こんにちは。読書と学習のナビゲーター、寺田です。
あなたは本を読む時、意識しておこなっている工夫はありますか?
日本の教育では、あまり指導されることがありませんが、
世界的には「読解方略(Reading Strategies)」といって、
小学校時代から「情報の処理の仕方」を学ぶんですね。
日本では、それほど研究例も多くありませんが、
例えば教育心理学の犬塚先生という方が、
3つのカテゴリー、7つの読解方略を提唱しています。
こういう「意識しておくと読書の価値が上がる」ことを、
どれだけ理解し、日常の読書の中で、
意識的に活用できるかが、読書を合理的で
効果的なものにしてくれます。
ちょっと覗いてみましょう!
文章読解のための方略、3つのカテゴリ×7つの方略
※以下、犬塚美輪『説明文における読解方略の構造』より
部分理解方略
意味明確化
- 大切なところはどこか考える
- 難しい文を自分の言葉でかみ砕く
- 難しい言葉を自分の言葉で言い直す
など
コントロール
- 難しさに応じて読むスピードを調節する
- 一度読んで分からない部分は読み直す
- 時々立ち止まって、そこまでの内容を振り返る
など
内容学習方略
要点把握
- コメントやまとめを書き込む
- 段落ごとの要約を書く
- 大切なところに線を引く
など
記憶
- 難しい言葉は考えずに丸暗記する
- 憶えるために繰り返し読む
- 大切な言葉を覚えようとする
など
モニタリング
- 自分の理解を確かめるような質問を設定する
- 知らない時や言葉を探して読む
- 読みながら内容が正しいかも考える
など
理解深化方略
構造注目
- 接続詞に注目する
- 文章の組み立て(構造)を考える
- 段落ごとの要約を考える
など
既有知識活用
- 既に知っていることと結びつけながら読む
- 具体的な例を挙げながら読む
- 新しい言葉を覚えるために、具体的な状況を思い浮かべる
など
※具体的な方略項目は、寺田がやや簡略化して紹介しています。
読書の時はどうだろう?
読書の際は、この犬塚氏が作ったものよりも、
もっと項目が増える(カテゴリが増える)と
考えられます。
それは、10万文字におよぶ内容は、全体構造と
詳細な理解のバランスを取ることが非常に難しいからです。
「読む気がしない」とか「時間がない」という問題を
克服することも重要ですし。
そういうわけで、フォーカス・リーディングでは、
次のような5つのカテゴリで読書・読解方略を
受講者のみなさんに提案しています。
この内容に、上記、犬塚氏のものを加味して考えると、
さらに完成度が上がりそうです。(^^)
読書One Rank Up戦略のためのチェック表
■【鎮まり・集中力アップ戦略】
一瞬で集中状態を作り、15分の価値を上げる!
- □どんな状況でも、集中して本を読めている。
- □集中できる「ゴールデンスポット」を持っている。
- □疲れずに、1冊を集中して一気に読み終えられている。
■【読書デザイン戦略】
ゴールが明確だと読むものも読み方も変わります!
- □プロたるにふさわしい質・量の読書を積み上げられている。(ノウハウ書・自己啓発書を除き2000冊目標)
- □目指すゴールにふさわしいジャンル、入出力のバランスを考えている。
- □これから半年、1年、3年の読書の具体的プランがある。
■【TPOに基づく読書コントロール戦略】
読書の価値は読み方で決まります!
- □読む前にTPOを明確にし、目的と状況に応じて、読み方をコントロールしている。
- □今の自分のレベルに応じて積極的に速読技術を使いこなし、重厚な本でも躊躇せず読んでいる。
- □情報収集、知識摂取のための読書は1冊30〜60分で十分に処理を終えられている。
■【システム化された出力志向戦略】
「読んだ」「分かった」を「できた」につなぐ!
- □読んで学んだことを、行動や思考に活かすための仕組みを持っている。
- □読んだら時間を空けずにノート、Evernote、To doリストなどに落とし込んでいる。
- □この3年で読んだ本が、今の仕事や生活にどう生きているか明確に説明できる。
■【記憶強化戦略】
「読んだけど残ってない」を越えることが最初の一歩かも!
- □読んだ本の内容を整理して人に伝えられる。
- □ペンや付箋、メモや図解、ノートを活かして記憶の補助にしている。
- □細部の理解と、全体の構造の理解の両面を意識し、フォーカスを変えて数回以上、読み重ねている。
犬塚氏のものと比べると「雑」ですし、
あくまで自分の読書の振り返りをおこなうための
チェックリストに過ぎません。
しかし、これをベースにリストを精選することで、
「文書(文章)」の読解を超えた「書籍」お読解戦略が
できるのではないかと思っています。
上記15項目、あなたはいくつ当てはまりますか?
ぜひ、試してみてください!