ビジネス速読術講座
[29]ブレーキを踏む勇気
速読術を身につけると本が好きになりそうですが、実は妙な速読術を身につけたために本を読まなくなる人っていうのも、いらっしゃるんです。
読まなくなるといっても、そこそこ「流行の本」などは読める(読んでいる)わけですが、本当に読みたい本、読むべき本から遠ざかる…みたいな感じです。
これはなぜか?──これもやっぱり目的意識を持っていないからなんですね。「なぜ速く読むのか?」ということが明確にできていないために、妙な速読になってしまっているんです。
修得しているレベルにもよりますが、速さを求めればそれに比例して失うものも出てきます。特に自己流で雑な速読術を身につけた人はそうなりがちです。
失うものがあったとしても、それを補ってあまりあるメリットがあれば速読は決して無駄ではありません。無駄ではないどころか、たとえ雑な速読術だったとしても、本を手に取る気持ちが前向きになるのであれば、それは大きなメリットですよね。
そういう意味では、まず「目的に応じて、スピードを上げる気持ちを持ちましょう!」ということになります。さんざん書いてきましたが、速読修得の第一歩は「速く読むんだ」という覚悟です。一字一句を丁寧に理解する「ミクロレベルでの理解」ばかりにこだわる従来型、受験勉強型の読書から、「マクロレベルでの理解」を重視した新しいスタイルに思考を切り替えることで、それは可能になります。まさにパラダイム・シフトですね。某自動車メーカー風に言えば「シフト・ザ・スタイル」?^^;
新しい読書スタイルを手に入れるためには、自分の読書スピードを加速するために「アクセルを踏む勇気」を持たなければなりません。さんざんトレーニングをしたのにスピードが上がらない人には、このアクセルを踏む勇気がないという人も多いものです。高速道路で、ベンツに乗っているのにアクセルを踏む勇気がない…みたいな…。
しかし!です。ここで考えたいのは、その逆のパターン。
アクセルを踏むことに慣れてしまって、アクセルをゆるめることを忘れてしまう、アクセルをゆるめたり、ブレーキを踏むことを嫌がるというパターンもあるんですね。
「速さは善でも目的でもない」
このことを忘れてしまっては行けません。速さを求めすぎて本嫌いになったり、本を読む楽しさを置き去りにしてしまっては本末転倒です。
必要とあれば立ち止まったり、返り読みをしてみたり、そういう質を高めるための「ブレーキを踏む勇気」も忘れないようにしましょう。
車の運転と同じで、ブレーキを踏みすぎるのも、ブレーキを踏まなさすぎるのも、どちらも問題です。もしあなたがちょうど運転になれてきたところであれば、ぜひ「ブレーキを上手に踏む」ことを思い出してみてください。
自動車と違ってブレーキを踏まなかったからといって命を落とすことはありませんが、本を読む目的を損なってしまったり、本を読む喜びを感じられなくなってしまったりする可能性があります。
速読初心者の方は特に「立ち止まる勇気」「返り読みをする勇気」を忘れないようにしてくださいね。なかなか速さと理解のバランスがとれず、コントロールが効かない…というストレスもあると思いますが、そういう時は思い切って「質を重視する」ことも大切です。
速読術を修得する過程では、質よりも速さを重視したトレーニングをおこないますが、実践の場面では「読む目的」にあった読み方を心がけましょう。(^^)
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