ビジネススキル講座

[02]出力を鍛える

 実は私(寺田)は、大学を卒業して公立高校の教師として採用される前に、大学受験予備校で小論文の講師をしていました。
 
 50分の授業で時給6000円というお給料をいただきながら、予備校生を相手に、世の中の見方や文章の書き方を教えていたんです。ちなみに、時給は6000円でしたが、授業が月に2コマしかなかったため、月給は12,000円という恐ろしい状況でした。(;_;)

 それはさておき、世の中を自分なりの切り口で見る「眼」と「思考法」ってすっごく大事です。でも、これってそんなに簡単に鍛えられるものでもないんですね。
 
 もちろん「見方」とか「考え方」ってのはトレーニングである程度は身につけられるものなのですが、それを自分の本当の力として落とし込んでいくのは量稽古しかありませんね。人と討論するってのもいいですね。
 
 ただ、私たちってどうしても権威ある人の著書や、新聞・テレビなどのマスメディアの情報に流されてしまいがちです。しゃべっている言葉がほとんど「うけうり」っていう人もいますよね~。(--;
 
 これを防ぐには複眼を持つ癖を付けなければいけません。1つの真実に対して、いろいろな見方や考え方・とらえ方があるわけですよね。数学の証明問題であれば、答えは1つなのですが、社会科学、人文科学ってのは1つの事実にたいしていろいろな見解が生まれます。「好み」っていった方がいいかも知れません。
 
 そういう「いろいろな見方・考え方・とらえ方」を、とりあえず「知る」っていうのが、「複眼を持つ」ための第1歩だろうと思います。
 
 最初はうけうりでいいから、とにかく複数の考え方を仕入れてみて、ものの見方には幅があったり、温度差があったり、いろいろなんだってことに慣れてしまうわけです。
 
 そのためにも、同じ分野、事件なんかについての本、新聞も、複数手にとってみるようにしたいものです。そういう部分では速読って便利ですよ♪ 
 さて、小論文講座の授業っていうのは、1つのテーマについていろいろな切り口を見せながら、生徒との対話を通じて、考え方の視点を手に入れさせるのがメインでした。
 
 もちろん、書くトレーニングもするんですが、書き方っていうのは、ある程度「フォーム」みたいなものがあって、それに従って書きながら、量をこなしていけば、それなりに形が整うものなんです。
 
 あとはクヨクヨ考え込まずに書くように圧力(?)をかけてやれば、意外とそれなりに「速書力」がついてきます。
 
 そういえば、世の中には「速読」はあっても「速書」のハウツーってないですよね。(^^; 「速書」という切り口で本を書いていらっしゃるのは、斉藤英治氏と高島徹治氏、あとずいぶん昔の本ですが佐藤某という方がおられます。(佐藤氏についてはお名前を失念しております…。)
 
 佐藤氏は「速く書くにはカタカナが一番」みたいな感じで、「速記」的な技術を勧めていらっしゃったと記憶しています。
 
 高島氏は「1日10分の速読勉強法」などの著書でも有名ですが、残念ながら「速書」の本は、まぁ・・・(--; フォームを大事にしろとか、漫然と書くなとか、タッチタイプをマスターしろっていう、ある意味オーソドックスな内容になっています。(すみません。もちろん、そんな浅はかな内容の本ではありませんが、とりあえずってことで。)
 
 斉藤氏はレッスンでも、感想を時間を区切って書かせるなど「スピーディーに書く」ことを大事にしています。また、マッピング式のノートを活用してメモを素早くとったり、思考を上手にまとめたりすることも推奨しています。「速考」という前提があって「速書」があるっていう感じでしょうか。
 
 ・・・と、ここまで読んでいただいてご理解いただけたのではないかと思いますが、結局、「出力」っていうのは「処理」の結果であって、大事なのは入力と処理なんですね。(^^;
 
 それができさえすれば、あとはフォームにしたがって書くだけ。最初はフォームにきっちりあてはめて書いていって、文章の展開を体で覚える必要があるでしょう。
 フォームにしたがって書いて、その本質を体で感じ、相手に伝わる文章っていうものを自分のものにできれば合格ってところです!
 
 あとは、量をこなしていくうちにスピーディーに書けるようになってくるものです。多少型が崩れても、相手に自分の主張や思いが伝わればいいわけです。そしてビジネスマンや資格試験の受験者ならスピーディーに書くことの方が大事ってこともあるかもしれません。
 
 じゃぁ文章のフォームって何よ?ってことなんですが、これは「中学校の数学の証明問題」が分かりやすいと思います。私は高校生、予備校生には三角形の合同を証明する問題(の解答)を、原稿用紙に書かせていました。
 
 これで文章のフォームを学んだら、次は「上手な文章」の筆写です。段落の切り方や接続詞、句読点の使い方などは名文を吟味しながら筆写するのが、修得の近道です。
 
 でも、20年前なら朝日新聞の天声人語を写せばよかったんですが、今はそういう模範的な文章って探すのに苦労します。新聞のコラムは文章展開も段落構成もはちゃめちゃで、ひどいものが多いんですよ~。(--;
 
 まぁ「お前は人のこと言えるのか」っていうツッコミはなしってことで。
 
 それはともかく、上手な文章を真似て、文書のフォームを身につけるっていうのは、すごく大切です。
 
 ビジネスマンが書く文章っていうのは、どういう文章であれ、相手に意図を伝え、時には説得し、時には反論し、最終的に意図した方向に状況を動かしていく使命を科せられています。
 
 そういう文章では何が重要かっていえば「読みやすさ」と「わかりやすさ」ですよね。そして、これってパターンで学べるものなんです。
 もちろん、メールを書くのか、チラシを書くのか、プレゼンテーションの原稿を書くのか・・・というように状況によってスタイルは違いますが、およそパターンは同じです。
 
 そのパターンについては書き始めたら、それだけで恐ろしいボリュームになってしまいますんで(高校教師の時代に、小論文指導チームのチーフをやっていたんで、学校オリジナルの指導書を作ったことがあるんですが、結構なボリュームの「冊子」になってしまいました)、お薦めの本をご紹介させていただきますね。(^^♪
 
☆山田ズーニー著「伝わる・揺さぶる!文章を書く」(PHP新書)
http://www.office-srr.com/Recommend/JumpTo.php?id=Output
 
 この本は、文章を上手に書けるようになりたい全ての人にお勧めします。小論文指導をやっていた人間が読んで「これ、サイコー!」と思える本です。d(^^*
 
 ちなみにズーニーさんっていう方も、元小論文指導者で、現在は糸井さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」( http://www.1101.com/ )で「おとなの小論文教室」を連載中です。(この連載は週刊です。)さすがプロ!という、わかりやすさ抜群の本ですよ。
 
 この本でフォームを学び、あとは時間を決めて書く練習をすれば、簡単に(多分…)速書力ってつきますよ~。v(^^♪
 ぜひ出力を鍛えて、トータルな情報処理力を身につけましょう!
●●

投稿者 てら : 2006年10月05日 07:48 

[ビジネス速読MM] 2006.10.05号 ビジネス速読術講座トップへ戻るカテゴリ:ビジネススキル講座のトップへ6日間レッスン(1)

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