速読は「科学」たり得るか?(速読に関する学術的研究に向けて)

こんにちは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
 
2017年も年の瀬ですが、私の大学院(修士)生活は、いよいよ佳境に入ってきました。
 
今年の4月に、九州大学・人間環境学府(教育システム専攻)の修士課程に入学しまして、「読書教育」の研究に取り組んでいます。
 
研究に取り組んでいるというと、なんともかっちょいい話に聞こえますが、これまでのところは、先行研究をひたすら調査する日々です。
 
日本では読書教育そのものがほとんどおこなわれていないか、おこなわれていたとしても「読書推進」というレベルに留まっていることが多く、全体として「理論」も「方法論」もロジカルに語られる状態ではありません。
 
読書そのものがそうですから、速読なんてものは、ほぼ無視されています。極々一部の研究者(心理学系)が速読について研究をしていますが、それらも現実的な教育に適用できるようなものでも、再現性のあるものでもありません。
 
速読教室は必死になって「科学的」なふりをしますが、それらはすべて科学者の研究で否定されており、現段階での「速読」の評価は「実現不可能」という結論に落ち着いています。
 
実際、もし本当に速読がそんなに簡単に習得できて、天才的な読書が実現できるのであれば、世の中、激変してるはずなんですがね。(^_^;
そうはなっていないわけでして。
 
 
これから私が研究しようとしていることも、「速読の原理」ではなく(これも2019年には研究したいと考えていますが)、読書戦略(学術的には「読書方略」と呼びます)を使いこなし、読書の価値を高めることで、大学生や社会人の学びがもっと身近で、効果的なものになるのではないかというレベルです。
 
研究の柱となるテーマは、

大学生に対する、速読スキルを含む読解方略指導がもたらす読書習慣の変化について

というものであり、そこで明らかにしたい問いは、

大学生に、速読スキルを含む読解方略指導をおこなうことで、大学(高等教育)での学習に、もっと意欲的かつ効果的に取り組めるようになるのではないか?

というものです。
 
あくまで「精読・熟読」に対置する概念としての「速読」であって、速読教室が声高に主張し、科学者がやっきになって否定している「一字一句を丁寧に読みながら、超高速に処理し、記憶にも残せるスキル」などという夢と妄想にあふれたものではありません。
 
私が目指すのは「速読に市民権を!」なんていうものではなく、「速読をもっと現実的なスキルに!」ということなのです。
 
 
ということで、現在、世界で認められている各種論文をひもときながら、読書読解方略、速読方略をベースに、大学教育で誰でも活用できるレベルの速読スキル・読書戦略を組み立て直しているところです。(^^)
 
この研究を通じて、ほんの僅かでも日本の読書教育、大学(高等)教育のレベルが上がることを期待しつつ。

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