「文章を読むときには言語的表層に
十分注意を払うように求めている。」
── スティーヴン・グリーンブラット著
『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』
言葉というものは、意味を伝える存在でありながら、
その「音」や「リズム」という表層構造によって
意味を越えた世界を伝えうるものでもあります。
あるいは韻を踏み、
あるいは五七五のリズムを刻み。
いや、セールスのためのコピーですら、
リズムや、自然な音の連なりを大事にしているものなのです。
もちろん、受け手の私たちとしては、
言葉の稚拙さに惑わされず、
言葉の巧みさに酔わされず、
ただただ、文字の裏側に息づく
著者の意志と世界観を受け取れるかどうか。
そこにこそ注意を払いたいものではありますが。