ガツンと集中し、ハイパフォーマンスな力を発揮するには?

以前、子どもの集中力を高めるための環境(条件)整備について語ってみました。

基本的に大人も子どもも同じことですので、この記事の内容は、大人の方にもぜひ実践してもらいたい内容です。
 
が!
 
環境をいくら整えても、正しい集中の仕方を知らなければ効果は半減します。
 
そこで今回は、ガツンと高い集中力でもって、ハイパフォーマンスな仕事っぷりを発揮できる身体を作る方法を解説してみようと思います。

ちなみに、フォーカス・リーディングの講座では「スムーズ追跡トレーニング」という、行を1行ずつ高速に追っていくトレーニングをおこないます。
これは「目を高速に動かす」トレーニングと勘違いされやすいのですが、実はここで解説をする「静けさの中の鋭さ」とでもいうべき集中力を磨き上げることが主眼なのです。

ここで目指す「理想の集中状態」とは?

ここで目指す「理想の集中状態」とは、弛緩集中と呼ばれるもの。
 
心も体も穏やかな状態で力みがなく、なおかつ高く鋭い集中力を発揮している状態です。

喩えて言うなら、管弦楽団の奏者が指揮者の最初の一振りを振り下ろす瞬間を待っている、静かな集中状態。あるいは、野球の打者がピッチャーの投球を待っている状態、と表現できるでしょうか。

もう少し、この弛緩集中状態を分解して解説すると、こんな感じになります。

  • 心はどこまでも穏やかで静かな状態。
  • 上半身は適度にリラックス。
    ただし、脱力し、ゆるんだ状態ではなく、全身に神経が行き届いた状態。
    重心は丹田(おへその下あたり)に安定している状態。
    上虚下実
  • フォーカスした対象への鋭い集中力を発揮しつつ、自分自身も含めた広い範囲を俯瞰する広い視野も備わった状態。(この状態を、目前心後と呼んでいます。)

実はフォーカス・リーディング講座では、この理想の集中状態を作り、安定させるために、先に紹介した「スムーズ追跡トレーニング」に大半の時間とエネルギーを使います。
 
他のスポーツ同様、高く、鋭い、そして静けさを伴った集中力なくしては高速・大量の情報を受け止めることができず、また力んでストレスを背負っている状態では、その情報に対して反応あるいは処理ができません。
 
フォーカス・リーディングが「体育会系」と呼ばれ、「スポーツと同じような技術」と説明するのはそのため。

どうやって弛緩集中状態を作るのか?

「弛緩+集中」の状態ですから、論理矛盾と感じる人もいるかも知れません。
実際、この弛緩と集中の共存状態を作るのは簡単ではありません。
 
慣れないうちは単に力んでしまったり、逆に緩めすぎて散漫になったりするものです。
 
実践の中で「気合いの入れすぎ」と「抜きすぎ(緩めすぎ)」の間を、振り子のように行ったり来たりするなかでベストミックスを作っていかなければなりません。
 
以下、かなりザックリとではありますが、弛緩集中状態に至るステップを、私の愛読書(マンガ)『Dragonball』を引用しつつ解説してみます。

第1段階:徹底的に鎮まりを体験する。

まずは、理想とする心身共に鎮まった状態を体験しておきます。
 
仕事や学習の際には、座り方(下の図参照)、姿勢、呼吸から整えるようにしてみましょう。

 
自宅の書斎であれば、椅子をバランスチェアに変えると、この姿勢が簡単に実現でき、それだけで集中力が上がります。
 
※フォーカス・リーディング上級講座を受講した人の2人に1人は、この椅子(バランスチェア)を購入しますよ。(^^*
バランスチェア
 
呼吸は特に指定があるわけではありませんが、フォーカス・リーディングでは、「吐く空気をとことん細く、長くコントロールし、その空気の流れを鼻の奥で感じ続ける」ことを強調しています。(「とことん長く」と言っても、せいぜい10~12秒ですが。)
 
また、息を吐きながら、重心が丹田(おへその下あたり)に移動していくイメージを作ると鎮まりを感じやすくなります。

フォーカス・リーディングのレッスンでは、この状態を「基本3種トレーニング」の中で体感していただけるようにしています。
顔、目の力みを完全に排除した状態で、心静かに集中します。

