こんばんは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
最近、いくつかイヤーな話が耳に入ってきておりましてね…
怒り心頭に発しておりますよ。えぇ。
その一方で、そういうイヤーな話の対極にある深イイ話もございまして…
人の振り見て我が振り直せ的に、襟を正す今日この頃です。
私が教育者、あるいは何らかの指導者として
お仕事を始めて25年が経過しています。
四半世紀経ってなお、人を育てるって難しいなぁと
しみじみ思います。
教育あるいは人を育てるということについて、
ミルトン・メイヤロフは「ケアする caring」という言葉で
次のように表現をしています。
「他の人をケアすることは、
最も深い意味では、その人が成長し、
自己を実現するのを助けることである。」
これって、ビジネスライクにはできないことだし、
とことんまで相手を想って、関わる覚悟が必要なんです。
同じく「ケアする」って言葉で教育について言及している、
元数学教師、ネル・ノディングスは
数学が苦手な生徒への指導を例に、こんなことを語っています。
わたしは、数学の苦手な生徒に出会って、かれと少し話をしようと決める。
かれは、私に数学が大嫌いだという。あら、と私は思う。
これは問題ね。わたしは、この不得手な少年に、数学をすきになるよう、
手助けしてやらなくては、そうすれば、もっと上手になるでしょう。
(中略)
こうして、その生徒は、わたしにとって、研究と操作の対象となる。
── ネル・ノディングズ著「ケアリング」第一章 P.24より
これはもちろん「ケアに似て非なるもの」の話。
このニュアンス分かりますかね?
人に何かを教えるとか、指導するというのは、
その人の悩みや思いに共感し、そこを起点にして、
その人の育ちたい、課題を解決したいと思う気持ちに
寄り添って、ともに歩んでいくことなんです。
これがひっくりかえると、
「生徒のための教師」ではなく、
「教師のための生徒」という関係が生まれてしまうわけです。
ノディングスの数学の指導の例のように。
そんなダメッぷりを露呈するかのような発言をする先生を
たくさん見て来ました。
その原因は「ケアする」という覚悟の欠如にあります。
んで・・・冒頭の怒り心頭に発している状況の1つというのが、
「おたくの塾で、パソコンを設置するだけで速読指導ができるシステムを導入しませんか?」
っていう、よくわからない速読学習システムを売っている業者が
すごくがんばっているらしいってことなんです。
売る方がどういうつもりで売っているかは分かりません。
問題はそういうシステムを採用する塾があるってこと。
自分が速読をマスターしておらず、
そもそも「読書・読解の指導方法」も理解していないのに、
なんでそれを採用しようと思えるんでしょう?
これは、ビジネス系の講座をやっている人にも
大いに言えることだと思うんですよ。
自分自身、それで本当にうまくいっていないのに、
本とか他人のセミナーとかで仕入れたネタだけを売る
マーケティング講座とか、○○講座みたいなことをやって、
相手の成長に責任が持てるんですかね?
「できない人は自己責任」と言うなら、
指導者として120%の本気を見せてから言って欲しいものです。
「教えたでしょ?」は指導者として最低ライン以下だってこと、
認識して欲しいと思うんですよ。
まぁ、中には本気を出しすぎて、
ビジネスとして大丈夫か?って感じの人もおりまして…
(これが、その「対極にある深イイ話」)
年末恒例「感動の渦を巻き起こす、1年の総決算イベント」が
今年も、くそ忙しい年の瀬に、しかも金曜日の夜に開催されます。
こんなすんげー会場を借りて。
HPを見ても、その本気度合いが伝わってくるのですが、
とにかく、お客様のマインドを上げて、「来年はもっとがんばろう!」と
思わせるために全力投球なんです。
ちなみに、一昨年から、
私も審査員としてボランティアで参加してます。
なんでボランティアか?
やってる本人が超本気で、受講生に関わろうという姿勢の方だから。
応援したいと思うわけですよ。
ボランティアな上に、第三部として開催される忘年会のビンゴ大会には、
景品も出してますよ。
去年はこんなの↓ 50インチ4Kテレビ。
(ちなみに、寺田家には27インチのぼっろいテレビしかありません…)
今年は「去年の上を行く!」ということで、55インチ!(笑)
もう、狂気の沙汰です。(苦笑)
でもね、本気じゃないと相手は変わりません。
経営者として突き抜けるぞ!っていうイベントの
〆のビンゴ大会の景品が、安っぽいものでは
本気度が伝わらないでしょ?
審査員として偉そうに説教(説教です。はい。)する以上、
ちゃんと「おぉっ!」と思わせるものを用意する。
それが、ボランティアとはいえ、
審査員として参加する私の本気。
参加する経営者さんたちに、伝わっているかしら?
本気の上に、さらに相手に行動を起こさせる仕組みを用意する。
行動のために必要なのは
「環境」と
「モチベーション」と
「動くきっかけ」です。
この3つが掛け合わさった時、人は行動を起こすんです。
人の指導に関わる以上、その3つをどう用意するか、
本気で考えたいものですね。
だからこそ、なんです。
「パソコン置いてたら、それだけで客単価がアップして、
看板に「速読」を歌えますよ。(速読が身につくかは別として)」
みたいな営業をやっている(かどうか知りませんが)会社にも、
それに乗っかって儲かろうという教育者の仮面をかぶった人たちにも
怒り心頭なんです。
自分も速読をマスターしていて、そのシステムが、その経験から
本当に価値があると思うなら、それはそれでよし。当然ね。
問題は、「そこに、ケアの覚悟はあるのかい?」ってこと。
今日は、ちょっと愚痴ってみました!
読んでくださってありがとうございました!
そして、全国の中小零細企業経営者のみなさん、
「経営者、コンサルタントの本気」に触れてみようと思ったら、
ぜひ大阪まで足を伸ばしてみてください。(^^)
笑えるぐらいの本気がビシビシ響いて、伝わってきますよ!