[23]カウントダウン型読書

読みたい本があるけど、なかなか時間がとれないという人も多いと思います。私もここ半年ほど、ソフトの開発、レッスン(とその準備)などで時間が確保できずほとんど読書をしない状態になっていました。
速読のインストラクターがそれでいいの?と自問しながらも、なかなかたった1時間が確保できないんですね。まぁ気持ちの問題が半分以上なのですが。
「この本を読み終えるまでに○時間(○日)かかるなぁ」と思うと、本に伸びかかっていた手が縮んでしまいますよね。私のように「時間がなくって...」という言い訳をしてしまう人は、ちょっとでも空いた時間を見つけて、「この1冊を○分で読み切ってしまおう」というようにして読む方法をお薦めします。
「この1冊を○分で読む」というスタイルの読書を実践する上で一番重要なのは「読む目的をはっきりさせる」ことです。無目的な読書、書いてあることをとにかく理解しようという読書は、だらだらと自分の最高の理解度で読み進めることになってしまいがちです。目的がはっきりしていたら、「ここは理解度Dで軽く流してしまおう」というようにメリハリを付けることができます。
例えば、買おうとする本を選んだり、内容を確認したりする場合の立ち読みを考えてみてください。本にすごく集中しているだけでなく、目的(内容の確認・本の選別)がはっきりしているため、時にはまったく読まずにぱらぱらと飛ばしたり、時にはじっくり読んだり、と非常にメリハリを付けた読書にしやすいのではないでしょうか。もちろん、立ち読みでもじっくり読んでいる人もいらっしゃいますから、一概には言えないのですが。
目的がはっきりしたら、次は「○分間で読破しよう」とか「○時までに読み切ろう」というような目標タイムを明確にすることです。そして読み進めながら時間の配分をしっかりと考えながら読むことです。時間の配分ができると、必然的にどの部分をどの程度深く(しっかり)読むべきか、何を読み、何を読まずにすますか考えるようになります。
速読を修得した人でも、今まで通りの読書スタイルで、理解度Bでたんたんと読み進めると、初めて読む本はどうしても平均で1700~2300文字ぐらいに落ち着きがちです。これだと250ページぐらいの本だと1冊を読むのに45~60分はかかってしまいます。まぁこれでも十分速いのですが、読書の目的を明確にしてメリハリを付けることで、効率(スピード)を上げることができます。
いたずらにスピードを上げることは質の低下を招き、かえって効率が悪くなってしまうという危険性をはらみますが、目的を明確にしてメリハリを付ける(読むべき部分は理解度B、流していいと判断した部分は理解度C~Fなど)と、目的を損なわずに(つまり質の低下をもたらさずに)スピード(つまり効率)を上げることが可能です。
8月8日に修了した6日間集中レッスン(受講者は「がんばれ社長」の武沢先生)でも、このメリハリを付けた読書を体得することを最後の仕上げにしようということで本屋に繰り出して立ち読み実践トレーニングをすることになりました。(実は、5日間でトレーニングが完了してしまい、6日目は特にやることがなくなったということもありました。)
受講者の武沢先生には、「30分で1冊を目標にしましょう」と伝えて仕上げの実践トレーニングにかかってもらいました。その結果、55分で2冊のビジネス書を読破なさり、その結果に非常に満足していただくことができました。
もちろん武沢先生の日常の読書量、ビジネス経験があってこそ可能だったという側面もあるのですが、読書の目的を明確にし、スタイルを変えるだけで読書の効率が劇的に上がったのです。
私もその時、おつきあいで読書をしたのですが、55分間で3冊。非常に充実した時間になりました。(ただ読み終わった後は、猛烈な頭の疲労を感じました。)また、行き帰りの新幹線では、居眠りもし、ビールも飲み、名古屋名物ひつまぶし弁当も堪能しつつ、往復7時間の乗車時間で6冊の本を読むことができました。これも「名古屋に到着するまでに3冊読破」という目標を設定し、「この本は○○という目的のために読む」ということを明確にしたからできたことです。
といいながら、中には1時間半かけて読んだ本もありました。それは櫻井よしこさんの「日本が犯した七つの大罪」(38文字×16行×0.9×約390ページ)というヘビーな本です。これは「櫻井さんの主張と、1つ1つの事件の特性と問題点を理解する」ことが目的だったため、理解度B~Cでたんたんと読み進めるというスタイルを採りました。(平均読書スピード2500文字/分程度)もしこれをもっとスピードを上げたら、私の力量では消化不良を起こしてしまい、もう1回読み直さなければならなかったと思います。
目的が「この本1冊、著者の主張をしっかり理解しよう」ということであれば、それは時間やスピードを意識しすぎる必要はありません。理解出来るスピードで読みましょう。もちろん、すべてを同じ調子で読めというわけではなく、部分によってスピード・理解度のバランスを調整しながら読んでいいわけですが。さらりと流したために、著者の意図を汲み損なうことがあれば、それはもったいないですよね。
読書というのは目的によって様々なスタイルがあっていいわけです。同じ将棋の駒を使ったゲームでも詰め将棋とはさみ将棋ではまったくルールも攻略法も違うように、同じ本でも、目的によってスタイルと攻略法を変えていいわけです。ドライブでも、風景や季節の風を楽しみたいのか、目的地に到着すればいいのかという目的次第でスピードが変わるはずですよね?読書も同じだと考えましょう。
なかなか読書スピードが上がらないという人は、目標時間を決めたカウントダウン型の読書に取り組んでみてはいかがでしょうか?そしてその修行の場としては本屋(の立ち読み)が最高ですよ。(^^)
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