[17]子どもに速読をさせちゃだめ! このエントリーを含むはてなブックマーク 

塾と連携しているところはいうまでもなく、速読教室としてやっているところでも小学生をターゲットにしたところは結構あります。
 
これってどうだろな~と、元中学校教師としては考え込んでしまいます。(--;
 
某教室が子ども向けの初級講座なるものをスタートさせました。そこに小学校4年生の子どもが、有名なタレントさんが書いた自伝的な小説を読んだ記録が掲載されています。初回が750文字/分ぐらいで、数回の受講で2400文字/分になったと。
 
これってすごいことなの?と、思わず考え込んでしまいます。
 
まず、小説を700文字/分で読んでしまっているというところが「?」っていう気がします。このスピードは大人の人の「読書慣れしている人」のスピードです。
 
小学校4年生で、そんなに読解力があるものでしょうか?その本は、戦時中の話も含めて、昭和の時代の話です。そんな現代の子どもとかけ離れた世界で起こる物語を、すらすらと読めるのでしょうか。
 
前に「小学生は修得が早い?」というタイトルで記事を書いたことがありますが、まさにその「落とし穴」にはまっている感じがします。きちんと読めていないのに、読めていると思いこんで、適当な読み方をしている可能性はないでしょうか?そもそも読書を楽しむということ自体がしっかりとできあがっていない子どもに、速読をさせようというのが発想として間違っていると思うのです。
 
私の講座にも中学1年生が通ってくれたことがありました。その子はすごい伸びでした。
しかし結論から言うと、まったく役に立ってないんです。そもそも読書経験が不足していて「読める」という状態が自分で分かっていないから、「ただ早く目で追っていって、なんとなく読んでいる感じ」で測定してしまいます。
 
そういう子どもは、ゆっくり読ませて、どれくらい理解出来ているか確認しないといけません。うちに通ってくれた子も、やっぱりそもそもの読書力が不足していて、ゆっくり読んでも速く読んでも、やっぱり「読めていない」という状態でした
 
大人としては、「子どものうちに速読を身につけさせると、あとあと役に立つだろう」と考えてしまいがちです。
 
しかし、考えなければいけないのは、大人と子どもとでは「読書」という行為の意味合いが違うということです。
 
大人の読書は、「情報の収集」、「知識の獲得」などというように「目的」があって、そのために手段という意味合いが強いものです。逆に「読書そのものが目的」となるような「暇つぶしの読書」など楽しみのでは速読を使いませんよね。
 
ひるがえって子ども達、とりわけ小中学生の読書というのはどうでしょう?
 
子ども達は、まさに言葉を獲得し論理的思考力を付けるため、言葉を味わい完成を耕すために読書をするという側面が非常に強いのです。
 
「側面が強い」というよりも、そのような「読書力を付けるための読書」こそ、子ども時代にしっかりと積み重ねておかなければならないと思うのです。国語力があらゆる学力の基礎である、という言い方をしますよね。
 
確かに、子ども達というのは大人では考えられないような能力をはっきすることがあります。よく耳にする「右脳」を活用した読書みたいな感じです。
 
しかし、そのような能力があったとしても、それは読書力とは別物です。そのような「右脳」、「左脳」という言い方をするなら、子ども時代にしっかりと身につけるべきは「左脳」をしっかりと使った論理力、文脈読解力であり、「言(こと)の葉=言葉」を豊かにし、感性を耕していくことが必要なのです。まぁ、実際の読書というのは、左右両脳を活用するものであって、右脳とか左脳とかいうこと自体があほくさいのですが。
 
「大人顔負けの、半端ではない読書量をこなしている子ども」であれば、速読は意味があるかも知れません。しかし、大人と同じ視点で考えて、いたずらに「勉強の効率が上がる」とか「試験で時間に余裕ができる」などという考え方はして欲しくないと思います。
 
前頭前野をしっかりと使いながら、文字をしっかりと読み取り、場面をイメージしながら読む、論理的に考えながら読む、そういう読書力を鍛えるための読書をしっかりと積み重ねて欲しいものです。子どもをお持ちのお父さん、お母さん、そして学校や塾の先生、ぜひセンセーショナリズム、商業主義に走らず、冷静に子どもの教育という視点で考えてくださいね。
 
以上、元中学校進路指導主事の寺田のつぶやきでした。
(この記事は2006年に書いた記事を、2011年に一部修正したものです。)

いただいたコメント

落とし穴にはまってしまうところでした。野球等のスポーツにも役立つと聞いて、小学生の子どもに速読を考えて、まずこちらに関心を持ちました。メッセージもとても誠実で、なるほどと思えるものでした。有り難かったです。

投稿者 tamapiee : 2011年2月28日 21:00

メッセージ、ありがとうございます。
 
大手の学習塾FCさんに「速読をやっているが、成績の向上にはつながっていない。どうしたらいいでしょう?」という相談を受けたことがあります。
どこの塾も、あれこれ宣伝していますが、10年以上前から塾業界の速読は存在するわけで、本当に価値があるものなら、とっくに実績が出ているはずなんですよね。(^^;
 
そういう部分も含めて「速読って効果あるの?」という目は持っておきたいところです。
もちろん、この記事に書いたような「子どもにとって、本当に必要なものは?」という意識も。
 
もし速読や学習に関する疑問、質問などがあれば、遠慮なくおたずねくださいね。
ではでは。
●●

投稿者 寺田 : 2011年3月 1日 03:25

コメントはこちらからどうぞ♪



facebookでコメントする

▲このページのトップへ戻る

【PR】速読をマスターしたい人、必読!


メールアドレス >
  • 無料メール講座と無料メールマガジンをお届けしますが、その他のDMなどをお届けすることはありません。
  • 購読の解除はいつでも可能です。(無料メルマガバックナンバー&解除フォーム
  • 今なら、2009年までamazonで29,800円で販売していたビジネス速読術講座標準教材(ダウンロード版Windowsソフト+PDFガイド)をプレゼントさせていただきます!