ただし、これは受動的な状態あるいは静的な状態での鎮まりです。能動的に何かを取り組む状態に向かうと、すぐに壊れてしまう不安定さが残ります。
 
そこで、次のステップに移る必要があるのです。

第2段階:思いっきり気合いを入れる。

いったん静かな状態を作った上で、そこから気合いを入れていきます。
 
能動的な意識、姿勢での集中状態、鎮まった集中状態作りです。
 
ただし、むやみやたらに気合いを入れても、慣れないうちは無駄に力んでしまいます。
 
御飯が「精神と時の部屋」で修行を開始した当初がそうだったように。↓

 
そこには「正しいイメージ」が必要になります。
 
多くの人は仕事や学習にどういう気合いの入れ方をしたらいいかご存知でしょう。
凛と静かに集中している状態をイメージしつつ気合いを入れていきましょう。
 
人生の中で気合いを入れた経験が乏しい場合、どう気合いを入れていいのか分からないかも知れません。その場合は、過去の経験で「最高に集中していたはずの瞬間」、「無我夢中で何かをしていた時間」を思い浮かべてみてください。

 
単に気合いだけ入れても、成果にまったくつながらず、無駄にエネルギーをロスすることもありえます。自分の中のどういうスイッチ、ツマミをいじったら、仕事や学習のパフォーマンスが上がるのか、しっかり確認する必要がありますね。(^^*
 
ひたすら試行錯誤!あれこれやってみる中でヒントが見えてきます。(^^*↓

一番よろしくないのが、ちょっとやって「ダメだ」と価値判断してしまうこと。
出来ていないように感じられても、自分の内面の微妙な変化にフォーカスすると、必ず内なる変化が起こっているものです。
それを上手にとらえていかなければ!
 
そのためには、世阿弥が語った「目前心後」(クールな自己観察・俯瞰)なんです。

第3段階:気合いを維持しつつ、少しずつ力みを取り除いていく。

気合いを入れて、パフォーマンスが上がる状態が確認できたら、そこから気合いだけを残しつつ、力みを取り除いていきます。
 
ここに来てようやく「弛緩」を混ぜていき、弛緩集中状態を目指すわけです。
  
がんばって気合いを入れている状態というのは、身体の固さ、脳のストレスフルな状態を生んでしまって、本当の「最高の状態」にはなっていないのです。

↑さすが悟空!神さまのところで修行しただけあって、弛緩集中の極意を知っています!

気合いを入れつつ、力みにつながらないようにするには、(1)息を大きく吐きながら、気合いを入れる。(2)気合いを入れた状態で、肩、背中、目…と順々に、パーツの力を意識的に抜いていく。といった方法があります。

 
慣れないうちは、力みだけを抜くことが難しく、緩めたら緩めすぎ…、気合いを入れたら力みすぎ…を行ったり来たりすることになります。
 
特に、普段だらーっとした生活をしている人、ゆるーく仕事をしている人は、極端に振れがち。
 
何度もトライしていくなかで生まれる、自分の内側の些細な「いい反応・手応え」を静かに感じていきましょう。あれこれ考えるのではなく、自分の内面の変化を感じ続けることで、丁度良いベストミックスな状態が見えてくるものです。

第4段階:最適な状態をいつも作っておき、自然な状態に持ち込む。

最適な状態を身体で覚えられたら、いつでも、望むところで弛緩集中のスイッチ(※)をONにできるようにしていきます。

※これをフォーカス・リーディングでは「速読モードのスイッチ」と呼んでいます。
速読モード=鎮まり×脳のステートチェンジです。
ちなみに、「鎮まり=目前心後+上虚下実+丹田呼吸

さらに欲を言えば、この弛緩集中状態を日常にしてしまうというのが理想です。
 
どんな些細なことをする場合でも、最高の集中状態で対処するのです。そのことによって、凡ミスが激減しますし、何より「さらに本気モード」で気合いを入れなければならない時に疲れが減ります。
 
悟空は、この点についてもちゃんと理解していて、ナイスな作戦を立てていますね!↓

些細な日常でスイッチを切りっぱなしにしている人は、本当に集中しなければならない時に、繊細さを失い、粗雑な力任せの作業をしてしまいがちです。

教師時代に顧問をしていた部活に、普段だら~っと過ごしているのに、試合になるとハイテンションで気合いを入れまくる生徒がいました。
そういう生徒って、すぐに疲れるんですよね。そして、繊細なプレーができないんです。(^^;
だから、トーナメントで勝ち上がるに従ってプレーが雑になるし、そもそも神経戦みたいな展開になるとファウルが頻発します。(何の競技かは敢えて隠しますが…。)

ということで、今回はハイパフォーマーを目指すための最適な集中状態の作り方を解説してみました。
 
スポーツに、仕事に、もちろん速読トレーニングに、ぜひ活かしてくださいね。v(^^*

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