「時間がなくて読書ができない!」は幻想? 速読不要のスキマ時間活用法

年始に立てた計画や目標も、仕事が本格化してくると、いつの間にか「なかったこと」のような扱いをされ始めます。
何かをやり遂げよう、目標を達成しようとする場合、あなたの持てる限られたリソースを、いかに最適配分していくかが重要な鍵を握ります。


目標達成のために活用すべき6つのリソース

この図に示すリソースのうち、私たちの行動に大きな成約を与えるのが「時間」です。実際、多くの人が速読をマスターしたい…と思うきっかけとして「本を読みたいけど時間がない」という事情を挙げています。
  
きっと多くの方が、先ほどのリソースの上半分を強化するために本を読みたいと思いながら、「時間」という制約のために本を手に取れずにいるという現実があるわけです。
 
では、速読を身につければ時間がない中で本が読めるのか?
 
──実際、大学生を対象とした研究では、フォーカス・リーディングをマスターした学生さんは、半年後の読書量が、平均で約3.5倍に増加しています。


3日間講座からおよそ半年経過しての読書量

これは3.5倍のスピードで読めるようになったから3.5倍読むようになったわけではありません。速読技術の修得が「時間活用の意識」を変えたに過ぎないのです。
 
えっ? いったいどういうこと?── というわけで、その秘密を見ていきましょう…

そも「時間がない」は本当か?

日々、忙しく過ごしていると、本を読む時間すらなくなったかのように錯覚します
── そう「錯覚」です。セネカの言葉こそ、それを的確に言い当てているといっていいでしょう。

われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。
人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。

── セネカ著『生の短さについて』

「時間がない(汗」の真実

セネカの言葉を受けて私たちが思い出すべきは、『7つの習慣』が教えてくれた金言でしょう。

重要事項を優先せよ

その重要性を理解しているにも関わらず、目の前の“緊急の顔をした些事”の陰で、読書など本当に大切な自己投資がおろそかになりがちです。これこそが「時間がない」という錯覚の1つのパターンに他なりません。つまり…

「時間がない」の真実①:時間がいつの間にか消えている

一日の終わりに、その日の自分の行動を振り返る「あれ?何をしていたっけ?」と思い出せない時間がけっこうあることに気がつきます。特にスマホ時代は、この危険がマックスです。
 
『モモ』に登場した灰色のおじさんたちは、あなたのスマホの中に潜み、「人とつながるのは投資です」「最新の情報取得で豊かなビジネスを」とばかりにあなたの時間を奪い続けています。
 
あなたの生活の中には「知らぬ間に消えゆく時間」=ラテ・タイム(ラテの泡のように、いつの間にか消えてしまう時間)が、驚くほど豊かに埋蔵されていることに気づくはずです。

iPhoneだとおせっかいにも「あなたが昨日、スクリーンを眺めていた時間は○時間○分もありましたぜ!」と教えてくれますよね…。時間がない!といっている人に限って、これが2時間を超えていたりするもので…汗

そうなんです。実は「時間がない」の正体はいつの間にか消えていくラテタイムであり、これは「ゾンビモードタイム」とでもいうべき「あまり意識されることなく、勝手に浪費される時間」なのです。

どうしたらゾンビモードタイムを撲滅できるか?

まずは、手帳を取り出して、ゾンビのように勝手に時間を奪い取っていくものをリストアップしてください。
Kindle, Twitter, Facebook, LINE, メール・・・つまりスマホ? PC?
そして、こう考えるのです「どうしたら、スマホに時間を奪われずに済むだろうか?」。

  • アプリの通知をOFFにする。
  • アプリをアンインストールする。
  • スマホを持ち歩かない。
  • スマホを確認するルールを決める。

手放すべき要素はいくらでもあるはずです。未来のために、今、我慢すべきことは。
それをさらに効果的にする方法があります。ゾンビを発動させない方法です。それは「もし、すきま時間が生まれたら○○をする」ということを決めるのです。これは「if-thenプランニング」と呼ばれる方法です。
 
すきま時間が生まれそうなタイミングというのは、恐らく想像できるはず。電車の待ち時間、乗っている時、移動時間、ランチの後・・・。
その時に「じゃ、本を読もう」という具合に、さっと本を取り出すわけです。

