが、もちろん簡単に「劇的に記憶に残った!」とはなりません。
 
それでも、10分で1冊を読み終えて、それなりに本のことを語れるというのは、読書の進化の第一歩としては非常に素晴らしい体験だと考えています。(3割程度の方は、その日の内に「内容を詳細に思い出せる」ようになっています。)後は実践を重ねて、回路を強化していけばいいわけですから。
 
ということで、集中講座で語っている「記憶に残すためのポイント」を3つに整理してお届けします。

1.読書の前の大前提

読んだ内容が記憶に残るためには、技術云々以前の問題として、次の3つの要素が必要になります。

1-1.アンテナ(問題意識・興味と関心)

問題意識という自分の中の凹があるから、それにヒント、解決法をくれる情報の凸がはまります。当たり前ですが、切実に知りたいと思っていることは、一度読んだだけで頭に残りやすいものです。
 
逆に、問題意識がなく、たまたま読んだ本で(あるいはテレビ番組でも)「へー、それは心がけなきゃ!」と思うことがあっても、しばらく経つと「なんかあったよね?」という印象だけを残して、キレイに消えているものです。
 
本を読む時は、ちゃんと「フォーカス(問題意識と手に入れたいポイント)」を明確にして読むことを心がけましょう。

1-2.受け皿(スキーマ、背景知識)

どんなに切実な問題意識や興味や関心があったとしても、前提となる知識や背景知識のない情報は、やはり記憶に残りにくいものです
 
これは、学生時代の勉強を思い出せば納得でしょうか。そういうものは「繰り返して読む、思い出す」作業、つまり継続的な学習が必要です。当たり前ですね!

1-3.集中力

これは当たり前過ぎる話なので割愛。

2.読書の最中の心がけ

上記1の全体を踏まえた上で、「記憶に残りやすい読み方」を意識しましょう。
それは3つに整理することができます。

2-1.トップダウンで読み、常に全体の構造を意識すること。

記憶は常に「関係性」の中で残ります。ですから、記憶に残すためにはまず「全体像・骨格」をつかむような読み方をしなければなりません。常に全体像を意識して読み進め、その構造との関係を確認するようなつもりで読んでみてください。
イメージとしては、脳のキャパの2割くらいの機能を使って、頭の片隅に常に「流れ」とか「章立てのツリー構造」「論理展開のパターン」を意識し続けておくという感じです。

2-2.少しずつ整理しながら読み進めること。

1のことを強化するために、というニュアンスもありますが、読み進めながら、話が変わったところで、これまでどういう流れだったのか、ここからどんな話なのかを少し意識します。
6章を読み始める時には、1~5章までの流れを軽くおさらいするとベターです。d(^^*
 
速読で流し読みする場合は特に要注意です!
人の話を聞く時でもそうですが、間を置かずに一気に進めると、いちいち話が上書きされていき、印象だけが残る結果となります。
 
このとき、読み終わった章からキーワードとして印象に残った単語を1つ書き出し、さらに次の章のタイトルからキーワードとおぼしき単語を1つ書き出すようにすると効果的です。
14章読み終わった段階で28個の単語が並ぶことになりますが、これなら頭に負荷をかけることなく全体の流れを可視化することができ、無理なく整理・把握できます。

2-3.「憶えるぞ!」と力まない

がんばって憶えようとしたところで、記憶はよくなりません。むしろ、ストレスで質が悪くなる可能性すらあります。
リラックスして本に向かい、頭のどこかで「全体像」をとらえ続けること。これが重要です。
 
一番記憶に残りにくいパターンは、小難しい話を眉間にしわを寄せつつじっくりと読んでいくというもの。
前後の関係も作れませんし、ストレス一杯ですからね。(^^;

3.読書の後の心がけ

3-1.少なくとも3回、一気に重ね読みする

これは「全体像(マクロの論理構造)」と「詳細な話(ミクロの意味構成)」をバランスよくつかむために必須です。1回の読書でトップダウンで構造をつかみ、詳細な理解も…というのは負荷が大きすぎます。

  • 下読み:トップダウンで概要を整理する。1ページ3-5秒が理想。
  • 本ちゃん読み:内容を精細に読み取り、下読みで把握した概要とリンクさせていく。1ページ6-12秒が目安。
  • 振り返り:ポイントを整理しながら読む。見開き3-5秒が理想。

3-2.読んだ後に(その日のうちに)思い出す

本をぱらぱらめくりながらノートに整理するのがお薦めです。
メモすべき内容は

  • 1.本のタイトル・著者
  • 2.手に取ったきっかけ、問題意識、出力のゴール
  • 3.本の簡単な内容(概要)
  • 4.行動・知識につなぎたいポイント

単純に「思い出すトレーニング」として考えるなら、紙に書き出すより、人に話をした方が思い出しやすいのでお勧めです!
 
人に話す時は、記憶を整理したのと同じ手順で、まずザックリ言うとどんな話、テーマの本だったのか、どういう主張がなされ、どういう風に展開されていたのか、何か特徴的なエピソードや事例はあったか…そういう、トップダウン構造で話すようにしてみてください。
 
話をしてみると、自分の記憶がどこで崩壊しているのか、どれくらい中身が整理できているかが分かります。そしてどういう意識、どういう手順なら思いだしやすいか、そんな「思い出す技術」がうまくなっていくものです。

まとめ

レッスンでは最初に鎮まりを徹底的に作るところから始めます。 
読む最中は「トップダウン処理」、「章の変わり目での整理」を大事にしていただいています。
 
およそのやり方がつかめたら、後は量稽古です!
 
その時、記憶力(想起力)強化トレーニングも有効なのですが、これについては、また別の機会に。

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