ビジネス速読術講座
[24]飛ばし読み
なぜか「速読」というと「一字一句すべてを理解する」ことが善であるかのように扱われます。しかし、飛ばし読み、斜め読み、拾い読みだって立派な速読です。もっと気楽に考えて、読書を身近なものにしてしまいましょう!
キム式、パク式の流れを受け継ぐ速読術は、どこも「すべての文字を読む」ことを強調します。伝統的におこなわれてきた飛ばし読みや斜め読みを否定することで、その価値をアピールしようというわけです。
実は5年前までは、SRRもそうでした。
しかし、飛ばし読みや斜め読みを否定するのはおかしな話ですよね。
その時の読書の目的に照らして、「深く読む」「細部にこだわって読む」ことよりも「速く読む」こと、つまり「全体像をつかむこと」等が重要な要素であるなら、別に一字一句を読む必要はないはずです。
そもそも、一字一句を読んで理解したとしても、それを一字一句記憶できるわけではありません。あなたも、学生時代の国語の試験で、かなりゆっくりと課題文を読んだとしても設問ごとに当該部分を読み直した経験があるはずです。いかがでしょうか?
文章を構成する「言葉」は、前後が結びつけられながら理解されます。そして例えば一文読み終えた時点でそれは1つの意味の「かたまり」になり、理解されます。さらにその文と文がつながっていき「文脈」として理解されます。
これを読後に振り返ったとしても、大きなかたまりごとの印象が残るだけであって、細部は「全体の一部」としてとけ込んでしまっているでしょう。記憶に残り、言葉として取り出せるのは、ほんのわずかばかりの印象深かったところぐらいではないでしょうか。
とすると、です。
飛ばし読みをしながら効率的に読み進め、結果として全体像をうまくつかむことができ、巨視的に(マクロの観点から)高い理解度で読むことができたとしたら、それは果たして悪い読み方でしょうか?
そして、「一字一句を読む」速読をする人が同じようにスピーディーに読み進めたときに、果たして飛ばし読みをしながら読んだ人とくらべて、どれくらい質の高い結果を出すことができるでしょうか?恐らくそれほど変わりないのではないでしょうか。
もちろん、飛ばし読みは高等技術です。読書経験の浅い人が飛ばし読みをしようとしても、まったく意味がとれないでしょう。しかし、SRRなどが提供する視覚的なトレーニングを積み上げていく速読術に比べると、はるかに簡単に実践できますし、なによりその人の読書レベルに応じて実践できます。
手軽に飛ばし読みをおこない、読書量を増やしていくことで、読書の前提となる知識を増やすことができれば、それだけ同じ速さで読んだときの理解度も上がります。逆に速さを上げることもできるようになります。だとしたら、飛ばし読みはいけない!などと考えずに、気楽に実践するようにしたらいいですね。
結局、考えなければいけないのは「今からおこなう読書の目的は何か」ということです。その目的をそこなわなければ、飛ばし読みだろうが、斜め読みだろうが、熟読だろうが、どんな読み方をしてもいいわけです。
これから速読に取り組んでみようかなと思う人は、速読教室の煽り文句に踊らされず、気楽に飛ばし読み、拾い読みも含めた「効率的な読書」を求めてみてください。そうすれば、速読術を完全に修得するまでの時間も、どんどん読書を楽しんでいくことができますよ。
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