「時間がない」の真実②:時間を奪いに来るヤツがいる


ひょっとすると、スマホなんかよりも猛烈なパワーで時間を奪いに来るモンスターがいるかも知れません。飲み会、お茶会、、、そういった魅力的な緊急事態です。
これに対しては「それは私の人生で、読書をするより重要なことか?」と常に考える癖を付けておきたいものです。
 
可能なら「この人から誘われたら行く。それ以外はいかない」などと、あらかじめルールを作っておきましょう。
 
えっ? そこまでやるのは人として大丈夫かって?
そんなあなたには、再びセネカの言葉を贈りましょう。

自分の生活から多くのものを大衆に奪われた連中には、時間の足りなかったことは全く当然のことである。。
── セネカ著『生の短さについて』

つまり、「多忙な人」というのは、その実、「自分の生活から多くのものを大衆に奪われた」人だということかも知れません。

ゾンビやモンスターを確実に撃退するために…!

意識せずに奪われる時間をなくするために必要なことは何か? それは意識して「記録を付け、反省する」こと。
こまめに手帳に自分の行動の記録を10分・15分単位で記録していきましょう。ラテタイムを見つけたら「ここを攻略するために、何があったらいいだろう?」と考えるのです。
 
飲み会やランチ会であれば、その時間が本当に未来を豊かなものにするものだったのか確認し、そうでなければ「やらないことリスト」に登録していきましょう。
 
時間は目に見えないために浪費されやすいわけですが、時間を奪うものは可視化することが可能です。そして、この可視化することだけが、時間というリソースを保全する唯一の方法なのです。

 
では、ゾンビとモンスターの撃退法が分かって、スキマ時間の存在が見えてきたとして…。また新たな課題が見えてきます。

「時間がない」の真実③:スキマ時間が小さすぎて有効活用できない

スキマ時間の存在に気づいていても「仕方がないからスマホ」、「とりあえずスマホ」という思考になっていないでしょうか? スマホをいじって生活がリッチになった気がしているなら要注意!ちゃんと時間の投資・運用・収穫のプロセスを俯瞰して、「そのスマホは何につながり、どう収穫されるのか?」を確認せねば。
 
とはいえ、現実問題として「ちょっと2駅ほど電車に乗る」など、微妙に使いづらい時間(ここではマイクロスキマ時間と呼んでおきましょうか…)があるのも確か。その価値を最大限に引き出すための策を考えましょう。

マイクロスキマ時間対策1:短時間でできることをリストアップする

もしやるべきこととして「本格的なこと」しか持ち駒がなければ、そりゃスマホいじるしかなかなって気がしてしまいます。しかし、10分でもできることはいっぱいあるし、歩いていてもできることだっていっぱいあります。

  • スマホで音声・映像教材を視聴する。
  • スマホアプリで単語学習をする。
  • evernoteの整理をしながら、情報をメタ化する。
  • 前に読んだ本の復習(重ね読み)をする。
  • 前に描いたノートを想起&再確認する。
  • クレドを見直す。etc
マイクロスキマ時間対策1':短時間でできることを増やす

時間の相対的長さと、絶対的密度をアップするという考え方が必要です。
速読をマスターするのは、この点で有効策と考えていいでしょう。たった10分が学びのゴールデンタイムに早変わりします。集中力のスイッチを一瞬で入れるトレーニングをちゃんとやっておけば(フォーカス・リーディングは集中力コントロールの技術がベース!)、時間の絶対的深さ・密度のレベルを上げることが可能です。
 
音声教材や映像教材であれば、あらかじめ倍速加工しておくことで、単位時間あたりの学習量を倍増させることができます。ちなみに私は基本的にあらゆる音声教材を1.7倍速に加工しています。

※あえて2倍速にせず1.7倍にするのは、この0.3倍の差で聞き取りやすさが段違いにアップすることが分かっているからです。

マイクロスキマ時間対策2:スキマ時間を増やす

スキマ時間を掘りおこす技お金で買う技とがあります。

  • 電車の乗る駅を変える。(乗っている時間を増やす)
  • 徒歩・自転車をやめて公共交通機関にする。(本を読むか、音声教材を聞くかの問題)
  • 距離がある移動をタクシーに変える。(お金と時間の交換)
  • お金を出して、人にふれる仕事を任せる。(お金と時間の交換)
  • お金を出して、市販品を買う。(お金と時間の交換)

