速読で解決したい本当の問題は?

以前、九州某県の官公庁の研修担当者の方からお電話をいただいたことがあります。
 
職員に速読を身につけさせて、業務効率を上げたい、と。
 
確かに、速読を身につけると「文書処理スピード」は上がります。
 
でも、勤務時間中の作業の中で「純粋に活字の処理をしている時間」って、何割でしょう?
あるいは、どのくらいそれがボトルネックになっているのでしょう?
 
それが気になりました。
 
 
実は処理スピードといっても、処理のポイントが分かっていないとか、集中力が低いとか、何か気を散らす(仕事を妨害する)ような部署内のシステムの問題があるとか、いろいろ改善すべきポイントがあると思うんですよ。
 
速読技術の修得は、業務改善のスタートラインに過ぎないかも知れません。
 
実際、講座を受講して集中力が上がり、処理スピードが上がった結果、自分の仕事のスタイルと、社内のシステムにいろいろ問題があることが分かって、そこの改善に着手しました・・・というご報告を過去に数件ですがいただいたことがありました。
 
個人の方でも同じ。
速読をマスターしてみると、さらにいろいろな問題が出てくることがあります。
 
もちろん、読書を加速し、効率を上げることで解決する問題もたくさんあります。
「どれだけ時間がかかるか分からない」状態だと、なかなか本に手が伸びませんが、「1冊30分あれば余裕で読める」と思うと、気軽に本を手に取れます。
 
それで量をこなすことができるようになって、自然と読書の力が付いてくるとか。
 
しかし、「速さ」だけでは解決しない問題もたくさんあります。
 
ある方が「もっと速く読みたい」と講座に来られました。
しかし、実は「読書が苦手で、本を読んでも理解が進まない」ということ問題を抱えていることが分かりました。
 
そこで受講後、半年以上にわたって読書力を高めるトレーニングのサポートをさせていただきました。
 
難しい本を、ひたすらじっくりと熟読してもらい、読んだ内容の概略を文章として書いてもらう作業。
 
その上で、フォーカスを概要にセットして、何度も熟読した内容を1ページ6秒で再確認する練習。
 
集中講座から1年かかりましたが、結果として読書力のアップと読書スピードアップの両方が手に入りました。
 
ここでいう「読書力のアップ」というのは、2読(下読み+本ちゃん読み)した段階で、本の概要・構成を語れ、細かな内容についても(あくまで主観ですが)理解できている状態。
 
以前は「読んだ」という達成感は残るものの、内容を人に語ることもできないレベルの印象だけで終わっていたそうですから、かなりの進歩です。
 
読書スピードについては、読みやすい新書であれば、1冊10分で概要を理解し、それを人に語れるレベル。
丁寧に読んでも30分かからない(1ページ7〜9秒)ペース(1冊25〜30分)。
 
その方が受講を思い立った段階で、表面的に感じている問題は「遅い」だったわけです。
でも、実は「遅い」以上に「実は読んでも、理解できていない」ことの方が重大な問題でした。
  
このブログで、「速さ」に関する話があまり出てこないのも、そういう事情があります。
 
私が提供したいのは、「読書の価値を上げること」であり、「読書を通じて自分を変えていける力を手に入れること」です。
 
入り口としては「本を読める」状態が必要なので、速読技術が必須になってくるわけですが、その向こうに「どれだけ読書を変えられるか」を見ていただきたいと考えています。
 
そのために3日間集中講座では、「付箋の使いこなし方」、「読書メモ(ノート)の取り方」、「読書(成長)デザインの作り方」なども動画講座やフォローアップ講座を通じて提供しています。
 
このあたりは、必要に応じてツマミ食いしていただくだけでも劇的に変わります。すでに読書が日常の中にあり、「もっと変えたい」という強い問題意識をお持ちですからね。
 
子ども速読講座では、そのベース作りとして「本の読み方」「読解力」、「感想文の書き方」、それに加えて「勉強の仕方」を、時間をかけて指導していきたいと考えています。

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