朝活ブームが起きて、早10年になりますが、まだまだ朝時間を活用しようっていう人は多いようですね。(^^)
朝の時間を有効に活用することで、1日の時間の密度が非常に高くなる──それは私も実感しています。
私は可能な限り毎朝、瞑想の時間を15分とり、その後半は瞑想状態を維持しつつ(開眼状態ですが)1日のタスクと段取りを確認しています。
この15分がとれない日は、無駄が起こりやすくなる…それも実感しています。
な・の・で・す・が!
それと「朝、早起きして勉強しよう!」というのは別問題!

なんか、朝って気持ちいいんですが、なんだか集中力が乗らないんですよね…

朝とか早起きが気持ちいいのと、勉強に効果が上がるのは別問題ですからね。
「基本的に早朝は知的な活動に向いていない」と考えるのが正解ですよ。
特に若い人は!
朝、早く起きられないとか、起きてもぼーっとしてしまって頭が働かないとか…
それは意志が弱いとか怠惰ってことではなく、生物学的にしゃーないことなんです。
これについて、Oxford大学のKelley博士は次のように解説しています。
(in “Synchronizing education to adolescent biology:’let teens sleep, start school later’“)
During adolescence biological changes dictate both a sleep duration of nine hours and later wake and sleep times, a phenomenon found in the mammals.
▼寺田のてきとー訳
青年期における生物的な変化は、他の哺乳類にも見られる現象でもあるが、「9時間の睡眠」と「夜更かし・朝寝坊」を要求するものだ。
その論文に書かれている実験の結果を見ると、朝の時間帯(8時くらい)だと注意力も落ちるし、記憶テストの成績も悪かったそう。
どうやら10時から活動を開始して、14時とか16時、20時とかに勉強するのがよさそう、というのが今のところの結論のようです。(様々な国で実験をした結果、夕方から夜8時くらいの学習が成績高めだそうです。)
…in late adolescence general attentional scores for all chronotypes were significantly low at 08:00 and twice as high at 12:00, 16:00 and 20:00. Similarly, adolescents perform better in tests later in the day.
そして、高校生(16歳)の生物的な目覚めの時間というのは、だいたい8時くらいらしく、それを考えるなら学校のスタート時刻は10時くらいがちょうどいいのだそうですよ。
At the age of 16 biological wake time is about 08:00, and synchronized school start times 10:00-10:30.
じゃ、実際問題、朝活って何をしたらいいの?ということになるわけですが、朝4時起き提唱者で朝活ブームの火付け役、池田千恵さんも「1日を充実させる」ことを大事にしているように見えます。
じゃ、その後に何かを学ぶ人であれば、朝の時間を上手に使うことで脳みそが元気になるようなことをしたらいいと思いませんか?
そのために効果的なのは・・・
なんと・・・・!
ジョギング!
アメリカ北東部にあるネーパーヴィル・セントラル高校で、「ゼロ時限体育」というものが採用されたんだそうです。
生徒たちは、朝1時限目の授業の前に、ひたすらジョギングします。しかも心拍数185以上(最大心拍数の80-90%くらい)にキープして。
ちなみにこの体育の参加者は「読解力が標準以下だったためにリテラシーの授業が必修となった新入生」の中から志願してきた生徒さんたちだったそうです。
そして、その結果リテラシーのテストで17%も成績が上がったんだそうです!
(朝はゆっくり眠りたいと思って体育を履修していない生徒さんたちもリテラシーの授業を受けていますが、彼らは10%程度しか伸びていないのに!)
それだけじゃなく、ネーパーヴィルの生徒たちは国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の理科のテストで世界1になっているのです(アメリカの高校生の平均は世界18位)。
もう1つ、面白い結果がでており、この体育を朝おこなったグループと、夕方の授業でおこなったグループを比較すると、朝おこなったグループの方が成績が伸びているんだそうです。
以上の出典はこちら!
これで何を言いたいのかは分かりますよね?
そう。朝は勉強せずに、身体を目覚めさせる運動をしよう!
ということなのです。(^^)
・・・ということを踏まえつつ、こちらの動画で具体的な「朝を活かして、1日を実り多いものにする」戦略を学んでみてください!
寺田先生
お世話になっております。
本日の記事、拝読いたしました。
この記事は本当に納得できます。
…以前働いていた某会社は7:00就業開始だったのですが、
うつ病患者続出で悲惨な職場になっていました(笑、笑えないけど)。
…まあそれだけが原因だったんではないでしょうけど、心療内科の医師から「お宅の会社、(メンタル病んでる人)多いんだよね~。復帰支援施設の利用者はお宅の会社の社員ばっかりだし(笑)、なんでだろうね。」と言われました。
それは置いといて、私の体験でも7:00~8:00に起床し9:00開始、14:00頃に集中力のピークを持ってくるのが一番仕事がやりやすいリズムでした。
運動は明日からできますので早速やります。
正しい科学的知見に基づく時間管理法が広まることを望みます。
生物学的な活動時間と、伝統的に(非科学的に)決まっている活動時間のズレというのは、何とも頭の痛い問題ですよね。(^_^;
責任と権限のある人が、柔軟で賢くならないといけません。これにサマータイムとか出来てしまった日には、いったいどうなることやら…!
他国では学校教育の始業時間を遅らせる試みが始まっているようなので、その流れが日本にも届くことを祈りましょう!