今日から、社会人の方のための3日間集中講座。
時々
「中学生の子どもですが親子で受講できますか?」
というご質問をいただきます。
そういう時は、あっさりと「お断りします!」と躊躇なく返信します。
速読はスポーツと同じ発想で…!
たとえば野球であれば、社会人野球チームと子どもの野球チームとでは指導のメニューが違って当然です。
体の状態も、運動神経の発達具合も、もちろん野球の経験値もまったく違いますからね。
そもそも「野球」の位置づけも違うでしょうし。
速読も、基本的に野球と同じですよ。
社会人の速読は読書の価値を上げるために
社会人の速読は、今持っている読書力をベースにしつつ、情報処理能力のレベルアップを目指します。
フォーカスを明確にしてどうしたら効果的に読めるか、どうしたら効率的に読めるか、そんな意識で速読を使います。
あくまで「今の読書力がベース」です。
そこを底上げしたい場合は、子どもと同じ発想が必要になります。
速読の大前提は「自動化された処理回路」
「今の読書力」と書きました。
これは読書経験の積み上げで養われます。
本をたくさん読むと、「スキーマ」と呼ばれる「認知の枠組み」がどんどん育ちます。
数学の入試過去問をたくさん解いていたら、いつの間にか問題を読んだ瞬間に解法が頭に浮かぶようになった!それと同じことが読書でも起こります。
処理が自動化されるんですね。
だかから、速読フリーク(速読ジプシー?)は速読の本だけならトレーニングしなくても速読出来る。(苦笑)
これは「言葉の処理」という基本的な部分もあります。
ですが、「本」という200ページにも及ぶ膨大な情報をどう処理するかというもっと重大な能力も関係するんです。
子ども(小中学生)にとっての速読
子どもの読書には「将来の読書力を養う」という大きな目的があります。
その1つが上に書いた「情報処理の自動化」です。
ミクロレベルの「文章の処理」。
マクロレベルの「本の(構造)の処理」。
これは意識的で、丁寧な読書によってしか手に入りません。
安易に塾に勧められるがままに速読なんぞさせたら、ひどい場合、マイナスの影響が出ます。
速読をさせるようになって、コンクールで入賞するくらいの速さは身についたのですが、国語の成績は逆に下がっています。何が原因なのでしょう?
こんな相談を、親御さんだったり、塾の先生だったり、複数の方々からいただきました。
そんな悲劇が起こるんですよ。
基本ができてないのに応用たる速読も何もあったもんじゃない。
むしろ、単に雑な読み方になったり、読み損なってしまったり、国語の成績どころか、そもそもの読書力にも傷を負ってしまう可能性があるのです。
受験に速読は有効か?
「いや、入試の問題を速く読むという技術で対応できることだってあるでしょ?」
そんな言い分は確かにあります。
確かにそこには有効です。
ただ、そこで有効なのはどんな状況でも心静かに全力、最高の集中状態で臨めるスキル。
いや、これは超重要ですが!
でも、入試で時間が足りないから速読を…というのは絶対に間違いですよ。
「文章を読み取る」時間と「情報を検証する」時間や「出題者の意図をつかむための思索」の時間、「答えを導き出すべく考える:時間…と考えたら、どう考えても「文章を読み取る」時間は微々たるものに過ぎません。
受験勉強のペースを上げるのにはどう?
じゃ、その問題を解くスキーマをパワーアップするために何度もテキストや問題集を読むのに速読使えばいい?
これも間違い!
勉強ができているから速く読めるんです。その逆は絶対に真ならず、です。
そこで必要なのは速読ではなく「効果的で効率的な勉強法」です。
もう1度言いますが、その時にストレスなく、最高の集中状態で勉強できる力を養うのはすごく重要です。
自分の持っている最高の能力を引き出すために、ね。
今回の3日間講座は「上級編」
話は打って変わって社会人の速読講座。
今日から始まる講座は、受講者を4人に絞っての「上級編」3日間講座です。
この「上級編」というやつは、2015.11.21現在、表のメニューには一切書かれていません。通常の3日間講座を受講した方だけにご案内している特別講座。
通常の3日間講座で十分な成果を上げられた人限定。
そういう人が、専門書や教養書など、分厚くて文字がぎっしり詰まった本を軽やかに読むために受講する講座です。
ここで得られるのは「極限まで研ぎ澄まされた完全な心の静まりと、研ぎ澄まされた集中力」だけ。
「ベースとなる読書力」と「自動化された構造の処理」があれば、集中力のコントロール力が読書の質とスピードの両方を決めてしまうんです。
その「自分の能力を発揮できる上限」を引き上げるための講座ってことですね。
この話からも、なんとなく「子どもの速読が無意味なわけ」をご理解いただけるでしょうか?
子どもの速読について学びたい方へ
とりあえず、
「子どものための速読」に
興味をお持ちの方は、こちらのコラムの「子どもの速読」カテゴリをどうぞ(記事数は少ないのですが…)
あと、こちらの書籍には体系立てて、子どもの速読トレーニングの原理原則と、具体的なトレーニング方法を丁寧に解説しています。
よろしければご一読を。(^^*♪