こんにちは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
「ジェネリック医薬品」なる名称を聞くようになって、
かなりの年月が経ちますが、「ジェネリック」ってなんでしょう?
genericは「包括的な」とか「一般的な」という意味の
形容詞ですが、医薬品などの商品が後に来る場合は、
「商標登録されていない」というニュアンスになります。
specific(具体的な、特定の)の対義語です。
んで、その「ジェネリック医薬品」ならぬ
「ジェネリック・スキル」という言葉が
ここ数年ほど、大学教育の場で使われています。
(それほど一般的な言葉ではありませんが。)
出所は2008年に出された中教審答申
『学士課程教育の構築に向けて』のようです。
その中で、次の5つの能力を、
「知的活動でも職業生活や社会生活でも必要」とされる
「汎用的技能」として挙げています。
- コミュニケーション・スキル
- 数量的スキル
- 情報リテラシー
- 論理的思考力
- 問題解決力
この5つは、何を学ぶにせよ、
どういう現場で活躍するにせよ必要とされる能力であり、
大学教育(高等教育)を通じて養われるべきもの、
ととらえられているようです。
10年ほど前は「英語・会計・コンピューター」の3つを
社会人の武器となるスキルと呼んだ人がいましたが、
その大前提となるのが、上記5スキルだと言っていいでしょうか。
ちなみに!
2006年に経済産業省が打ち出した「社会人基礎力」は
こんなものでした。
- 前に踏み出す力
- 考え抜く力
- チームで働く力
これらはイギリスやオーストラリアでジェネリック・スキルと
見なされているそうです。
なにしろ、こういった汎用性の高い基礎的能力が、
産業社会で生き抜くために求められているわけです。
逆に言えば、
コミュニケーションが取れず、
文章読解力、情報処理力が低く、
粘り強く、論理的に考える力が欠如している人は、
思ったような仕事にありつけなくなるよ、ということ。
最近、「中高生の読解力がヤバイ!」という話題が
あちこちから聞こえてきております。
[blogcard url=”https://www.focusreading.jp/yomoyama/6000″]
しかし、中高生がそうなら、そのまま大人になった
社会人だって同じことだよね?というのは、
想像に難くありません。
あなたは、本に書いてあることが一読して伝わってこなかったり、
誰か人の説明がすんなりと理解出来ず
「もう1回いいですか?」と聞き直すことが多かったり、
理解力・意味把握力に課題を感じていませんか?
読みやすい自己啓発書やビジネス書ばかり
読んでいると、「テーマについては理解できる」としても、
語彙が増えることも、思考力が鍛えられることもありません。
ちゃんと、難しい本、読んでますか?
タイトルにも付けた「ジェネリック・スキル」というのは、
どんな時代、どんな社会・組織でも活躍できるような、
基礎となる能力です。
この言葉を知ったことをきっかけに、
ちょっと自分の能力を見直してみてはいかがでしょう?