あの速読講座の効果は単なるプラシーボ効果だったのか?!

脳を鍛える系の教材・ゲームとか、何かをマスターする系の講座って、講座を受けた直後、その教室を出るまでは、すごい高揚感と「できるようになったぞ!」感が半端なく沸き立ちます。
 
でも、ひどい場合には翌日、そうでなくても3日以内にその効果がすーっと消えていくんですね。
 
そのヒントとなる話が、GIGAZINEさんの記事に紹介されていました。

曰く、

ユーザーのIQがトレーニング後に向上したという結果を根拠にしていたのですが、その結果が実はプラシーボ効果によって影響を受けた、いわゆる「盛られた」結果になっていた

とのこと。
 
そして、そういう詐欺的なプログラムを提供して荒稼ぎしていた会社が莫大な罰金を科せられたのだそうです。

アメリカ連邦取引委員会はあるサービスを提供していた企業に対して「科学的裏付けがない」として200万ドル(約2億4000万円)の罰金処分を下しました。

このニュースを読んだら、日本で「右脳開発」とか「右脳速読」とか「写真記憶」とかうたっている企業さんは冷や汗を垂らすのではないでしょうか。
 
速読の講座なんかその顕著な例でして、私のところに「某講座を受けたのですが、教室ではできている気がしたけど、結局身につきませんでした」みたいな話はすごく多いんですよ。
 
速読のコンテストのようなものを主催する会社の社長さんから相談を受けたこともありますし。

某速読FC社長
なぜ子ども達はパソコンの画面の前だと速く読めるのに、勉強では活かせないのでしょう?
子ども達はすぐに速読を修得してしまうんですよ。でも成績は上がらないんです。

そこの加盟塾の塾長さんからは

某速読塾長
速読コンクールで上位に入るような子どもが、国語の成績が上がらないどころか、悪くなる子もいます。何が原因なのでしょう?

こんな相談もありました。
 
 
やった瞬間・直後は効果を感じる。── ここが速読くせ者たるところ。

  • 高速道路を降りた直後(料金所までの道)に感じるスピード感覚の狂いと同じ原理で、すごいスピードで読める。ただし直後だけ。
  • パソコンの画面に表示される文字は速く読める。でも、本の文字は読めない。

雑誌やテレビ等の取材でも「たった数分のトレーニングでこの効果!」なんて紹介されますよね。
 
問題は「それで、その後、その人は本当に速読を使いこなせているのか?」ってことですよね?
そこを見ずに紹介するのは、上記ニュースにあるような詐欺会社の片棒を担ぐようなものです。
 
 
確かに効果を期待していない人たちに効果が出ないだろうことは理解できます。
 
ですが、期待していた人達に現れる効果がプラシーボ効果じゃ…。
そこで得た成果が、本当にその人の能力にプラスになり、生活や仕事にプラスになるようなものでなければ詐欺と言われても仕方ありません。
 
そういうサービスを利用しようかなと思う人も、「教室が宣伝していることはプラシーボ効果かも知れない!」ということを理解した上で、サイトの情報などは「話半分」で読んでおいた方がいいでしょう。
 
特に受講直後のインタビューとか、感想とか!

速読講座に通いたいと思っているあなた!

速読講座についていえば、教室で読むのはトレーニング用に用意した適当な本だし、「何かに活かしたい」ということではなく「速く読みたい」という目的で読むわけです。
 
それは普通の読書とは明らかに違います。ある意味で速く読めるようになって当然です。
  
速読講座に通おうと思っているのであれば、そこの受講生がリアルに速読をして生活や仕事に活かせているということをネットで確認しましょう。
 
インストラクターが速読を使いこなせていることも重要な条件です。適当な本を持ち込んで実演してもらえば確認できますから、確実にやらねば。

そういえば、速読業界のプラシーボ効果の最たるものとして、アメリカ発の「写真のように」をうたう流派があります。
 
英語の原著には「Double your reading speed(あなたの読書スピードが倍になる)」って書いてあるのに、日本語の本には「10倍速く読める」って誤訳されています。(苦笑)
 
速く読めるメソッドじゃないのに、本も講座もタイトルが「10倍速く」だから、誰もが速読を期待して参加します。
 
実際、本のレビューですが「実際に、この本に書かれているやり方を試したら5倍速くなりました」と書かれているのを見たことがあります。
 
プラシーボにしても、素晴らしい効果です。(^^;

ちなみに、その技術をマスターした熟達者と呼ばれる人たちを集めた科学的な研究が、アメリカでおこなわれているのですが、その結論は…
“These results clearly indicate that there is no benefit to using the PhotoReading technique.”
▲これらの結果は、以下の結論を明確に示している。すなわち、フォトリーディングを使う価値はどこにもないということだ。
── Preliminary Analysis of Photoreading

 
さて、あなたが受けたあの講座、あのセミナー。
 
その効果はプラシーボではありませんでしたか?
 
本当に、その直後の高揚感、達成感は「今」に十分生きているでしょうか?
ちゃんと成果を確認するようにしましょうね。

追伸

もう1つ、受ける側が考えるべきこと。
 
直後の高揚感が、本当の効果によるものだったとしても、「作られた空間で得た成果」と「ストレスのかかる現場での本当の成果」は別物です。
 
高揚感とその余韻と記憶が残るうちに、しっかりと実践に落とし込み、確かな成果につないでいきましょうね。

関連するエントリー

  1. だから読書が無駄になる!── 目指すゴールで変えるメモのコツ…

  2. 効果的な読書ノートって、どんなノート?

  3. 会話を盛り上げ、相手の本気を引き出すコミュニケーション技術と…

  4. オリジナリティで飛躍するために、まず!

  5. 速読で新しいジャンルを学び、使える記憶を手に入れるには?

  6. ドキュメンタリーやニュースはフィクションか、ノンフィクション…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Optionally add an image (JPEG only)