すぐには役に立たない本をたしなむ、ということ

私は速読講座以外に、読書にまつわる活動をいくつかおこなっています。
 
昨晩は、その活動の1つである読書会、博多非凡熟読書倶楽部の定例会でした。
 
この読書会は、私の読書哲学をリアルに体現したものになっていて、「読書デザイン」という発想で、かなりしっかりと選書しています。
 
選書の基準は明解。
 
「すぐに役に立つわけではないけど、
 間違いなく、人生に力強さを与えてくれる知性を創る」

  
 
戦前から戦後にかけて慶應義塾大学の学長を務められた小泉信三氏が『読書論』(岩波新書)という本の中でこんなふうに語っています。

「すぐ役に立つ人間はすぐ役に立たなくなるとは至言である。
 同様の意味において、
 すぐ役に立つ本はすぐ役に立たなくなる本であるといえる。」

 
この対極にあるのが速読で読むべき本。
ビジネスの現場で活かすという前提で、「目当ての情報を効率的に摂取する」ことを目的とした本ですね。 
私はこれを「狩猟採取型読書」と呼んでいます。
 
速読技術で量と幅を生むことはとても大切なことです。
ですが、狩猟採取によって手に入れた果実を十分に活用できるビジネス力、思考力、実践力というものは基本的に「効率よく」は学べないものなのです。
 
それは荒れ地を耕して開墾していくように、長い目で見て、じっくりと耕していくという発想が必要になってきます。
 
 
即効性は期待できないけど、丁寧に時間をかけて読み解くことで、じわじわっと自分の内面が、思考回路が変化していくような読書。
 
これを「農耕型読書」と呼んでいます。
 
それが、この読書会で求めている読書なんですね。
 
 
その読書会の今年の選書テーマは「私の生き方と社会のあり方を探る」
 
特に「自由」を重要なキーワードと考えています。
 
社会人は「自分の人生」と「自分の関わる社会」に対して全面的に責任を負うことが求められます。
社会人というのは、社会に生き、社会に貢献することを求められる存在ですからね。
 
「自らに由(よ)る」そんな力を手に入れよう、と。
 
そのための「知性を耕す読書」、「生き方・あり方を見つめ直す読書」を積み上げるべく、1年間の課題図書を選書しているんです。
 
 
 
先に紹介した小泉氏も同書でこう語っています。
 

「いつまでも、手当たり次第で読むというわけにはいかない。
 どうしても良書の選択ということが必要になる。」

 
そう「いい本」「価値ある本」を選ばなければなりません。
 
頼れる自分を創り、自由な生き方を手に入れるという目的からみて価値がある本です。
 
もちろん「正しい読み方」も必要になります。
 
いい本も、読み方を間違えると、学びが非常に薄くなったり、どうでもいいことを学んでしまったりします。
 
高校時代までに身につけてしまった表面的に意味をなぞり「分かった」ことにしてしまう読書を捨てなければなりません。
 
このあたり、ちゃんと正しい読み方を知っておきたいと思ったら、まずはこちらの記事をどうぞ。
 
『【漫然と読んでない?】一流を目指す人が意識すべき、読書の3つの方向性』
とりあえず、急いで読もうとか、効率よく片付けようとかいう軽薄な発想を捨てること。
 
そして「分かる」こと「知っている」ことにまったく意味のない読書が存在することを知っておきましょう。
 
あとは、その本の世界にどっぷりと浸かって、じっくりと楽しむこと。思索に耽ることですね!

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