速読術関連コラム

[14]速読術、事始め(3)

 速読術の前に読書を…と書きましたが、正しいノウハウや適切な指導ができるインストラクターのいない教室で速読トレーニングをしてきた経験を持つ人は「悪い癖」をつけてしまっている可能性があります。この場合「ゼロからのスタート」ではなく「マイナスからのスタート」になり、トレーニングをしてもまったく成果が上がらないということも起こります。まずは「しっかり、ゆっくり読む」ことからやり直す必要があります。


 2005年5月末に東京で2.5日の集中レッスンを開催し、15名の方に受講していただきました。


 さて、参加者の中にこのBLOGでもよく登場する某教室経験者の方がおられました。その方だけが本当に伸び悩んでいらっしゃって、こちらとしても、たった2.5日では問題を解決して差し上げられませんでした。


 その教室では「ただPC画面を眺めるだけ」のトレーニングと、同じ文章を泣くほど繰り返し読むことでスピードアップを図るというお手軽メソッドだそうです。ちなみに修得目標は「初級で5000文字」という、SRRで「最終到達目標」とするレベルを初級と位置づけています。(ーー;


 が、「ただ眺める」「同じ文章を繰り返し読む」という行為を繰り返すことで、ちょっと困った問題が起きてしまったようなのです。


 それは「文字を見ても、読まずに適当に流してしまう」という癖が身に付いてしまうことです。


 もちろんそれがその教室の受講者全員に生じている問題というわけではありません。が、その方はどうやらそういう癖を身につけてしまったようです。


 実はこの問題、10年以上前からキム式速読流派では指摘されていた問題でもあります。文字を雑に見ていくだけのトレーニングを続けていると文字を読まない癖がついてしまう可能性があるというのです。
 本当は、その教室でも「最後は読める実感を持てるスピードまで落としていくこと」という指導が(本来は)あるはずなのです。しかし、『読める実感を持てるスピード』を高めるノウハウ(SRRのスムーズ追跡など)がないためでしょうか、受講生をただひたすら煽り立て「もっと速く、もっと速く」と記録だけを追求する姿勢になってしまっているようです。


 メソッドの全貌を本当に理解して、自分自身が速読術を修得しているインストラクターがいれば、適切な指導ができるはずなのですが、どうもそのような指導はなかったようです。


 ですから3日間で眼の動きは完璧にできあがったのですが、『読む』という意識と『見る(文字を受け止める)』という意識の中間をさぐることができず、結局、読書スピードはほとんど変化なし(700文字→800文字)ということになってしまいました。


 とはいえ、原因は特定できましたし、眼の動きはできていますので、これからしばらく「丁寧に読む」癖をつけ、本来の読書の回路を取り戻すことで、恐らく1ヶ月もしないうちに2000文字レベルは手に入れることができるだろうと思っています。


 「速読術、事始め(2)」で集中レッスン(6日間)を受講してくださった方にも同じ悩み(問題)を抱えていらっしゃるということを書きましたが、その方はその後『丁寧な読書』を続け(速耳マスターを使って、音声を聴きながらの読書もしていらっしゃるそうです)、その結果、2000文字を越える質の高い読書を手読書を完成させ、さらにその後、完全とはいかないまでも「文字がふわっと超高速に、無理なく入ってくることが多くなった」と報告してくださいました。


 これまでにも書いてきたことですが、速読が『速い読書』である以上、加速する基本の読書をしっかりと作っておかないと「0×100=0」という数式通り、いくらトレーニングをしても、全く速くならないということになってしまいます。


 これから速読に取り組もうとしていらっしゃる方の中で、これまでにあまり読書をしてこなかった方、あるいは指導力とノウハウを持ったインストラクターのいない教室で「ただ文字を速く眺める」ような指導を受けてしまった方は、まずゆっくりと読むところからスタートしてみてくださいね。
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投稿者 てら : 2006年06月14日 18:30 

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