ビジネス速読術講座

[30]再読・再々読の価値

 ここって「速読」のサイトだったよね?ってとまどう方もおられるかも知れませんが、速読というのは読書の1つの技法です。読書を通じて何かを学び、吸収したいと考えるのであれば、速さが大きな武器になることが確かだとしても、スピードがすべてではありません。

  
 SRRは、「速く読む」だけでなく「速さに幅を付ける」ことはすごく重要なことだと考えています。ミクロレベルでの理解を大事にしながら、ゆっくりとよむ場面、マクロレベルでの理解を意識しながらスピードを上げる場面など、TPO(Time Purpose Occasion)に応じた読み方をするわけです。
  
 さて、これまでのお話は基本的に「1回目の読書」という暗黙の了解のようなものを踏まえて書いてきましたが、何も本を2回読んだらだめだということはありませんよね。
  
 というよりも、本当にその本から何かを吸収したいと望むのであれば、2回、3回と読むのが当然だと言ってもいいぐらいです。
  
 あなたが最近読んだ本の中で、特によかったと思う本、印象深かった本を1冊思い浮かべてください。そして、その内容をできるだけ詳細に思い出してみてください。
  
 いかがですか?印象以上の具体的な内容がどれくらいでてきましたか?
  
「この本、すごくよかったんだよ!」という「印象」は残っても、その中身がどれくらい残っているかというと、結構ビミョウですよね。(^^;「とにかくすごかった」という表現にしかならなかったりして…。
  
 実際、どんなに感銘を受けても記憶は時間の経過と共に薄れていきます。よくいう「忘却曲線」というやつは宿命なんですね。(--;
  
 そしてそれを補うには復習するしかありません。つまり「再読」です。再読することで記憶への定着は強固になりますし、それだけではなく、おそらく1回目の読書とはまた違う味わいや理解を得られるはずです。
  
 1回目の読書を通じて、あるいはその後の読書などを通じてあなた自身が成長していますし、1度読んで全体の構成や主張を理解していますから、2度目の読書は必ず1回目よりも質が高くなります。また1回目と違う視点で再理解したり、新しい発見をしたりできます。
  
 本を読むことの目的が自分を成長させることであれば、誰かの知識と知恵が詰まった本を、たった1回通過してしまうだけというのは、あまりにもったいない話ですね。
  
 この「再読」について、コーチングで有名な宇都出さんから、こんなご意見をいただきました。これは私が書いた「ブレーキを踏む勇気」についてのコメントとして頂戴したものです。
  
「  --メールからの引用ここから--
あと、自分の体験からさらに付け加えたいのが、2回、3回と何度も読む勇気。
  
私も以前は、ついつい1回読んだら、それで満足したり、もう一度読むことを時間の無駄と思ってしまう傾向があったような。。
  
最近は何度も繰り返し読むことが好きになり、それがリラックスにつながって、結果としてスピードも理解度も上がっている気がします。
  
試験勉強での高速大量回転と近くなっているととらえることもできますし、本を消費したり、流していくフローの感覚から、本と付き合う、味わうというストック(とまではいかないかもしれませんが)の感覚への変化かもしれません。
--メールからの引用ここまで--  」
 
※宇都出さんとは?>>http://allabout.co.jp/career/management/
  
 う~ん。「フローからストックへ」ですか。いいこと言いますね~。(^^) ともあれ、宇都出さんメッセージありがとうございました♪
  
 宇都出さんも書いていらっしゃいますが、再読することは速読トレーニングとしても有効です。これは126号でご紹介した「擬似的速読トレーニング」と同じ原理です。とことん同じ本を読むことで読書スピードが上がってきます。これは同じ本を読んでいれば当然のことですが、おもしろいことに初めて読む本のスピードも同じように上がっていくものなのです。
  
 これについてヴィジョン学習研究会の玉城氏がブログに書いていますので、ちょっとのぞいてみてください。
>>http://blogv.visionlf.com/?eid=105027
  
 2回目の読書は「初めてではないから」という安心感がありますので、リラックスと集中のバランスがとりやすくなりますし、2回読むことを習慣化していけば、初めての読書でも「あとでもう1回読むから」という安心感で、同じように快適に読むことができるものです。
  
 速読術修得のためにも、知的に向上するためにも、本とのつきあい方を変えてみませんか?
●●

投稿者 てら : 2006年06月16日 18:30 

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