今回の話題は「速読」といっても、子ども向け講座のお話。
子どもの速読トレーニングを続けても、なかなか読書スピードが上がらない子もいます。
通常なら1-3ヶ月もあれば、1p9秒で読めるようになります。
「読める」といっても、それで楽しめるわけではありませんので、あくまで「測定上の数値」に過ぎませんが…。
ちなみに、子ども速読講座では、4種類の「活字をとらえるスピード」を測定します。
- A.ページ全体を面でとらえ、高速に見ていくスピード
- B.ページ右端から左端へスキャナーでスキャンするように見ていくスピード
- C.流れだけをつかむような速読のスピード
- D.普段通り丁寧に読んだ時のスピード
ここでいう読書スピードというのは、【D】のスピード。
それでも、これは単なる「測定上の数値」なんです。
これについては、こちらの記事で丁寧に解説していますので、興味があればご一読ください。
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上の記事に書いてあることをヒトコトでいえば、「測定上9秒で読めるようになったからといって、勉強・読書で、期待した成果が得られるとは限らない」ってこと。
それでも、この「1p9秒で読める」といのは非常に重要なのです。
それは次の3つの要素がひとまず実現した状態と言えるからです。
- 力まない集中力が高まった。
- 活字を読み取るストレスが取れて、視野が広がった。
- 「読書って、意外と楽!」と感じられるようになった。
実際、これまでに受講した子ども達の例を見ても「速読をマスターした」⇒「成績がアップした」ということはまったくなくって、「速読をマスターした」⇒「いろいろな本をたくさん読むようになった」⇒「成績が上がった」というパターンなんです。
だから、本当のことをいうと、速読トレーニングを受けたからといって読むスピードが上がらなくても、全然気にする必要はありません。
これはあくまで「子どもの速読」の話ですよ。
大人は「速さ」というオプションを持っているかどうかで、読書量も読書の質も劇的に変わりますから。
それよりも、宿題の音読は流ちょうになってきたか、日常の読書は楽しめるようになってきたか、読書の量が増えたり、バリエーションが増えたりしたか、そういうことを気にしたいところです。
速読はあくまでオプション。ツール。手段。
本丸は、あくまで「本をどれだけストレスなく楽しめるようになったか」です。
ということは、子どもに速読を学ばせるのであれば、「読書環境」の整備もセットでしておきたいところですね。
- 食卓で本、読書のことを話題にする。
- 静かに読書をする時間を親子で確保する。
- 一緒に書店や図書館に行く。
速読トレーニングをしていて、測定上の数値に変化がないってことは、何か読書にストレス、困難を抱えているって考えて間違いありません。
親、指導者は、「上がらない」ことを問題にするのではなく、それを「読書にストレスがあるサイン」と受け取る必要があるってことなんです。
その原因がどこにあるのか、親御さんと情報交換、意見交換をしながら探っていきたいところです。
逆に!
測定上の数値はめちゃくちゃ上がっているのに、実際の読書に変化がないとしたら?
それも、数値と現実のギャップをちゃんと探らなければなりませんね。
いずれにせよ、数値上の問題に振り回されず、それをどう判断して、よりよい読書作りに活かすかっていう発想で参りましょう!