”聞いた直後に聞き直す”人は、どこに問題があるのか?

最近ある経営者の方との会話で、こんな話が出てきました。

とある経営者
何かの作業の手順とか、 原理とかを口頭で説明した時、必ず「すみません、もう1回お願いします」って聞くスタッフがいるんだよね。
あれは集中力が散漫なのかな?それとも、理解力が低いのかな? 速読させて、本を読ませたら直る?

 
 
そんな話。
もちろん、可能性はいろいろあると思います。そもそも集中力が散漫とか、気が散りやすい(音へのアレルギー反応、ADD的注意散漫とか含めて)とか。
 
ただ、1つ大きな可能性として考えられるのは、文章を咀嚼(そしゃく)して、理解する力が弱いということ。
 
「聴解能力」という言葉があるのですが、これは以下のような様々な能力が関わると考えられます。

  • 語彙
  • 短期記憶
  • イメージ力
  • 語の係と受けを正しく処理する力

 
語り言葉、とりわけ作業の説明などは、難しい言葉や語法はないと思いますので、単純に「言葉からイメージする力」が足りないのかな、と思います。
 
速読講座でも「もう1回いいですか?」と聞き直す人が時々いらっしゃいますが、人の話を聞こうとしないオジサマを除けば、読書量、とりわけ文学作品や難しめの本を読んだ経験がない人に多いように感じています。
 
話をイメージ化できず、理解できないというだけでなく、1つ1つの処理がスムーズでないと、前の話を処理し終わる前に
次の話になってしまい、「もう1回いいですか?」と聞かざるを得ないってことになりますよね。
 
1を聞いて100を知ることができるか。 
1を理解するために10くらい聞き直すのか。

 
この違いで、人生、かなり損をしている可能性があります。
 
間違いなく読書でも起こっているはずですし、きっと聞き直す(読み直す)ことすらなく、聞き流されて(読み流されて)いることも多いはずです。

「もう1回いいですか?」をどう解消するか?

そこで、私からのご提案。 
興味深い話だけど、実は深い話が書かれた本を用意してみてください。
何でもいいのですが、例えばこんな本。

『タテ社会の人間関係』
タテ社会の人間関係

50年間読み継がれてきた100万部のベストセラー。大学の授業でも使った「日本社会の構造を知る」教科書です。

『自己プロデュース力』
自己プロデュース力

知る人ぞ知る名著。島田紳助氏の講義を書籍化したものですが、非常に学ぶものが多い本です。

「どちらを読んだらいい?」─ と聞かれたら、迷わず「上」と答えます。下の島田紳助氏の書籍も非常にいい本なので、まだ読んでない方はぜひどうぞ。(^^)
 
どちらの本も、何か難しいことが書かれているわけではありません。
でも、あえて、一文一文を吟味して、丁寧に読んで欲しいんですよ。

「なんで、紳助はこんなことを言ったのだろう?」

「これは、今の自分の社会に当てはめると、どの現象に当たるのだろう?」

 
一人で吟味して満足せず、できれば誰かと読書会をする。そして、1文、1ページごとに自分の言葉で語ってみる。人の話を聞いて、解釈の違い、視点の違いを受け止める。
 
特に紳助氏の本は講演録なので、言葉が途中で変わったり、流れが切れていたりします。そこを丁寧に推論でつなぎます。
大切なことは、なんとなく分かるで流さないこと。
 
タテ社会の本は、大学の先生が書いた本。全体として平易なのですが、ところどころ、「?」となるような文が出現します。
そこをスルーしてしまわないように、丁寧に分解・分析しましょう。
 
大切なことは、自分の言葉で解説できるレベルまで落とし込むこと。「分かったつもり」をどこまで排除できるかが勝負です。あと、ミクロに分析するだけでなく、マクロの視点で、章と章の関係とか、前の章の話とのつながりとか、そういうところまで分析したいところです。
 
そのためには、分析的に読んだ後、フォーカスを「流れ」と「構造」に当てて速読してみるといいですよ。
 
1つの可能性に過ぎませんが、少しずつ、自分の「?」を見つけ、それを粘り強く解き明かしていく作業は、脳のワーキングメモリー、言葉の咀嚼力やイメージ力、そして言葉に対する集中力を強くしてくれるはず。
 
 
あなたも、
 

名無しさん
そういえば、自分も もう1回いいですか?って聞き直すことあるねー💦

 
という自覚があるなら、ぜひ丁寧に吟味、イメージしながら読む読書を少しずつ試してみてください。

追伸

もし、上記2冊をすでに読んだことがあり、歯ごたえのある本をご希望なら、こちらにトライしてみてください。
 
☆岩波現代文庫 哲学セレクション『言葉』
岩波現代文庫「言葉」

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