よく速読講座で「読書ノートはどう作れば効果的ですか?」と聞かれますので、軽くまとめておこうと思います。
まず「効果的か?」という質問には、言外に「私にとって」というニュアンスが含まれていなければなりません。何事でもそうですが、誰にとっても効果的というものはありえません。
ということで、ここでは「寺田にとって」のニュアンスが含まれてしまいますが、ひとまず一般論のふりをしながら、いくつかのケースで書いてみます。
この記事の目次
1.「効果的なノート」の書き方を決める、たった1つの条件
そのノートに効果があったかどうかはどうやって測定するでしょう?
とても簡単ですね。(^^*
そのノートで、目指す成果が手に入ったかどうか、です。
つまりノートの書き方を決めるのは「目的(purpose)」だけ。
普通のノートだろうが、マインドマップだろうが、方眼紙を使ったノートだろうが、はっきりいってどうでもいいことです。
それらの些末な要素は「時間(Time)」と「状況(Occasion)」で考えればいいことです。
2.ノートの目的の4つの方向性
ノートの目的としては、次の4つの方向性が考えられます。
2-1.情報の整理⇒発信志向
本に書かれている情報の全体像を、ざっくりと整理する場合です。
ちょっと時間をかけてもいいから、ポイントを的確に押さえながら内容を整理します。
こちらは2011年くらいに作ったと思われるノートの1ページ。
その当時、文章術の本を執筆(して出版を断念)した直後だったこともあり、表現に関するテーマの書籍を多数読んでいました。
そこからピックアップして、お勧めの本を紹介する記事を書こうと思って、整理したものです。
※クリック/タップすると拡大します。
ちなみに、その成果物としてのブログ記事がこちら。
実際に発信しなくても、「人にこの本の価値をどう伝えられるだろう?」と思ってメモを取ると、読み方が変わりますよ。お試しあれ♪
2-2.情報の整理⇒インストール志向(研究・学習)
同じ「情報の整理」でも、自分の研究や学習のためであれば、「理解を整理し、精緻化する」にふさわしい書き方が必要になります。
イメージとしては学校の社会科の授業の板書。
そのサンプルがこちら。
これは書籍ではなく、大学の先生の研究レポートを整理したものです。
研究論文という濃いテキストを整理していますので、ノートも必然的に濃くなりますね。(汗)
しかも、これは次のページに続きます。
2-3.読んだ本の記録(ストック志向)
あまり時間をかけずに本の記録を残すためにノートを付けるパターン。
- 本のタイトル・著者
- 本を手に取った動機、目的
- 本の簡単な内容のまとめ
- 明日の自分に伝えたい覚え書き(箇条書き)
この程度の内容が盛り込まれていれば、あとは「時間(手間)」とのバランスを考えて、どこまで広げるかを考えればいいかと。
たったこれだけのことをノートに書き留めるだけでも、自分の理解の曖昧さが浮かび上がり、必然的に何度か読み直す作業が必要になります。
そして、この簡単なメモが自分の体験(ノートを作った体験)とリンクして、本の内容をしっかりと記憶できるようになるものです。
ちなみにサンプルはこんな感じ。
すごくシンプルですね。
ちなみに、読むのに20分、ノートを書くのにも同じくらいの時間をかけています。
ただし、これが「何かの役に立つ」とは思っておらず、せっかく読んだ本なので、記憶の片隅にひっかけておこうというレベルです。
2-4.行動のためのTo do/習慣作りのためのTo be
本を読んで「これは自分でもやってみよう!」とか「こんなことができる自分になりたい!」と思う内容は、付箋に書き出してスケジュール帳に貼るとか、直接、スケジュール帳のTo doリスト欄に書き込むとか、そんな作業が必須ですね。
これをやらないと、「これいいな!」と思ったことも、3時間後には(あるいはその後の食事の後には)きれいに消えています。
しかも、それは実践したら終わり!ではなく、定期的に見直し自分の成長や行動の成果を確認すべきものなのです。
私はこれを「定期テストメモ」と呼び、スケジュール帳の中に専用のページを作っていました。
これについては、こちらの記事で詳しく書いていますので、よろしければご一読を。
3.ノートは何を使うべき?
紙のノートかデジタルガジェットか、どちらを使うべきかはTPOで考えていいでしょうね。
ただ、紙のノートにメモをすることで記憶に深く入ること、意識のアンテナ(RAS)としてセットされるということが科学的に証明されています。
また、何より気ままにあれこれ書き込めるという大きな利点があります。
そんなこんなで、私は紙のノート(A5サイズ)を使っています。
Evernoteなどを使うのも「気軽に見直せる」という点でメリットがありますが、見直す仕組み(システム)を用意しないと、結局のところ埋もれてしまい活用されなくなってしまいます。ご注意あれ。
4.色は使うべき?
昔は3色ボールペンでノートを作っていましたが、しばらくしてシャープペンシルに変えました。
理由は2つ。
1.自由に書いたり消したりしたい。
2.あまり「どの色を使うか」などを考えずに、気楽にメモをしたい。
味気ないとはいえ、気ままに書いておけるというのは大きなメリットかと。
5.その他
最初はあまり気負わずに、気楽に定型フォーマットで書いて見てはいかがでしょう?
読書ノートに関するブログや書籍も出ていますので、それらも参考にしながら、徐々に「自分流ノート」として育てていってください。
最終的には「それで本当に自分が変わったのか?」で、その効果を確認しましょう!
☆おまけ
こちらの記事もよろしければどうぞ♪