速読で新しいジャンルを学び、使える記憶を手に入れるには?

2年ほど前に受講した方から相談がありました。
 
新しいジャンルを学んでいく際、読んだ内容を記憶し、活かしていくために何をすべきだろうかというご相談です。
 
こちらの方に対してお答えした内容をベースにしつつ、もう少し汎用性の高い形で書き直してみました。
なお、引用した手紙については、文意が変わらない程度に、表現・改行に手を加えています。

(前略)
 
お陰様で、仕事上の書類や学びのためのビジネス書を快適にこなしています。
 
先日読んだマーケティング関連の本(190pくらい)は、下読みなしで本ちゃん読みをして、だいたい20分。
 
随分と速読も体に馴染んできて、スピードは上がったと思うのですが、
やはりそこそこ丁寧に読もうと思うと、1ページ5-6秒に落ち着いてしまいますね。
 
ただ、仕事が忙しくなってきていて、読書のペースは落ちており、せいぜい週に2冊くらいです。
 
それでも必要と思う本は躊躇せずに読むことができております。
 
(中略)
 
さて、現在、新しいジャンルにビジネスを展開していくために、ある業界に特化した本を数冊読んでいます。
その中には、かなり業界特有の話もちりばめられており、また2ページでテーマが簡潔するような本もあります。
 
こういう本を記憶に残して(整理して?)、部下に説明したり、仕事で活かしていこうと思ったら、どういう工夫をしたらいいのでしょうか。
 
(後略)

特定の狭い範囲に特化した学びの問題点

そういう専門領域を学ぶ上で問題になるのは、そのジャンルの独特の概念、用語です。
 
このメールをくださった方の場合、ある業界に向けてマーケティングしていこう、新しいビジネスモデルを作っていこうという相談です。
ベース(軸)となる「マーケティング」は不変・普遍のものだけど、業界ならではの作法とか、独特の構造があるというわけです。
 
そうでなく、本当に「まったく新しいジャンル」について学ぶこともあるでしょう。
そうなると、何もかもが「初めて!」ということになります。
 
ただ、いずれにせよ「本を読んだだけで知識が整理されて記憶に残る」なんてことはない!と考えましょう。
その方が気楽になれますよね?

新しいことを学ぶときの手順

学びの全体図

もう毎度毎度の説明にはなりますが、何かを学ぶ際、下の図にあるようなUプロセスで学んでいくのがお薦めです。


 
まず、何か新しいことを学ぶ上で重要なことは、1冊ごとの内容を理解・記憶しようと思わず、同じテーマの本、数冊を読んだ上で、それらを総合して内容を整理し記憶する、と考えることです。
 
理想としては1つのテーマについて10-20冊を一気に読むこと。究極的には、あるジャンルについて知的側面で完璧を期すなら200冊くらいを目標にしたいところです。

第1ステージ:そのジャンルの本を一気読み

第一段階(Seeing)はそのジャンルの本をまとめて一気に読むこと。
目的はその世界の構造を概観し、イメージをつかむこと。

第2ステージ:「これは!」と思う本を数冊ピックアップして重ね読み

概観できたところで、自分の目指すゴールに直結しそうな本を数冊ピックアップして精読しましょう。
その時の読み方はこちらを参考にしてください。

第3ステージ:小テーマごとのノートまとめ

何度かの重ね読みを経て、十分に「理解」が出来たと思ったら、それをノートにまとめていきましょう。
最初に全体像を。ノートに書き散らしたレベルで問題ありません。
 
簡単に、でもいいからとにかく書き出すこと。
これが「記憶に残し、使える知識にする」ための必須条件です。
 
こちらの記事も参考になるでしょうか。

まずざっくりと全体像を書き散らし、そこから小項目を独立させて、整理していきます。
 
単純に本の章立てにしたがって整理してもいいでしょうし、実際に「活かす場面」をイメージして、そのテーマで整理していってもいいでしょう。
 
もし、前提知識があれば、それをベースにしつつ、組み合わせて書いていきます。
別に「本に書いてあったことだけ」と考える必要はまったくなく、あくまで「新しくできつつある知の体系」を浮かび上がらせるというイメージです。
例えばこれまでマーケティングについて実践してきて、「歯科医業界に特化したプランを!」ということで、その世界の本を読んだのであれば、まずは自分の持っていた知識をベースにしつつ、歯科医業界の特殊事情を加味しながら、全体像をざっくり書いていくといいですね。

第3⇒4ステージ:実践の場で使いながら再構成

最終的には仕事の現場で人に説明したり、実践したりしながら、生まれてくる(手に入る)フィードバックをプラスに作用させながら、新しい知の体系を揺るぎないものにしていくことになります。
 
学んだことが実践の中で役に立たなかったり、シンプルな言葉の奥に、さらに深く複雑な仕組みが見えてきたりするものです。
 
書籍に書かれたものは、あくまで非言語の部分がそぎ落とされた結晶に過ぎず、また場合によっては普遍性に欠ける「著者の現場でのみ起こること」だったりします。
それらを、あなたの現場で生きる知の体系として再生・再構築していくのが、このステージなのです。
 
ここまで来ると、学んだ知識はすでにあなたのものになっており、記憶も理解も揺るぎないものになっているはずですね。

細かなノウハウは、いかに記憶に留められるか?

紹介したメールにあった「2ページでテーマが簡潔」するような知識・情報について。
 
これも、「本の内容を記憶する」と考えると、残りづらく大変です。細かで雑多な情報は、結局「都度、再確認しながら使っていくことで初めて自分の知識・知恵に変わっていく」ものなのです。
 
ひとまずは、ラフに書いた全体像の中に「注釈」「トピックス」的に書き加えていくようにすると、残りやすくなりますね。
 
ですから、人に実際に説明したり、文章化してブログ記事にしたりといった作業を通じて、自然と記憶されていくものと割り切ってください。

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