ここではあなたの6つのリソースのうち「時間」を増やすために「お金」を使うことを紹介しているワケですが、読書をするということは、「時間」を使って「知識・技能」や「仕組み」を構築しようという営みです。その知識・技能や仕組みが将来の時間とお金を増やしてくれる。── これこそが、自己投資の本質なのです。

マイクロスキマ時間対策・おまけ

スキマ時間に何かに取り組めたら、その都度「よし、やったぞ!」とニンマリしつつ、スケジュール帳(手帳)などに、やったこと、本来の進捗目標に対する達成度、手応えなどを書き留めておきましょう。
「やれた」ことに対する「よし、やれるじゃん!」という自信を明確に意識するのが目的です。
 
これは「即時強化の原則」と呼ばれる心理テクニックですが、自己効力感をアップし、モチベーションを高めてくれる効果的な方法です。
 
ちなみに、速読をマスターした学生さんは読書量が3.5倍に増えていますが、当然、読書時間も長くなっています。「時間がなくて読めない」と思っていたのは、単に「読書が面倒くさい」という気持ちの重さに負けていただけだったのです。
速読をマスターして「30分あれば読める」という体験をした結果、自己効力感がアップし、モチベーションが高まって、スキマ時間に本を出して読むようになったというのが真相なんですね!

「時間がない」を言わない工夫もしておこう!

いあつあなたは自分の計画に自信を持ったか。自分が決めたように運んだ日はいかに少なかったか。
── セネカ著『生の短さについて』

細かな時間を上手に使う方法を中心に語りましたが、実はその前にすごく重要なことがあります。

読書(自己投資)の時間を天引きしておけ!

「空き時間ができたら読もう」ではなく、最初から「この時間は読書に充てる」と決めるのです。
「未来」のための時間を天引きして確保しない限り、「未来」への投資の時間は常に「今」の多忙の前に無防備に浸食され続ける運命にあります。

 
スケジュール帳にスキマ時間を記録していく時、翌日、どこでどう読書の時間を確保するかあらかじめ設定しておき、天引きしておく必要があります。天引きということは、その時刻になったら、きっちり他の作業をやめて読書に取りかかれるような仕組みを作るということです。
くれぐれも、「気合い・気持ちの問題」で片付けてしまわないようにご注意を。

【番外編】なくした心を取り戻す!

それでも結局、〆切に終われ、ざわざわした心のまま過ごしていると、常に何かに追われているような感覚に陥り、人生の優先順位が見えなくなりがちです。そこで求められるのは、

心を整える

ということ。
 
「忙しい」という文字は「心を亡くす」と書きますが、『7つの習慣』でコヴィー博士が語っているように

精神的な再新再生を図るには、時間を投資する必要がある。それは第二領域の中でも極めて重要な活動のひとつであるため、無視している余裕はない。

※第二領域=重要かつ非緊急領域

のです。
 
実際、毎晩、一日が終わるタイミングで心を落ち着けつつ、自分の目標、与えられた役割などと共に一日を振り返ることで、焦りが消え、本当に自分が何をすべきかが見えてきます。ぜひ、次のことを言葉にして常に思い出せるようにしておきましょう。

  • 一生の中で大切にしたい価値は何か?
  • 生涯で達成したいことは何か?
  • そのために身につけておくべき知性やスキルは何か?
  • 今年やり遂げようと思うことは何か?
  • そこに向かう通過点として、今月やり遂げておくべきことは何か?
  • では、今週、今日、やるべきことは何か?
  •  

これが視野に入っていれば、あとは、日常の中で「この時間は未来に積み上がる時間だろうか?」と問うだけですみます。
そして、がぜん一日を充実させることへのモチベーションが上がります!
 
また、1日の始まりにこの作業ができると、スキマ時間に何をしよう?というプランも自然と見えてきます。そうしたら、ちょっとした時間に、スムーズに学びモードに入れるはずです。

結論:「時間がない!」は幻想である!

結局、「時間がない!」っていうのは、単なる幻想なんですよね。まさにセネカの言葉通りってことでしょうか。(^^*
 
ぜひ、自分の時間の使い方を意識して、どんなに忙しくても未来の自分への責任を果たし続けられる自分であり続けましょう!


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