【速読の活用】読書の中で、いかにして「速さ」を使いこなすか

速読が使いこなせる状態になっていない初心者の方は、次のような疑問(壁)に必ずぶつかります。

  • スピードを上げると理解が崩壊して、まったく入ってこなくなる。
  • 同じスピードで読んでも、本によって理解度がまったく変わってしまう。

そもそも、速読の大前提として、次の2つのことを理解する必要があるんですね。

  • 1.スピードを使いこなすためには、速読モード入力レベルの繊細なチューニング技術が必要。
  • 2.スピードを一定レベル以上に上げると、必ず何か(深まり、味わいなど)が落ちていく。

「速さを活用する」ということは、それを大前提としながら、「速さ」のメリットを活かしていこうという読み方です。
フォーカス・リーディングでいう理解度Dレベルのスキミング(※)なんてのは、まさにその考え方を知っておかないと成立しない技術なんです。

※概要フォーカスのざっくりしたスピード重視のスキミング。1冊10-20分で読む。

ただ、その前提をクリアしていたとしても、使いこなすには超えなければならない壁があります。それが冒頭の2つの問題なのです。
 
 
というわけで、速さを使いこなす上で知っておくべきポイントをまとめてみました。
 
速読トレーニングは一通りこなして、速読らしきモノは手に入ったけど、まだ使いこなせていないという方、日常の読書を通じて速読の感覚を磨いていきたいという方は、ぜひご一読を。

前提1:同じ視野(の広さ)で読めると思わない!

入力レベルを下げることで視野を広げ、一度に処理できる情報量を増やすことができます。
しかし、この「視野の広さ」は視野角といった物理的なものではありません。視野に入っている情報量の問題です。
 
だから、「スピードを上げる」というのは、「入力レベルを下げて視野を広げる」ことが必要なのですが、同じ視野の広さ、同じリズムで処理できるとは限りません。
 
誰でも手軽に読めるように配慮されているビジネス書の単行本と、ドラッカーのハードカバーでは、言葉の密度も違います。(あと、翻訳の「わかりやすさ」という問題も。)
 
ですので、まず押さえておくべきはこういうことになります。
同じ視野で読もうとしてはダメ。
同じ入力レベル(入ってくる感覚、強さ)になるように、意識と視野をコントロールすべし。

前提2:同じ理解度で流せると思わない!

速読(というか「読書」)の大前提ですが、頭の中であれこれ思索やシミュレーションをしなくても理解できるということは、その本の内容についてのスキーマ、すなわち脳内データベースがそれなりに充実している必要があります。
もっと丁寧に解説するなら、その言語の文法がしっかりインストールされていること、社会的背景を深く理解していること、そのジャンルについての知識+実践体験があること、が必要ですね。
 
 
読み方をトップダウンに変えることで、「理解度30%」といったざっくりとした読書が可能になりますが、それを支えるのはスキーマ
 
これには2つのニュアンスがあります。
 
1つは、読み飛ばしたところを知識で補うということ。もう1つは、広い視野でスキャンするだけでイメージが立ち上がってくるような処理回路があるってこと。
 
スキーマが不足した本、ちょっとチャレンジングな本を読もうとすると、相当程度の情報を意識的に処理しなければなりません。そのためには、意識的にペースを落としてやる必要があります。ただし、鎮まりやゆるめた視野を壊さないように注意しなければなりません。
 
ここで、いつも通りに(スキーマが存在する本を読む時と同じレベルの処理で)読もうとすると、意味が全く入ってこなくなります。
 
理解度が30%でも筋が分かる本と、理解度30%ぐらいのつもりだと完全に理解が崩壊する本があるわけです。後者の場合、「ちょっと雑だけど分かる」程度がボーダーとなり、それを下回る理解が存在しないんですね。
そういう場合は、重ね読みパターンも【D】+【B】ではなく、【C】+【A】などに変えなければなりません。あるいは重ねる回数を3回以上に増やすか。

対策1:スロースタートで文字との距離感を探る。

では、どうしたら適切な入力レベルを設定し、スキミングDの読み方ができるかという話ですが…
 
まず、その本の著者が使っている言葉との距離感を計るために、ひとまずスロースタートで丁寧に読み始める必要があります。
 
視野は「広げる」のではなく「ちょっと緩める」ぐらいのつもりで読み始めてください。そして、最初は「読む」レベル~「分かる」レベルぐらいで処理していきましょう。そこから徐々に入力レベルを下げていき、読むリズムを上げていくようにします。
 
こうすることで、トップダウン処理の「トップ」=「理解の核」を作ることもできますので、後でスピードを上げやすくなります。

対策2:とことんクールに受け止め続ける。

「読める!」にせよ「ダメだこりゃ!」にせよ、そのたびに「いい」「悪い」の価値を判断して心を動かしていると、微妙なチューニングができなくなります。
 
大切なのはクールに鎮まり、とことんチューニングし続けること。その時に大事なことは「いつも通りの視野」を一生懸命に作ることではなく、その本に見合った視野を作り、適切な入力レベルを実現することです。
 
「どうしたらいいの?どうしたらいいの?」てな具合に不安と戦うのではなく、淡々と適切な視野、リズム(スピード)を作りましょう。もし、その過程で理解がおろそかになったら、戻って読み直せばいいことですね。

日常の読書の中でのトレーニングの進め方

速読トレーニングと並行して、日常の読書は「それはそれ」として続けましょう。無理に速く読む必要はありません。
 
ただ、せっかくトレーニングをしているのであれば、本を読み始める前に腹式呼吸をしたり、一点集中トレをしたりして、自分なりの「速読モード」、「鎮まり」を作るようにしてください。
「深く息を吐く」、「携帯待ち受け写真で一点集中&残像トレーニング」など、自分なりの儀式を持つことで、だんだん速読モードに入るスイッチが入りやすくなります!
そして、トレーニングでおこなったことで活かせそうな要素があったら、少しずつ意識してみましょう。
意識しすぎると、それが雑念になって理解度が落ちますのでご注意!
もし、あなたがある程度のトレーニングをこなした状態なら、集中的に多読してみてください。もちろん、学びのためではなく、経験値を積み、慣れるための多読です。
 
大事なことは、「体験」を積み上げること。「いやー、今回はできたな」とか「ダメだったな」というように、結果だけ見て価値判断をしても意味がありません。
 
取り組んでいる最中の体の感覚、理解の感覚などプロセスにフォーカスして、しっかり体験すること。それをクールに観察する目前心後の心が重要です。

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