「何冊読んだ?」と聞きたがる人は「投資としての読書」シロウト

私が速読の指導をしているからということでしょうが、よくされる質問があります。
 
「寺田さんは、年間何冊くらい読むんですか?」
 
興味がここに向くというのは、読書で仕事を変えるとか、自己成長を手に入れるという体験をしたことがない証拠です。
 
投資としての読書を自身で実践している人は「何冊読むか」という数字に意味がないことを知っており、基本的に「何冊」ということに興味を持っていません。

「投資としての読書」には2種類あるよ…というお話

まず、読書には大きく分けて2種類あります。
 
1つは「楽しみとしての読書」。
「今」の時間を楽しく過ごすこと、「作品それ自体」を楽しむことを目的とする読書です。
 
もう1つは「投資としての読書」。
「未来」の時間を充実させるために、「今」の時間を投資する読書。
作品それ自体ではなく、それによって手に入る生活・仕事、そして自分自身の成長や成果に満足することが目的です。
 
さらに、後者「投資としての読書」も、読み手のスタンスによって、さらに2つに分類することができるのです。

【A】お役所仕事的読書

「読んだ」という自己満足と、読後に感じられる充足感で完結してしまっている読書。
学生時代までにおこなってきた、楽しみとしての読書と同じスタイルでビジネス書を読んでしまうタイプです。
心の高揚とか自尊心の満足とか、そういう「気分(feelin’good)」以上のものは手に入りません。

【B】起業家的読書

何を読んだか、どれだけ読んだかではなく、「どれだけの豊かさを創り出せたか」で評価するのが特徴です。
読み方も、読む量も、いろんな意味でラディカルそのもの。
ちまたにごろごろあふれる「成功者の読書術」的な書籍に、その例を見ることができます。

お役所的スタンスがよくわかるエピソードを1つ

ちょっと話がそれ気味になるのですが、「お役所的」な話として、
教師時代に先輩教師から言われたアドバイスをご紹介します。

「問題のある生徒を指導するときには、
いつ、どんな指導をしたのか逐一記録しておきなさい。
親ともめ事になったり、最悪、裁判を起こされたりしたとき、
指導の記録があれば、きちんと指導をしていたという証拠になる。」

まさにお役所マインドあふれる助言です。
こんなアドバイスが企業で語られることは絶対にありません。
「製造物責任」って何? という話ですし、そんな企業の商品は誰も欲しがりません。
 
あなたが公務員であろうがなかろうが、
成果にフォーカスせず、「とりあえず、形どおりやる」ことを大事にしているとしたら、
あなたも立派な「お役所マインド」の持ち主なのです。

本当の意味での「投資」は「起業家的スタンス」からしか生まれない

投資家は決して投資した金額を誇りません。
どれだけ投資して、どれだけ利益を上げたかというROI(Return of Investment、投資収益率)こそが投資家としての有能性を示すことになります。
 
読書も同じ。
読んだ本の冊数に興味がいくのは、とってもお役所的です。
投資というのは、確実にリターンを手に入れるためにおこなうものという起業家的スタンスがなければ、
投資としての読書は成り立たないのです。
 
さて、あなたは、
読んだ本、(あるいは、書籍群)から、どんな成果を手に入れましたか?
それによって自分あるいは仕事がどう変わりましたか?
 
投資としての読書は、目に見える数値、行動の変化というリターンを手に入れていなければ、読んでいないのと何ら変わりありません。
 
本に書かれていることをやってみたらうまくいった…という体験を超えて、
それを自分のスキルや知識にしてしまえていますか?

 
コロンブスの卵のエピソードを学んで、あなたも卵を立てられるようになったとしても、
それは「コロンブスがすごい」という事例が増えたに過ぎないということを、肝に銘じておかなければなりません!

さらに、
手に入れた変化が一次的なもので終わらず、継続的な成果、基本的な文化として定着していますか?

これについては、マズローの言葉を贈りましょう。

「私がもし、ベルの音で唾液を分泌し、
 その後これが消失するなら、
 私にとって何も起こってはいない。」

 ── A.H.マズロー著『人間性の最高価値』(第12章)より

投資としての読書を目指すのであれば、
本当に成果を上げ、成長を続ける起業家のような読書家でありたいものです。

読書をリフレームして、成長をリデザインしよう!

まずは「本を読む」という概念を作り替えましょう。読書のリフレームです。
 
どれだけ読むかという数値目標を捨て、次のような問いを自分に投げかけてみてください。

  • どんな具体的な成果を手に入れたくて本を読むのか?
     ⇒具体的で測定可能な数値・行動目標、その達成期限を設定しましょう。
  • その目的のために、どんなジャンルの本をどれだけ、どういうふうに読むのか?
     ⇒1つの目的のために1冊の本を読むというのは、かなり危うい投資です!
  • 読んだ後、それを活かすためにどういう処理、出力作業をおこなうのか?
     ⇒受験勉強ですらテキストを1度読んで終わりにする人はいません。
  • 設定した目標を達成できたか、どういう形で評価するのか?
     ⇒達成できていない場合のフォローの仕組みも必要ですね!

これらの問いを、本を読むたびに自分に投げかけてみてください。
 
あなたの読書は、どんどん変わっきますよ。
ノビシロもどんどん広がっていきますし!
  
ぜひ、投資としての読書をリフレームして、成長をリデザインしましょう!

関連するエントリー

  1. 地味に読み継がれる名著『ケアの本質』は、プロを目指す人、必読…

  2. 酒を飲んで「1年」を忘れてる場合じゃありません!

  3. 自己投資としての読書⇒どんな本を、どれだけ読むべきか?

  4. 2017年に読んだ本の中で、あなたにぜひ読んで欲しい6冊+α…

  5. オリジナリティで飛躍するために、まず!

  6. 名著『君たちはどう生きるか』を、どう読み解くか?

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

Optionally add an image (JPEG only)