ビジネス速読術講座

[03]超現実主義へ

 実は、私(寺田)が最初に速読と出会ったのは本屋の一角にある“超怪しい系”の本棚でした。

 高校2年生の秋、日課となっていた帰り道の本屋での立ち読みで、「1冊を1分」とうたうその本に出会いました。ちなみにそのコーナーには「大予言」「UFO」などの書籍がずらりと並んでいました。その出会いから、私の長い速読人生(?)が始まりました。

 その本に記された理論や体験談に心奪われた私は、まず、速読に関する本を購入し、それに従ってトレーニングをしましたが上手くいかず、次に通信教育(これは今考えると、完全なパチもんでした!^^;)に手を出し挫折。最後にたどり着いたのが「世界正統キム式速読術」の教室(ただしダイエーの文化講座で開講)でした。
 結局ものにはならなかったのですが、まさに「Love is blind.」状態。アイドルへの疑似恋愛にはまる少女のようというか、新興宗教にはまる若者のようというか、とにかくどんなに邪険にされても、相手に対して否定的な感情を持つことはありませんでした。

 「これを身につければ自分(の人生)は大きく変わるんだ」そういう確信をもっていました。いわく「集中力が高まる」、「見たものを、見たままに記憶できる」、いわく「あなたは脳の数%しか使っていない…」、「右脳にはすばらしい力が眠っている…」。それらの言葉を鵜呑みにしてしまい、自分はできもしないのに「速読ってのは右脳を活用して…」なんて他人に語っていました。(あ~恥ずかしい。)

 結局、視野も広がりシューティングゲームのスコアは劇的にアップし、漫画は速読できるようになったものの、期待したような速読は身に付きませんでした。もちろん、ある程度は速くなったのですが、今考えると「自分で速く読めると信じようとして、無理をしていた」という側面もあるかも知れません。

★速読術マニアがたどり着いたのは「超現実的」な速読術でした

 その後、出版されている本には大事なノウハウは書かれていない(まぁ、それは当然だし、仕方がないことなのですが!)ということに気がつき、自分の手応えと感覚を頼りに試行錯誤を続けました。本当の意味で使い物になる4000~6000文字/分の速読術を修得できたのは、最初の出会いから7年以上が経ってからでした。
 大学を卒業してから、私は教壇に立っていたのですが、その傍ら、自分でつかんだノウハウを広めるべく、SRR for PC9801/DOSVの公開、メルマガ(当初はメーリングリスト)の発行、無料のオンラインレッスンの開講(これは今とはメソッドもシステムも違い未熟なものでした)と展開し、気がついたら教職をやめて速読教室を開いてしまっていました。(爆)

 当初からすべてをオープンにすることを大事にしており、小説を読むと1500文字前後のスピードに落ちること、難しい本はスピードが落ちること、オンラインレッスンの半数は挫折していること(残りの半数は3~5ヶ月で4000文字を修得)、一生懸命がんばっているのに全然成果が上がらない人がいることなども明らかにしていました。にも関わらず「誰でも3~6ヶ月で4000文字レベルの速読術を修得できます」とうたっていました。実は、自分でもこの矛盾に気がつかなかったんです。「挫折したのは、その人の問題」と考えていたんですね。

 もともと私が速読術のノウハウを公開しようと思ったのは、「本当のところを知りたい」と思ったからです。なんか夢みたいなことばかり本には書いてあるけど、実際に教室に通った人たちからは夢やぶれた話しか聞かないんですね。そういう状況を打破できないか、もっと地に足のついたものはないのかっていう。
 それなのに自分まで「誰でも」「確実に」「ばりばり4000文字で読める」みたいなことを書いていたら、それは詐欺だろうと思い直したわけです。「場面によってスピードを切り替える」、「本当に大事なところはとことんスピードを落とす」、「読んだからといって記憶に残るわけではない」、「すごい努力が必要」っていうことは、「但し書き」として書くべきコトではなくて、前面にしっかりと打ち出すべきコトだとも。
 そして同時に、目的に応じて、スピードだけではなく理解度をどうコントロールするか、記憶に残すためにはどのような手法が有効か、ノート法は・・・。そういう提案までできてこそ、本当に価値のある速読・読書の文化を作れるのではないかと考えました。それは「読んだだけ」で満足するのではなく、読書の目標を「読書によって知識を得、知恵を産み出し、自分の行動が変わる」ところにおいた、新しい読書スタイルの提案です。
 マニアックな速読術にあこがれながら、最終的に行き着いたのが、現在の超現実主義的な「ビジネス速読術講座」というものだったわけです。

 「1冊を1分」を目指して遠回りをしてきた人間が、元教師として、現役ビジネスマンとして自信を持って提供するのが、実践・活用型の「ビジネス速読術」です。それはスピードばかりを追い求めず、目的と状況に応じてスピードと理解度を切り替えることのできる速読術です。また、齋藤孝氏の提案する3色ボールペンや、誰もが使っている付箋を活用しながら、さらに質の高い読書を目指す読書技法でもあります。
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投稿者 てら : 2006年05月06日 15:46 

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