頼れる自分、頼られる自分を作りたい。
この気持ちをちゃんと「自分の価値を引き上げる」というゴールに結びつけるためには、事前の確認作業が必要です。
その確認作業というのは、ある意味、かつて話題になった絵本『ぼくを探しに』の主人公が通った道。
ひとことで言うと「外に探しに行っても見つからないよ」というシンプルな事実。
知らない方のために軽くあらすじをご紹介しますと…。
このパックマン君は「足りないカケラ」を探しに旅に出ます。その旅は時には険しくもあり、それでいて充実した時間でした。
丸くないから転がれない。転がれないから、旅はとてもゆったりとしたものです。
時にはチョウチョがとまってくれます。時にはカブトムシと競争します。歌だって歌っちゃいます…。
そしてとうとう、自分にぴったりのカケラを見つけます。そして、ぱくっ!
でも、丸くなったパックマン君はぐんぐん転がります。
もう歌も歌えない。チョウチョもとまれない。カブトムシも素通り…。全然楽しくありません!
「そういうことだったんだ!」と何かを悟った顔のパックマン君。
カケラをそっと地面に置いて、また歌を歌いながら旅立っていきます。「僕はカケラを探してる…♪」
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その本読んで、そのブログ記事書いて、どーすんの?
本を読むにせよ、ブログを書くにせよ、何か目的というか「目指すところ」がありますよね?
今、読んでいる本、ブログで書いている記事は、その目的に向かうスピードを加速してくれるものでしょうか?
「投資対効果に見合うか?」とか、「学んだ分、他人より明らかに成長できているのか?」とかって話。
読む本、何を基準に選んでるの?
まず、考えるべきは「何を読むか」。
「これを読もう!」という問題意識の根源は、本当に自分の内面にありますか?
誰かのお薦めとか、本屋の平積みとか、そんな外発的な刺激で選書していませんか?
それが「売れ筋だから」とか「話題だから」という理由は論外として、「なんとなく役に立ちそう!」とか「お、それはすごそう!」なんて理由で本を選んでいないか確認したいところです。
外にあるもの、新しいものに次々に飛びつくのはパックマン君と同じ発想。
ITの世界でGIGO(Garbage in, garbage out./ゴミを入れればゴミが出る)が真実だとしても、私たちの世界で「いい情報を入れたらいい成果が得られる」なんておいしい話はありません。
ブログに書いて、どうなりたいの?
「ブログに書いてアウトプットする」という人、けっこうよく見かけますよね。
読みっぱなしの人に比べると100倍マシ、といえば確かにそう。
曰く「思考がまとまります」、「大切なポイントを確認できます」と。
「ブログに書くことで学びが深まります」とか。
まぁね。でも、「勉強になる」なんて当たり前、大前提。
問題は、それで自分が目指す世界に確実に行けるのか、ということ。
小さなGoodをいくら積み上げても、そこに揺るぎない軸がなければ、どこにもたどり着けないし、絶対にGreatにはなれません。
だからまず問わなければならないんです。「それは内発的な問題意識から出たテーマ?」って。
本を読んで、ブログに書いて、どうなるの?
ブログは「手段」であり「1つのプロセス」ですから、それ自体が問題なのではありません。
まず、ブログを書くことが目的化して、どんどん新しい本を読もうとしていないか、なんていう話。そこに明確な軸はあるのか?と。
極端な例でいえば、医者を目指している人が「天文学おもしれー!」とか言ってたらツッコミいれますよね? 「お前さん、医者を目指してるんだろ?」って。
受験生が、次から次に新作の受験参考書を買ってきて「おー、分かりやすい!」とか言ってたら説教しますよね? 「まず一冊に絞れよ!」って。
あなたの学びはそれらと同じ過ちを犯していませんか、と。
もう1つ。ブログに書いたぐらいで深まって完結してしまうような学びって役に立つの?と。
大学入試レベルの薄っぺらな勉強ですら、何回繰り返し出力のトレーニングをしたことか!
微分・積分に至るまでに、どれだけ数学の基本を積み上げてきたことか!
そういう繰り返しとか積み上げとか、ちゃんとやってるのかしら?
もしそういうことなしに、すぐに活かせるノウハウを学んでいるとしたら、それは相当薄っぺらなものをつかまされているとしか思えません。あるいは、深淵なノウハウを読み取れず、表面で満足してしまっているか?
何を読む(学ぶ)か、どう学ぶか、どう重ねて行くか、これって社会人にとっては相当重大な問題のはず。
せっかく本を読んで、ブログにまで書いてっていう投資作業なんですから。「その投資でどんなリターンが得られるか」しっかりと考え、デザインしたいところですね。
「自分らしさ」「自分ならでは」が磨かれる学びを積み上げよう
あなたがかけがえのない存在、選ばれる存在になるためには、
あるいは、自分の得意技や持ち味を活かして主体的に仕事を楽しめるようになるためには、
あらゆる学び、あらゆるリソースを、そこにつながるようにデザインしなければなりません。
あなたが一番大切にすべきは、あなたの「現場」。
多くの人にとって、それは仕事の現場のはず。
そこで評価されることこそが、あなたにとってもプラスになるはずだし、
あなたのお客さんや、あなたの価値を買ってくれている組織に貢献することでもあります。
間違ってもブログのアクセスとか、「いいね!」ボタンのクリック数とか、本筋とずれた評価を追いかけすぎないようにしたいところですね。
今の学びは、現場にしっかりと根ざしたものか、確認してみましょう。
「現場で活かす」という発想の転換を!
もちろん、どんなことだって「仕事に活かせる」のは確か。
でも、「本当の、あなたならではの価値」、つまりあなたのコアが磨かれるような学びは、そんなに簡単には作れません。
むしろ枝葉、小手先のテクニックに走るから、根っこや幹を育て忘れてしまう可能性も。
偉大な企業へと飛躍するには、「能力の罠」を克服しなければならない。そのためには「何かをうまくできるからといって、利益をあげていて成長しているからといって、それで最高になれるとかぎらない」と判断する規律がなければならない。
── 『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』より(P.160)
そう考えたとき、安易に興味を引かれるもの、役に立ちそうなものに飛びつくのではなく、
- 自分は何を一番大事にしなければならないのか?
- そのために何を学ばなければならないのか?
- それを、どう学び、どう積み上げなければならないのか?
そんなトータルなデザインをしっかり描いて、確かな学びを積み上げていきたいものですね♪