こんばんは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
世の中には
「思考がとっちらかった人」と、
「整然とポイントを押さえて思考できる人」とがいます。
もし、あなたが
そんな辛辣な言葉をよく受けるとしたら…
あるいは、自分が言いたいことがなかなか伝わらない、
と感じるとしたら…
ひょっとすると、思考がとっちらかっているのかも知れません。
だとすると、すごく損をしている可能性がありますよ!
ぜひ、すっきり整理された思考回路を手に入れましょう!
とっちらかった思考とは?
「とっちらかった思考」という言葉は、どことなく分かりづらいので、
ここでは、次のような現象を指している、と理解してください。
あくまで「自分の意見(主張)」や「コミュニケーションの中の言葉」
に関する話です。
- 思いつくままに言葉にするために、脈絡がない。
- それはつまり、話があちこち飛んでいる状態である。
- そこでは、何が重要か、そうでないのか、因果関係はどうなっているのかすら見えない。
- どんな問いに対して、どういう答えを展開しようとしているのかすら、行き当たりばったりで、よく分からない。
- 主語と述語が離れすぎていたり、ポイントの前置きや修飾語・形容詞句がやたらと長く、主張の中核が見えづらい。
もっとシンプルに整理すると、
といっていいでしょう。
「とっちらかった思考」の何が問題なの?
思考がとっちらかった状態というのは、
コミュニケーションにおいて「伝わらない」という
大問題を生みます。
相手が身内であれば、
という、愛あるダメ出しをもらえる可能性がありますが、
相手がビジネスのお客さんだったら?
自分の意見・主張が伝わらず、意図したとおりに相手を動かせない。(説得できない。)
と、なるのがオチ。これは怖い!
では、何が原因で「とっちらかる」の?
思考がとっちらかる、話がとっちらかる原因には、
いくつか考えられますが・・・
第一の原因:そもそも思考を整理したことがない
そもそもどんな思考であれ「整理する前」は
「とっちらかった状態」です。
そして、整理をするのは意外と難しいのです。
話がシンプルで、しかも鋭い話をできる人というのは、
日頃からそういう思考のトレーニングをしているか、
自分の思考・意見を文章にして、人に伝える経験を
十分にしている人です。
だから、まずは自分が考えていること、自分が伝えたいこと・・・
そういった自分の思考を「文字」にして可視化し、整理しましょう。
アイディアマッピング的な
「無造作の書き出し」からの「目で確認しながらの整理」はお薦めです。
人間の脳のキャパって意外と小さいので、
思考を外化・可視化してやるのはすごく重要ですよ。v(^^*
※計算を筆算でやると楽!ってのと同じですね。
第二の原因:明確な「問い」がない
例えば「読書について」というテーマで
何か語りなさいと言われれば、
何でも語れそうですが、実際のところ
何を語って良いか分からず、あれこれ話が拡散してしまいがち。
でも、「読書が苦手な大人は、どのような読み方をしたらいいか?」
という問いを与えられれば、考えるべきコト、言うべきことが
非常に明確になります。
この問いが、より具体的になればなるだけ、
言うべきことが鋭く、研ぎ澄まされていきます。
そして、これは次の原因にもつながっていきます…
第三の原因:何を一番伝えたいか、自分で分かっていない
自分の主張、想いの中で「一番大切な、一番伝えたいことは何?」
という問いに明確な答えを出すのは、実は大変です。
「だって、全部伝えたいんだよ!」ってなりますから。(苦笑)
このとき、
- 何を問われているのか?
- それを誰に伝えるのか?
- その目的は何か?
こういう条件をまず理解していることが必要。
その上で、
では、いろいろ要素がある中で、何を強調したら、
自分の伝えたいことが一番鋭く伝わるだろう?
そんな思考回路で、「伝えるべく用意した原稿をそぎ落とす」作業が重要。
そういえば、むかーし、アンジャッシュの渡部さんのラジオ番組に
出演した時、番組のシナリオライターさんに、
こんなアドバイスをいただきました。
端的に、ひとことで表現してください。
その上で、『つまり…』という感じで、丁寧に語るんです。
その後、テレビの取材を受けた時に、
この言葉を強烈に思い出しました。
ディレクターさんに、唐突に振られた問いに、
ついついダラダラっと答えてしまうことが
あったのですが、そういう部分はことごとく、
カットされてるんですよ。(笑)
どういうトレーニングをしたら、「伝わる言葉」を手に入れられる?
これはもう、地道にトレーニングをするしか解決策は
ありません。
具体的には次の3冊を熟読した上で、最後の本に
あるような「要約トレーニング」をするのがお薦めです。
教科書1:松岡正剛著『知の編集術』
世の中にあふれる情報を、どう切り取ってきて、
どういう言葉を並べて、その価値を伝えれば良いか?
その極意が語られた本。
より伝わるメッセージを創り出すために、
言葉を広げたり、まとめたりといった作業をどうおこなえばいいか、
多大なる、しかも具体的なヒントが手に入ります。
教科書2:鈴木鋭智著『話し方より答え方』
手持ちのネタのうち、具体的にはどのような要素を取り出して
語れば、一番、その価値が伝わるのか?
そのトレーニングを提案してくれています。
実際に、ワーク形式で話が進んでいきますので、
練習ができるのがGood!
教科書3:『40字要約で仕事はどんどんうまくいく』
一冊を通じて「いかにして、主張を40文字に整理するか?」というテーマで
解説とワークを展開しています。
40文字に要約された模範解答の中身には賛否がありそうですが、
その作業プロセスについての解説とワークには大いに価値があります。
結局、とっちらかった思考って…
結局、思考がとっちらかっているってことは、
誰に対して、
どんな情報を伝えて、
相手にどんな感情を持ってもらいたいのか、
どう行動してもらいたいのか、
そんなことを考えてないってこと。
そして、伝えるために思考を整理したり、
文章にしたためたりといった努力をしていないってこと。
それでビジネスや人間関係がうまくいくはずがありませんよね?
ぜひ、「切れ味抜群の言葉」を駆使して、
ビジネスの達人を目指しましょう!